しかし、毛皮をもたないクロマニョン人にとっては、ヨーロッパは寒すぎたのではないでしょうか。それがネアンデルタール人駆逐に2万年もかかったことと、ヨーロッパに天然林がない理由ではないでしょうか。
質問は、ヨーロッパ史をエネルギー論的に捉えている歴史の本はないでしょうか。つまり、寒くて、雨が冬に多いヨーロッパは、エネルギー不足から経済が沈滞していた。結局、十字軍や大航海時代の植民地獲得のように、外部から資源や富を収奪してくるしかなかった、、、。という視点で歴史を論じている欧州史があれば教えてください。
ご関心事に近いアプローチをとっている研究書の一つとして、
R.G.ウィルキンソンの『経済発展の生態学』があてはまると思います。
経済発展の生態学―貧困と進歩にかんする新解釈 (社会科学の冒険 (3))
彼の説を要約するとこうなるようです。
経済の発展は人口増加と資源枯渇の挟み撃ちから生じる、生態学の不均衡
からの社会が逃れる唯一の道である
たしかに彼の生態発展モデルは近代ヨーロッパの海外進出、とくにイギリスの産業革命以降のあたりはよく適合します。
人口圧だけであれば中国は対外進出してもよかったはずですが、歴史的に侵略戦争はあまりしていないです。なにかヨーロッパ特異の事情があるはずでしょうね。
ギリシア-ローマ古代文明から中世期にかけての動力の歴史はこの本があります。
純然たる技術史なので政治軍事や対外進出までは含まれませんが、中世ヨーロッパが畜力で技術革新があったことなどが触れられています。
三巻目しか読んでないですが、このシリーズも参考になるかもしれません。
田中紀夫 エネルギー環境史 全三巻 ERC出版
●ニュース - 古代の世界 - ネアンデルタール人は異種交配で絶滅 ...
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20111128001
まあそういったところです。
自分が何か新しいことを思いついたら、まず、他に同じことを自分より先に考えた人がいるかもしれないと思え!という主義ですので、試してみました。
興味深い記事をご紹介ありがとうございます。
ただ、クロマニョン人の男が、ネアンデルタール人の女と交配したとなると、ミトコンドリアDNAの流れが途切れてしまうので、まったく別の遺伝樹が生まれてきますよね。
そういう例はまだ報告されていないのではないかと思いました。