シンジくんは、訳も告げられず父親に呼び出され、エヴァに乗れと言われます。
それも何の説明もなく唐突にです。
そして、シンジくんは乗ることを拒みます。たぶんこれは、どんな立派な「大人」であったとしても拒むのではないでしょうか?むしろ社会を経験している「大人」であれば、手順を踏まない常識はずれの相手の申し出に怒るのではないでしょうか?
シンジくんは「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせて、結局はエヴァに乗ります。
では、精神の成熟した「大人」はエヴァに乗るでしょうか?私は99%の人は乗らないと思います。
私は以前から、シンジくんが「精神未成熟な子供」だと言われるのに疑問を持っています。どれほどの「大人」がシンジくんよりも立派に命をかけて戦えるというのでしょうか。
私は思うのですが、多くの「大人」は自分を「大人」だと無条件に考え、シンジくんは子供だと短絡的に考えていると思います。
実際の多くの「大人」はシンジくんよりも精神が未熟な短絡的思考の子供なのだと思っています。
皆さんのご意見をお聞かせください。
現代の普通のオトナ論をぶてるほど私はオトナとして生きていないとおもいます。
そちらをお望みでしたら申し訳ないのですが、アニメの文脈というものについてちょっと説明したほうがいいかなとおもいまして。
アニメにロボットと、そのパイロットという形のヒーローが出され始めてから
20年くらい経ったころ、機動戦士ガンダムというアニメがつくられました。
そこでは、今までにないヒーローがいました。
「戦いにたいして後ろ向きな、普通の生意気な少年アムロ」が
無理矢理親からうけついだガンダムに載せられ、たたかわせられます。
アムロは逃げました。戦争は理不尽です。
命をかけてたたかったってなにが得られるわけじゃない。
上司にも殴られたし、脱走兵として逃げ隠れもした。
それでも、最終的にはしぶしぶ戦場にもどり、戦い、最終的には一段上のオトナになりました。おめでとう。
エヴァンゲリオンのシンジくんはさらにそれを理不尽にした立場にいます。
もっと幻想的でいてかつ現代的な戦場です。
好戦的なアスカがお手本のような戦いをしてみせます。逃げては女性上司にも責められます。
親にはシトの来襲をも組み入れた人類補完計画という腹づもりがあるようです。
そこにはいっぱい罠があります。
人のココロを捨てたり、もういっそ死んでしまったほうが楽なのです。
それでもやはり最後までみればわかるように、
ココロを保ったまま理不尽な苦しみの連続を耐え抜いたシンジは拍手で精神的な成人を讃えられます。
さて現代においてはどうでしょう。
オトナも思春期の子供でさえ、ココロを捨てたほうが楽だというふりをしていますが、
だれでもシンジをみたらやはりココロが大事だと理解することもあるのではないでしょうか。
確かにシンジは普通の大人よりオトナです。
しかし、だれもがシンジほどのツライ目をみなければならないかというと、そういうわけでもないのです。
シトは最初から来襲しないに越したことはない。むしろシトレベルの災害が来襲していたら
こんな物語は産まれなかったし放映もされなかった。
この物語がフィクションであることは僥倖です。
いろいろな示唆に富んでいるドラマなので、オトナへの途中でだれでも一度は見た方がいいんじゃないかなとは私もおもいます。
ですが、それを現実の人生とかと混同してはいけませんね。
むしろ社会を経験している「大人」であれば、手順を踏まない常識はずれの相手の申し出に怒るのではないでしょうか?
社会人であれば、目上の人/上司からの命令に黙って従うものです。
それは、自分に近しい/自分のことをよく知っている目上の人/上司が、自分を害するような命令を出すはずがないと考えるからです。むしろ、自分を成長させるために、多少負荷はかかっても目的を達成できる作業を命じていると考えるからです。
それが非常識だと感じるのは、自分の常識の枠が狭いと考えるからです。
そのようにして命じられる場合、目標への到達計画や具体的な手順は自分自身で組み立てるのが大人です。
あえて理由を説明したり手順の説明を受けないことは、大人に対する扱いであるわけです。
一方、自分に最も近しい目上の人である父親の命令を拒むシンジ君は、まだまだ大人になりきれていない、中二病の少年だと考えられます。
シンジはいままで逃げてきています。
親と話をせず、ミサキさんと話せず、最後にエバから逃げたら、なにが残るのでしょう。
死んじゃうかのたれ死ぬか、誰にも相手されずに一生暮らすか。
シンジはそういうところに追い込まれちゃったんだと思います。
逆にオトナは知っていてそういう風に追い込んだんだ。と。
99%のオトナは乗らないと思いますが、コドモをだまくらかして乗せるのはラクだったんでしょう
たしかにシンジは逃げてきたかもしれません。
しかしそれは大人も一緒ですね。子供を都合よく動かすために「逃げるな!」って言っているのだと思います。
大人ならば、ちゃんと訳を言って聞かせ、どうしてシンジの助けが必要なのか説いて見せればいいのです。それが出来ないから「逃げるな」などと言って都合よく道具として使っているわけです。
まだ子どもで、わけがわからなかったからこそ、
EVAに乗れたんだと思います。
むしろ、すべてを把握している大人であれば、
そのような荒唐無稽な要求を彼は拒んだでしょう。
わたしも、そう考えます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%87%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B...
後に父親に認められたいからEVAに搭乗する。
もし、父親の要求でなければ、彼は拒んでいた可能性が高いと思いますね。
実際の多くの「大人」はシンジくんよりも精神が未熟な短絡的思考の子供なのだと思っています。
これは、たしかに一理あるかもしれません。
たとえばの話ですが、会社に入ると、否応なくそのなかのルールに縛られます。
大人だから視野が広いとはいえないと、わたしは思います。
縛られている、ということに気づいていることも重要ですが、
それができている大人も少ないでしょうね。
また、実際にわたしが経験してきたことですが、
上司の考えや指示が間違っていることは、往々にしてあります。
したがって、上司の指示に盲目的に従うのが大人だとは、
わたしは思いません。
疑っているなどと思われないためにも、
従っているふりはしなければなりませんが、
心のどこかで、これは間違っていないだろうか、
と常に自分に問いかける必要はあるでしょう。
上司やまわりのさまざまな人の意見を、
じっくりと吟味し、行動するのが大人だと思います。
>上司やまわりのさまざまな人の意見を、
じっくりと吟味し、行動するのが大人だと思います。
私もそう思います。
なんの情報もなしにいきなり乗れと言われて、なんの抵抗もなしに素直に従うなんていうのは大人だとは思えません。
逃げはしなかったけど、立ち向かいもしなかった。
結局、一般的な無気力人間らしく「流されてた」だけに見えました。
それで文句は言うんだから、ウザイ奴だなーと思いました。
現実にもそんな人ばっかりですけどね。
漫画版のシンジは最近自分から立ち向かったらしいですけど。
流されていたのは確かかもしれません。
しかし、命を張って戦っていたのですから、文句のひとつやふたつ出てきたところで彼を責めることが出来る人がいるとは思いません。
命を張って戦っているわけではない一般的な人も上司の文句、先輩の文句、政治家の文句、言うでしょ。
私は、どこまでが大人で、どこまでが子供、
という、作為的な線引きにはあまり意味がないと思いまして、
それが大人だろうと子供だろうと、
どこまで自分が信じる道や人道を貫き通せるかだと思っています。
シンジ君が取った行動
すべてが人間らしいと思いますし、勇気のある行動だと思います。
本当に逃げていたのでしょうか?>
いいえ、そうは思いません。アニメやドラマの設定上、いかにも相対する敵と戦わなければへたれのような社会に描かれてます。
また、大人は頼りなくその人物しか世界を救えない設定です。でも現実社会ではありえません。
所詮アニメは中二病設定なのかなと勝手に解釈してます。
現実社会に当てはめてみれば、大人に依存しなければ生きていけないし、大人でもそこに死が待ち受けているのにわざわざ好き好んで選択する人はいないでしょう。
そして、シンジくんは乗ることを拒みます>
だからこの設定に関してはむしろ共感できましたが・・・。
精神未成熟な子供という設定に無理矢理シンジを当てはめただけなのと、精神世界を描くためにそうしたのでしょうが、どうもこのアニメは好きではないです。殺され方が気持ち悪いです。
その「大人」の方の仮想がちょっと違うような気がしますが、それは置いといて(守るべきものがあるものが大人、と思いますし)。
シンジは、大人じゃないですよ。
エヴァに乗った事は、他の人が言う通り、エヴァに乗った事自体は「流されてる」かも知れない。自分が乗らないと人類が滅びそうな事を薄々感じていて、もう一人のパイロットは立てさえもしない状況なら、乗るしか無いでしょう。半分脅迫されながら乗ったようなもので、誰でもああするしかないと思ってます。
大人かどうか判断するポイントは、そこじゃないでしょう。
シンジは、コミュニケーション能力が著しく低いです。
不平不満を自分の内に貯めてしまう。それを、叫ぶような言い方じゃなければ、感情を爆発させるような言い方でしか、発露できない。それじゃダメだろう、という事を平然とした態度で相談できない。
それで何かが解決したら、そりゃ周りが大人なんです。
ただ、シンジは子供なりに精一杯やって、周りの大人がそれを支えた。
それでいいんじゃないかと思います。
エヴァを使って反乱とか、子供じゃなきゃ許されないようなことまでしてますし。
大人ではなくてもEVAに搭乗している4人の子どもがいます。
レイとアスカ(新劇場版だとマリも)とカヲルとトウジ(アニメ版だと損傷、漫画だと死亡、新劇だと搭乗せず)です。
アスカと始めとして初期教育を受けたチルドレンはEVAに乗ることがすなわち存在意義であって、
彼らは搭乗拒否はしたことがないし(そもそも考えもつかない)、
一種の洗脳ともいえる状態にあります。
シンジも早期からEVA登場者として訓練されていれば、
普通の子どもらしい親との葛藤や任務のためには親友を手に掛けなければならないといったことは、
世界平和のためには仕方ない、親子関係の軋轢も親友を手にかけたことも尊い犠牲だと(無理にでも)納得してしまったのではと思います。
家庭環境というより養育環境に問題があったものの、普通の少年として生活していたのが
突如として不条理に巻き込まれ、逡巡しながらそれでも最善を尽くそうともがくのがEVAの物語ではないかと思ってます。
EVAという要素を抜けば中2男子が美人だが散らかし屋の女性上司と同居し、食事買い物掃除一般をこなし、学校にも普通に通って(父親に呼び出される前は確実にそれなりの成績をおさめていた)いるのですから
もともとの世渡りや自活能力は非常に高いと。
たられば話ではありますが、
かれがEVAと無関係にずっと生きていけたのなら大学など高等教育を受けて、就職や研究活動の入る時に父母の影を追うようにリツコやミサトのように無意識にNERVに入ることを選択していたのではないかとも思います。
何の訓練もしてない子をロボット(?)に乗せて世界を守れと命令する
これは狂ってるとしか言いようの無い行為で、そんな狂気の狂人集団から逃げ出して捕まれば、目をくりぬかれて歯を抜かれて顔を焼かれて山に埋められそうなものです
そのリスクに屈せずに逃げたシンヂ君は勇気があるしお利口ですね
使徒が攻めてくる。そういった状況はないと思いますが、実際にそうなった場合に大人の内何人かがエヴァンに乗って自らの生命を賭してくれると少なくとも願っています。
最近ですと福島の原発で被曝を覚悟で消防や自衛隊員が注水作業に邁進しましたね。特に消防は放射能への備えはありません。
上司の業務命令に云々というのはあくまでも平時の話しです。有事の場合とは違います。
古い話しですが、赤穂浪士を率いた大石内蔵助が好例です。彼は刀傷事件直後城を明け渡す際、下に厚く上には薄く城の金を配分することから始まって、普段ならまとまらない案で全体をまとめるという典型的な有事の指揮官でした。確かに最初討ち入りへの参加を希望したのは300人でした。それが47人に減ったかもしれませんが、確実に死ぬことがわかっていながら討ち入りに参加したのです。
寺坂吉衛門ですら、討ち入りの様子を関係者に伝えた後自首していますからね。
>それは、自分に近しい/自分のことをよく知っている目上の人/上司が、自分を害するような命令を出すはずがないと考えるからです。
本気で仰ってますか?自分の欲望だけで動き、部下を犠牲にする上司はいくらでもいます。上の人の言うことが妥当なのか判断する材料もないのに、上司の言いなりになって行動する人間のほうがよっぽど子供だと思うのですが…
asuka645さんの論理でいくと、上司から「福島原発で防護服なしで作業してこい。直ちに健康に影響はないから心配はいらない」と言われれば受け入れるとうことですか?