都市計画等ではコンパクトシティなど、成長させることではなく、縮小を前提としたプランが検討されるようになってきています。では、実質的に無理じゃないかと思われる人口増や経済成長などをすっぱり諦め、人口減・経済縮小を前提とした政策を提唱しているところはあるでしょうか。
政党としては、わかりませんでしたが、縮退を論じている教授はいらっしゃいます。
セルジュ・ラトゥーシュ(Serge Latouche)
パリ十一大学経済学名誉教授
http://www.diplo.jp/articles04/0411-4.html#1
谷口守岡山大学教授
維新新党・新風です。
http://seisaku.sblo.jp/category/215070-1.html
「我が国の経済発展による豊かさを「保障とゆとりの社会構造」と理解するならば、それは経済政策として常に維持されなければならない。しかし、それが自動的に保障されることはなく、社会変動の中での均衡を図る絶ゆまざる努力が必要とされる。世界的視野で見るならば、先進諸国においても永久的な拡大再生産を指向するやうな産業構造は既に限界に達し、世界全てが先進諸国並みも経済発展を指向する連鎖の矛盾が露呈しつつあり、限られたエネルギーや自然環境などにも配慮したゆとりある安定的社会の実現を求める文明論的視点が必要である。
少子高齢社会の我が国が安定成長による成熟化社会を目指すには、高度情報社会の中での産業構造の転換や豊かさの価値の転換が必要である。」
他の政党(共産、新党日本など)は、財政赤字悪化を避けるためのハコモノ財政批判、公共投資の構造転換をうたっていますが、主眼はあくまで財政赤字解消であって成長停止、経済の縮小にはありません。他は自民の骨太の方針はじめ成長を公約しています。
ただし、維新新党の政策には具体的施策がまったく表わされておらず、また、経済縮小政策で現在の人口を養えるかの根拠も示されてはいません。
成長が限界であることは、おそらくどの政党も意識していることですが、それを実現する産業転換がいまだ模索中ということで明確に政策として示すことができないのかと思います。ビジョンがあるのはよいのですが、理念だけというのはビジョンがないのと同等に問題かと思います。ちなみに維新新党の経済政策は市場自由主義で技術立国、しかしいろいろな場面では保護主義、という、少々困難なもののようです。