THEME:「星」「なおす」「お手伝い」
「今日をちょっと楽しく、特別にすることって何だろう? イエで過ごすいつもの時間を素敵に変える小さな魔法のサプリがあったら……」と展開してきた“リブ・ラブ・サプリ”コーナーの続編のひとつ、キッズ・バージョン。子どもたちと一緒に遊び、学び、楽しむ暮らしのサプリを、テーマに沿って語らいませんか? 豊かな暮らしを創っていく〈イエはてな〉のマインドで投稿ください!
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「Welcome to イエはてな」
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テーマ詳細とアイデア例
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※ピックアップ受賞メッセージは、〈みんなの住まい〉サイトにて記事紹介させていただきます。またメッセージは表記統一や文章量の調整をさせていただくことがございます。
※〈イエはてな〉では、はてなスターを「おすすめメッセージ」として活用しています。投稿期間中は、はてなスターのご利用を控えていただけますようお願いいたします。
※質問は3月22日(火)正午で終了させていただきます。
うちでも、器を引きずって動かすなとよく言われていました。口うるさいなあ、メシがまずくなるよ、なんて思っていましたが、それは作法とかそういうこと以前に、道具を大切に扱う、物に対する思いやりの心だったんですよね。だったら、そうやって食べていった方が、食事も美味しくなります(^-^)
まず最初にちゃんとそうした理由があって、それを分かってやっているうちに、自然と美しい所作が生まれてくる。その積み重ねが伝統の作法になって今に伝えられている。だから、マナーとか礼法っていうものは、その形の中に込められた心を知ることが大切なんだなあと思います。一つの所作の心を知ると、その応用で、だいたいどんな場面でも、理にかなった振る舞いが出来るようになってきますしね。
漆器に使われている素材(木・漆)は全て自然からの賜物で、器になっても生きています。
これは楽器なんかでもそうですよね。ギターなどもほぼ全体が賜物の木で出来ていますから、弾いてやらないと、だんだん美しい響きが失われてしまうんです。
逆に、買った時はたいしたことがない楽器でも、長く使い続けていくことで、びっくりするくらい豊かな響きに育っていきます。だから、傷ついても壊れても、大切に直しながら長く長く愛用していく。時間によって育てられていく価値は、お金では買えない宝物です。
ふと気付くと、我が家には歴史のあるモノがたくさんあることに気がつきました。
それは骨董品のように古いから価値があるモノではないけれど、重箱や鍋、俎板、トースター、
洗面器やスノコなどどれも長い間現役で台所やお風呂などで働いてくれています。
その中の一つに、漆塗りの碗があります。
実家ではプラスチックの椀を大事に使っていましたが、いつしかツヤがなくなり、ゆがみも出てきて、
内側の色もはげていたため、結婚した時に祖母から漆塗りの椀をいただきました。
これは私にとってはかなり高価なものですが、10年経っても綺麗なまま現役で使用しています。
漆塗りの碗はちょっとした気づかいで、何十年ももつそうです。
長持ちさせるコツは洗ったらすぐに柔らかい布で拭くこと、衝撃に弱いのでぶつけたりしないように個別に洗うこと、
テーブルの上で引きずったりしないこと、表面は柔らかいので研磨剤を使わないこと、電子レンジ禁止などです。
面倒がらず、こういった手入れをしていると年を経るごとに手になじみ、上塗漆が透けて下塗の朱みが増したり、
漆越しに木目が浮かび上がってきたりして、買ったばかりの時よりもずっと色艶が増して美しくなるのです。
そしてこの碗を使用していて何よりいいと思ったことは、ぶつけたり、引きずらず丁寧に扱うということを心がけていると、
それが美しい所作になること。
着物を着ると、自然に立ち居振る舞いが上品になるのと同じような心理からだと思いますが、椀をひきずったり、
乱暴に置くことで碗やテーブルが傷がついてしまうのは勿体無いからです。
そして長く使うと愛着がわき、捨てたくないからもっと丁寧に使い、さらに長持ちするという好循環。
こうして大事にしていても愛用していると、いつしか塗りははげてしまうかもしれません。
碗の生地が上等の木材なら安易に捨ててしまうのはもったいないことです。(上等でなくてももったいないですが。)
メーカーによっては塗り箸や碗や盆などの塗りなおしに応じてくれて、費用も新品に比べ数分の一で済みます。
安いモノも高いモノも、使い込む過程で、いろんな想い出が込められていると思います。
傷をつけてしまったり、長く使って塗りがはげてしまった時には捨てる前に、塗りなおしを考えてみてはいかがでしょうか。
それから昔ながらの生活道具というのは、漆器に限らず、仕舞い込んで使わないでいると乾き色艶が悪くなるものです。
道具は使い込むことで味わいを増していくものですから、漆器も高いものだからと仕舞い込まず身近に置いて触れて愉しんでほしいです。
また、どうしても今は使えないという方も、年に1度は箱から出して、洗って水分補給をしてあげて、そして拭いて
手入れをしてあげてください。
漆器に使われている素材(木・漆)は全て自然からの賜物で、器になっても生きています。
私達は、これまで便利な生活を求めるうちに大量にモノを購入し、そして廃棄してきました。
そして今その大量生産と使い捨ての時代が生み出した、大量のゴミの処分や不法投棄による環境汚染が問題となっています。
家電製品は電気効率を考えて新しいものに買い換えた方が、電気使用量が減り長い目で見るとエコだと言われますが、
こういった椀や塗り箸などは、できるだけ長く使い続けたいと思っています。
捨てずになおす、またはリサイクルする。これらは、小さなことだけれど、誰もが出来ること。
イエで使う器ひとつ、箸ひとつからでも一人ひとりが環境保護を始めれば、それはやがて大きな力となるのではないでしょうか。
娘を含め、子どもたちには、モノと伝統を大切にする心を伝えていきたいです。