両者の生息地域と姿形は似通っていますが、肝心の本人(蛇)達はお互いの区別が付いてるんでしょうか。
サンゴヘビとミルクヘビが無用な争いをしてしまったり、交雑しようとしてしまったりしないか心配です。
サンゴヘビ(Coral snake)も、ミルクヘビ(Milk Snake)も、いろいろな種類があるようなので、一概には言えませんが……。
まず、この種の擬態(ベイツ型擬態)が成功するためには、両者の生息地域が似通っている、というのが前提条件になるでしょう。
コブラが生息していない場所でコブラの擬態をしても、何の役にも立ちません。
で、ご質問の「お互いの区別が付いてるか」ですが、おそらく付いているものと思われます。
いかに似通った色彩をしていても、ヘビの視覚は一般に発達していません。
視力は人間などに比べると弱く、現存する種にも目が退化したものは多い。
Snakes use smell to track their prey.(ヘビは獲物を捉えるのに嗅覚を使用する)
Snake - 4 Biology - 4.5 Perception
ヘビは口の内にヤコブソン器官という嗅覚をつかさどる感覚器を持っているので、匂いで判別できるのではないでしょうか。
以下、余談です。
上で「ベイツ型擬態」と書きましたが、サンゴヘビとミルクヘビの場合、もっと複雑な問題があるようです。
猛毒を持つサンゴヘビが、なぜ派手な警戒色をしているのか、という点です。
捕食者が毒で死んでしまえば「サンゴ色のヘビは危ない」という情報は後世に残らないわけで、サンゴヘビが派手な色をする必要はない、という事になります。
Wikipedia 英語版の Mimicry にある Emsleyan/Mertensian の項目の説明によれば、猛毒のサンゴヘビも無毒のミルクヘビも、弱毒のニセサンゴヘビ(Erythrolamprus 属)の擬態をしているのではないか、という説があるそうです。
サンゴヘビの方も、ニセサンゴヘビに擬態していれば、鳥などに間違って襲われる確率が低くなってメリットがある、というわけです。
以上、ご参考になれば幸いです。
なるほど、嗅覚で区別しているのであれば外見が似ていても大丈夫ですね。
回答を読んでわかったのですが、ミルクヘビとニセサンゴヘビは同じ種だと勘違いしていました。