主食というのがそもそも東洋の概念ですからね…
強いて「カロリーの主な摂取源」と定義するなら、肉とパンということになると思います。
パスタやピッツァなんかはどうなんだ、ってなると思いますが、日本の主食を語るときもラーメンとかうどんとかの庶民の食事ってカウントしないですよね。
炭水化物の主要な摂取源ということならパスタですね。私の持っているパスタの料理本を開くと、シェフが「イタリア人にとってパスタはうどんや丼ものみたいなもの」だと語っています。
イタリアに限らず、ヨーロッパというと主食はパンというイメージがありますが、これは実態とかなりずれがあります。まず、私たちの想像するパンは、小麦粉を主として作られた白パンですが、これは元々高級食品であって上流階級の口にしか及びませんでした。『アルプスの少女ハイジ』でもハイジが白パンに喜ぶシーンがありましたね。一方庶民はライ麦などを混ぜた黒パンを食べていたということです。こうした穀物の供給は不安定で、中世ヨーロッパではしばしば大規模な飢饉があったとのことです。
この状況を大きく変えたのが、大航海時代に新大陸からもたらされたじゃがいもの、食料としての再発見です。じゃがいもがヨーロッパにもたらされた当初は「悪魔の植物」として食用とされませんでしたが、18世紀末にプロシアのフリードリッヒ大王が飢饉時の食糧として奨励したことで、荒れた土地でもよく育つじゃがいもは、たちまち全ヨーロッパの飢饉を救いました。現在もドイツやアメリカなどでは、じゃがいもが主食であるということです。寒冷な地域ではこのようであるのですが、イタリアはヨーロッパの中でも暖かい地方で、日当たりもよいので、野菜が豊富に食されると同時に、慢性的な小麦不足にはありませんでしたから、乾燥して飢饉に備えることのできるパスタが重用されました。
もっとも、現在は小麦の大規模生産・大規模輸入が可能になったので、隣のフランスなどは恐らくパンが主食と考えてよいでしょうが、イタリアに限っては主食としてパスタに軍配が上がるでしょう。
コメント(1件)
意外と野菜やナッツをよくたべるそうです。