調査への参加状況は次のところにあります。
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_chousakekka_p...
国立60%台 公立 小25% 中40% 私立15%程度
都道府県別の状況はわかりません。
参加した児童生徒数で言えば100%公立学校の児童生徒と見て良いでしょう。
この結果は、公立の小学校、公立の中学校の状況を見ていると考えて良いはずです。
都道府県別の調査結果は一部示されています。
学校別の結果は示されていません。
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/index.htm
このPDFのP6~P9に[知識][活用]に問題を分けて正答数の分布を出しています。
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_chousakekka_p...
これを見ると、実にワイドバンドの状況になっていることがわかります。
平均点でどれだけの実態を示せるのかが疑問なことは明らかです。
全国でこれだけワイドバンドなのですが、各都道府県でもワイドバンドでしょう。
しかし、分布の形が同様になる偶然は少ないです。
小学校算数B活用問題 秋田・東京・沖縄 (PDFの4/4)
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_shou_todoufuk...
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_shou_todoufuk...
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_shou_todoufuk...
学校別に見れば、こんな形のワイドバンドになることはあり得ないと思います。
個人差は大きいのがあたり前ですが、学校差も大きいはずです。
それが集計されて都道府県の状態になります。
調査の名前は[全国学力・学習状況調査]です。
学習の状況調査は重要な一部です。
例えば、小学校の設問25~30は次のようなことに、児童の回答を求めています。
25 家で自分で計画を立てて勉強をしていますか
26 家で学校の宿題をしていますか
27 家で学校の授業の予習をしていますか
28 家で学校の授業の復習をしていますか
29 家で苦手な教科の勉強をしていますか
30 家でテストで間違えた問題について,間違えたところを後で勉強していますか
本人の回答ですから、している、どちらかと言えばしている、あまりしていない、全くしていないのどれをチェックしたのは、実態そのものではないでしょうが、都道府県別の状況は大きく違います。
秋田県は勉強している児童の割合が多いのです。設問27~30に、全くしないと回答した児童の割合は、秋田県で5%前後なのに、東京都では15~20%です。このような状況だと秋田県では成績不良者の割合が減って全体平均も上がることは当然になります。
こういう設問に[している]と答える児童500人と[全くしていない]と答える児童500人とを比べた場合、前者の集団の方が、後者の集団よりも、学力テストの正答率は高いでしょう。[している]と答える児童:[全くしていない]と答える児童の割合は、学校によって差が大きいはずです。あるいは教育熱心な家庭の児童とさほどではない家庭の児童で比べた場合にも、前者の方が[している]児童が多く、その方が学力テストの正答率は高いでしょう。
人は環境の影響を相当に受けます。家庭環境も、学校の文化や周りの同級生が自発的に勉強したり、自助努力を重視する人だと、それに近い行動パターンを身につけます。
投げやりだったり、できてもできなくても気にしない習慣の人が多ければ、自分も何事につけて努力はしなくなるし、授業を熱心に聞かず、理解できなくても気にしない性質を身につけていくと思います。
東京の公立小学校はお受験できなかった非優秀層しか残ってない
ということはないでしょう。頭も優秀で運動神経もよく、感性も優れ、性格も良い児童生徒も多いと実感します。
学校の問題や個々の児童生徒の素質の問題にばかり眼を向けないで、親や家庭にも眼を向けてはどうでしょうか。
東京に住居がある大人、東京付近に勤務している大人が、みんな努力家でしょうか、向上心に富んでいるでしょうか、子供の時から現在まではどうでしょうか。
わからないこと、不明なこと、周りの人は知っているらしいけれど自分には良くわからないことをそのままにしている人は多いです。
(大人が普段から調べごともしない、辞書を引かない、参考書やインターネットで調べて考えることもしないのであれば)子供にだけ、授業をしっかり受けて、やったことの7割、8割はわかるように食いついて勉強しろと言っても、子供はそのような形では育たないと思います。
幼児期ならば、わからないこと、知らないことをただ疑問形で親にぶつけて回答をえるということがほとんどですが、小学校3年前後になれば、自分で調べていく癖を付けていかないと、高学年、中学校と進むにつれて、授業を理解できないことになってしまうのではないかと思います。
「多額の通塾代払ってお受験する」ことに意味があるとは思いません。
通塾料を2倍、3倍と払っても、著名校をいくつも受験しても、それで勉学の習慣が子供に付くのではないのは明らかです。
勉学習慣を強め、子供の学力や知的向上心などに見合った環境に子供を置くために、通塾や私立校に通わせることは良い方策かもしれませんが、塾料金や有名進学校の制服やブランドが子供の学力向上に寄与する効果は少ないと思います。