うっかり、カッターで指を切ってしまった時は「いったーい」とか言って痛がりますが、たとえば、時代劇の戦闘シーンで日本刀で腹を斬られるシーンや拳銃でうたれるとこ時などでは「うっ!」としか言ってなく、「いったーい」とか叫びません。
これは、テレビ局の都合なのですか?それとも、心理的な問題ですか?
「医療に強い人」ではありません。面白そうなテーマで、かつ現時点の4件の回答が面白かったので、私の意見を書かせていただきます。
映画・演劇・小説などの中で、斬られた・刺されたシーンの場合、
そこで傷を負った者が、「いったーい」と叫ぶようなせりふを書く人はあまりいないと思います。
1 緊張感が薄れるし、もっともらしくなくなるので、作品が悪くなる
2 軽い怪我を何人もが負うシーンで、それをせりふに入れるとわずらわしくなる
2の理由はともかく、1のもっともらしくない(=不自然)というのは、ひとつのポイントだと思います。
カッターで指を切ってしまった時は「いったーい」とか言って痛がるのは、切った瞬間ではなくて、その後の状態です。通常そのカッターで引き続き切ることはもうなくて、怪我が増えるとかの危険はすでに遠のいていて、心理的には事後処理?をすればいい状態です。したがって、落ち着いて「いてて」「いたた」「いてーなぁ」「うぉーいてぇー」「あぁ きっちゃったょ」とかの表現をして「味わうゆとり」があるといえます。
目の前から何度もカッターナイフを振り回され、懸命に避けていたけれど、避け損なって切られた、まだ攻撃は激しさを増すばかりで、とにかく避けることや反撃・逃走に全力を使わざるを得ない状況の場合、怪我をしたこと、切れていることがわかっても、何もいわないことが多いと思います。まして殺し合い、斬撃戦、銃撃戦、戦闘の真っ盛りであれば、全神経がバトルモードに入っていて、斬られたり撃たれたりしたということがわかった場合でも、痛いことさえ気づかない・さほど痛みは気にならないと思います。もちろん「いたーい」とかいう気にはならないです。
駆け出していて躓いて転んで手を突き指を骨折した、あるいは打撲・擦過傷という場合でも、似たもので、立ち上がってから、痛いよ~となります。小さな子供だと、倒れてびっくりしたのが終われば、立ち上がる前に泣くかも知れませんが、怪我と同時に泣く子はいません。
日本刀で腹を斬られた、拳銃で撃たれた場合でも、すぐに悶絶・気絶しなければ、そして当面ひと呼吸できれば、「いてて」「くぅー 痛ぇー」「痛ぇー くそっ」(腹痛のときと同じですね)と言うことも多いと思います。我慢すれば声には出さないと思います。見栄もあるし、そう大声で叫ぶことはなくても、頭の中、心では、痛ぇー痛ぇー痛ぇーと復唱している可能性は高いと思います。
柔道やレスリング、サッカーなどでは、打撲傷や骨折をするのは珍しいことではないです。フィギャースケートでも転倒強打することはあります。 工場などで機械操作中に指を切る人もいます。 私が見たり聞いた経験の中では、そうした打撲、骨折、切断事故があっても、そのときに「いたーい」というような反応はなかったです。数多い事故の中では、怪我や切断時に痛いというような言葉として意味を持つような発声をする人も要るかも知れませんが、そういう例は非常に少ないだろうと思います。
なお、切られた、撃たれたということで細胞に損傷が発生すると、化学物質が放出されます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/疼痛
これを受けて、順番に神経系統を電気信号や化学物質が授受されて、その信号が脳中枢まで届けば痛いという感覚を得るはずですが、ことはそれほど単純ではないと思います。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_26.htm
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5157358.html
脳はかなり選択的な動きをするので、ほかに何かの方面で活動していると、特定のことを止めてしまいます。痛いというのはかなり重要で優先度が高いことになっていると思いますが、思い切りアドレナリンを分泌して興奮状態だと、脳が痛い感じることを止めてしまうこともあります。仮に腕や脚、腹に大怪我をして、そこからは信号が神経系統を通じて脳に出されたとしても、脳がそれを受け付ける状態になければ、痛さは感じません。また脳が少しは痛さを感じたとしても、脳としてはほかにやるべきことがたくさんありそれにほぼ専念している場合には、抹消神経からの痛み情報に対応して、痛いという日本語を発声する命令を脳がだす可能性は非常に低いと思います。
痛みを脳が感じない場合も、痛いという日本語を発声する命令を脳が出さない場合にも、人間は痛いとは普通はいわないと思います。
私も交通事故や刺傷の怪我をしていまっすが、鎖骨や手のひらの骨を折っても、そこそこの刺し傷でも、しばらくは怪我の痛みはほとんど感じませんでした。
もちろんいたーいとは言いませんでした。交通事故は、ただただ驚いていたという感じでした。怪我をどこで(どの時点で)やったのかもわかりません。病院に運ばれて骨折部位がわかってから、たぶんあのブツカッた時かなと、結果から原因やタイミングを想像することしかできません。自分では事故で打撲をしたけれど、それだけだと思っていました。それにぶつかったことは記憶していますが、そのときに痛んだ記憶はありません。事故の最中の時間は結構長く感じるものですが、そのときに打撃の衝撃があったはずですが、大きな衝撃の身体感覚も感じていなかったように思います。刺し傷は、交通事故とは別ですが、「あ ささった」ということに気づきますが、そのときに痛いとは思いませんでした。数分してから痛いと思いましたが………(それほどの大怪我ではなく、数回病院に通ったので済む程度の刺し傷です)
演出の問題でしょう。
時代劇で斬られて斬られた人が
「いったーい」って叫んじゃしまらないですよ。
ちなみに私はカッターで指切っても「うっ!」って言いますが・・・