高級オーディオ店に行くと数百万円もするアンプがいくつも置いてありますが、
アンプというのは、基本的には
[入力波形]→波形を加工→[出力波形]
という仕事をするだけのものですよね。
だとすれば、その加工の周波数特性を測定してデジタル化すれば、
あらゆるアンプの特性は、比較的簡単な機材で再現可能だと思うのです。
(もちろん、十分な精度を保った標本化・量子化を行うという前提の上で)
にも関わらず、超高級オーディオ用アンプの需要がいまだに衰えないのは、
デジタルでは再現不能な何かがあるのかな、と想像するのですが・・・
何があるのでしょうか?
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基盤などに高級な素材を用いることによりノイズが小さくなる、というのはあると思いますが
今回はノイズのことは考えず、音質(アタック感、音の広がりといった性質)に関して教えてください。
例外があるかも知れませんが、高級アンプのほとんどが重いはずです。なぜ重いかといえば非常に大きくて贅沢な電源回路を搭載しているからです。例えば瞬間的に大きな音(シンバルなど)が入った場合などこの電源回路が貧弱であれば、十分な電流が確保できないという問題が起こります。したがって周波数特性(一定の大きさでしかとらない)などでは完璧なアンプが実際に聞いてみるとここぞというところで腰砕けの貧弱な音しかしないということになります。
車などでもパワーがあれば速く走れるかというと必ずしもそうではありませんよね。むしろエンジンの即応性がよかったり、サスペンションが硬さが適当だったり、ブレーキの利きが良いというような総合力が速さを決めます。
同じようにオーディオもいろいろな要素によって音が決まります。スピーカ等との組み合わせによっては最新のデジタルアンプよりも大昔の真空管アンプのほうが生き生きとした音で鳴ることも珍しくありません。
周波数特性を完璧にしたところで、部屋の特性やスピーカの置く場所でかなり左右され実際に計ってみればガタガタなのが普通です。
結局のところ本当に良い音を作るというのは、いまだに経験と勘が最後にものをいう職人の世界の技術ということになります。最高級のものを求めれば数百万円しても不思議はありません。
人間の聴覚はアナログ信号の音に反応していますよね。
音源はアナログ信号になっております。
これらの音源は単純な波形ではなく可聴周波数以外の波形も含まれた複雑な波形です。
スピーカーもアナログ信号を音に変換しています。
従ってアンプはスピーカーを動かすため必要な大きさのアナログ信号にすることが目的です。
途中で部分的にデジタル信号に変換しても最終的にアナログ信号に戻さなくてはなりません。
アナログ信号を増幅するために真空管やTRなどが使用されますがそのほかに抵抗、コンデンサー、トランス、銅線などが使用されます。
これらはすべて周波数特性を持っており、もとの音源を忠実にすべて同じものとして増幅できません。
高級アンプは人間の可聴周波数範囲以上の幅広い音域をなるべく忠実に増幅するように設計・製作されています。
なるべく近づけるために厳選した部品を使用しているため個々の価格が高くなりセットになったとき高価になります。
ちなみにCDはデジタル信号ですがアンプでアナログ信号に戻しています。
また、音響装置は入り口(マイクやプレーヤー)からアンプそしてスピーカー装置のバランスが必要です。アンプだけ高級でもスピーカーが廉価だとスピーカーの特性しか保証されません。
「現在の技術ではかなりハイレベルなところまでは機械的に持ち上げられる」のは同意しますが、それを超えるところに数百万のオーディオの世界があります。
いずれ機械的に持ち上げる技術だけで高級オーディオ並みの音が出るかもしれませんが、現状ではそうはなってません。
私自身の個人的な考えを述べさせていただきました。
波形加工のパートだけを突き詰めてもオーディオ構成全体が完璧なものになるわけではない、
ということはよく分かりました。
しかし、味覚と聴覚を同列に語るのは、複雑さの次元を考えれば、論理的でないと思います。
昔は迷ったら重いほうを選べという格言というか基準がありました。めちゃくちゃアバウトでしたけど、まあ当たらずとも遠からず、トランスのしっかりしたアンプを作るようなメーカーは他でも無謀なコストダウンはしてないので、それなりの音がしたものです。
機会があれば真空管のアンプを聞いてみるといいと思います。良い悪いでは無く別次元の音がします。(真空管アンプでも駄作はあるんで断言はできませんが)
ライブをやっている会場のスピーカー見るとフラットな特性とは無縁なスピーカが重なって置いてあったりします。マイクもいったいいつの時代のものってのが平気で現役で使われたりしてます。原音に忠実って言っても原音自体がけっして忠実だったりしません。あなたが聞いているボーカルは本当の歌手の声ではなく、30年前のマイクを通しての声だったりします。なぜそんなマイクを使うかと言えばそのほうが良い雰囲気になるからです。エレキギターに至ってはわざと歪ませているのが普通です。
こういう状態で100%原音に忠実に再生できたとして、それが必ずしも最高の音とは限りません。高級オーディオの音を毎日聞いているわけではありませんが、私が聞いた限りでは必ずしも原音に忠実に再生しているわけではありません。むしろ、音楽はこういう風に聴いたほうが楽しいぞって自己主張しているように思えます。
まあ、それはともかくありがとうございました。
現在の音響装置を使用した演奏会の音とは異なります。
生の演奏会の音を電気的に再現することは不可能です。
しかし、近似的な音の再現に挑戦することの楽しみがありました。
当時は自作のための雑誌が頬宇夫にありましたので、真空管アンプやスピーカー・ボックスを作成しました。
ビル工事現場のアルバイトをして毎週もらえる給料をもって、秋葉原の電気街で部品を集めました。(おたくではありません)
完成したのは6ヵ月後でした。
今は存在しないメーカーの出力トランスや電源トランスは非常に重いものでした。
結婚して子供の教育費がかかるころは控えめにしましたが妻からは「オトキチ」といわれておりました。
現在は10畳ほどの主寝室を独占して、真空管アンプの音に近い「FET」アンプやAVプリアンプ、レコードプレーヤー、DVDプレーヤ、100インチプロジェクターなどを使用して楽しんでおります。
団塊世代の人間の中にはこのような人も多く、住宅のリフォームついでに超高級音響・画像設備を設置する人も多いと思います。
そのような需要もあるのではないでしょうか?