幕末小説の大御所・司馬、池波(それに海音寺潮五郎も入るでしょうか)を除くとなると、個人的に正統派は難しいので、変り種であまり知られていないけど面白かった小説を紹介します。
豊田有恒『北方の夢―近代日本を先駆した風雲児ブラキストン伝』
つい最近読み終えてダイアリーにレビュー書いたばかりでした。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20101023/1287841847
幕末に来日した外国人の中ではかなり変わってるというか(当時からすれば)常識外れとも言える軍人・探検家・研究家・実業家トーマス・ブラキストン。
まだ蝦夷と呼ばれていた北海道、そしてアイヌの文化と人々を愛し、多くの人からも慕われながらも、夢破れて最後は離れざるをえませんでした。
この本を読むまではまったく知らなかった人ですが、その生き方に魅せられました。もっと世に知られてもいい人物ですね。
それと外国人から見た幕末・明治の日本の姿がとても新鮮でした。
大山格『慶喜、謀叛!! 』
いわゆる歴史IF小説です。徳川慶喜が史実とは違う決断をした時、その後の歴史が大幅に変わった。その当時の出来事を回想形式で記述するというかたちを取っています。
中古でしか入手できませんが、重厚で読み応えあり、歴史マニア向きと言えるでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/kidouhan/e/55c4efec956503d663eb33a8226de0e...
井沢元彦『葉隠三百年の陰謀』
こちらは幕末の佐賀藩における葉隠を題材とした歴史ミステリーとも言える内容です。
10代直正(閑叟)の治世に起こった化け猫騒ぎ。どうやら佐賀鍋島藩草創期の竜造寺家との因縁があるらしい・・・。その事件の調査を命じられたのが若き日の大隈重信。
歴史+ミステリと1冊で二度おいしい小説です。