(1)まず、コンセントからの電気も環境に負荷ををかけ、ロスも発生します。
日本においては発電所が遠隔地、例えば東京であれば新潟県柏崎市から送電する
場合もあり、その送電ロスが20~30%程度と言われています。水力も遠隔地
での発電です。近距離の場合は火力発電所となり、天然ガスを用いなければ
石炭重油併用であり炭酸ガスが出ます。
送電ロスも電圧を上げることで減らすべく電力会社や電機メーカが協力して
いますが無くすことは容易ではありません。低圧にして家庭に配電する場合も
変電所でのロス、近所の電柱にある変圧器のロスもあります。
家庭のコンセントから出てくる電力も温暖化ガスに無縁ではなく、元々のエネルギー
が持つものを目減りさせて使い良い交流単層100ボルトまたは200ボルトで
やってきます。
(2)現時点でコスト面、自動車への実装面から、低速は電気、高速はガソリンで
動かすことが有利なのでしょう。全速度域を電池で走る自動車もありますが、
バッテリーの重量が重ければ燃費は悪く、大きさや価格面も響くでしょう。
他の方が仰っていた「充電スタンド」も全国に整備するとなると大変です。
ガソリンなら既にガソリンスタンドが整備されていますし、自動車に固定設備
があれば一定量は予備燃料として別途積載できます。最悪、ロードサービスも
あります。電気は蓄電することが容易ではありません。
(3)これは純然たる電気自動車や鉄道の世界、最近は電動自転車でもブレーキ
時のエネルギーを電気に変換して、速度を落とす「回生ブレーキ」があります。
これも純然たるガソリン車では出来ない技です(ブレーキをかけてガソリンが
吹き出すエンジンを発明できれば良いですが)。鉄道の場合は他に走行中の
電車(だ行中は意味ないですが)があれば有効に発生電力を転用できたり、
地上設備で一旦蓄えたりできますが、電気回線を接触しない場合はバッテリー
に貯める位ですね。鉄道の場合はディーゼルエンジンを回転させ、それを
直接ドライブシャフトにつなげず、発電機を回して、そのエネルギーで
モーターを回して車輪を回す機関車が、半世紀前の黎明期と、ハイテク技術
を駆使した現在において供用されています。回生ブレーキはありませんが、
起動時や低速時には、黎明期は機関車を重連するときに便利、最近はエネルギー
効率面から評価されているのではないでしょうか。
(4)電車もそうですが、「バッテリー」を駆動用に装備することは現時点では
研究段階と思われます。鉄道総研http://www.rtri.or.jpでもバッテリー
電車=これは路面電車で停留所だけに架線を設備して、停留所間はバッテリー
で走れないか?そうすれば架線設備の費用が節約できると同時に、電車の
床下機器をディーゼル鉄道区間でそのまま使えて設計費用の節約にもなるなど
利点はあるのですが、電池の重量や大きさ、そして安全性の検証を一生懸命
行っている段階です。成功すれば、市街地のバスに小さなパンタグラフを載せて
折り返し停留所や、車庫で充電すれば良くなり、バスに搭載するバッテリーも
小型化できます。小さければ漏電や感電の危険性も小さくなります。