私は、軍に対する「将軍様」の求心力の低下。
これが深刻になっているから、と考えます。
最初は、孤立化を深める国際関係を打開するための「脅し」に
ミサイル発射準備というポーズを取っていたのだと思いました。
しかし、その切り札は、発射してしまえばもう終わりです。
むしろ、とっておきの切り札のはずだったテポドン2は、
無様に失敗した様子です。
つまり、ミサイル発射という危機感を
外交圧力用に使おうとしたわけではなく、
単に技術的問題があって発射が延び延びになっていただけ、
といった状況が見て取れるわけです。
また、既に実戦配備されているノドンやスカッドまで撃っています。
既に知られているミサイルをいくら撃ってみたところで、
そんなものは全く軍事力のアピールにはなりません。
そのへんを総合して考えるに、目的はおそらく軍向けの国威発揚。
おそらく国際的に孤立化を深める北朝鮮のことですから、
軍内部から様々な不安の声が上がっていたのでしょう。
そこで軍向けに勇ましいミサイル発射を印象づけて、
特にアメリカのスペースシャトルよりすごいんだという印象を与えて、
崩壊寸前の「将軍様」への忠誠心を鼓舞しようとしたと。
そういう事情なのだろうと思います。
北朝鮮政府はもう、まともに飛ばない
作りかけのミサイルにしがみつかなければならないくらい、
窮地に追い込まれていると言うことです。
http://news.pyongyangology.com/archives/2006/06/3_20.html
ちなみにテポドン2は事実上核弾頭搭載能力はない、
という見方が主流でしたから、
この破壊力は、大型ジェットが墜落する程度でしょう。
核弾頭搭載可能と考えてた場合、予想される搭載可能量は650kg。
核弾頭が弾道ミサイルに搭載される場合は
大気圏へ再突入する際に生じる高熱がすごいですから、
そんなに大きな弾頭は搭載できません。
ですから、爆撃機から投下する大型のものに比べると、
核兵器としての破壊力は劣るものと考えられると思います。