熱中症の原因は大きく分けて4つあり、高温高湿度、水分の不足、塩分の不足、体調不良です。
高温高湿度は発汗と高温による体調不良の原因となります。発症前に冷水シャワーを浴びる事は発汗を抑え体温を下げると言う点に於いては熱中症の原因の一つを防止することにはなります。ただ、これでは発症を防止するために定期的にシャワーを浴びる必要が有り、家で過ごしている人には可能かもしれませんが、野外や工場の作業従事者やスポーツ参加者には実行が難しい対策と言う事になります。家で過ごしている人たちは何をしているにせよシャワーなど浴びなくてもあまり熱中症などにならないと思いますよ。
発汗による水分の不足は熱中症の直接的な原因ですが、すでに脱水症状になった患者を冷水シャワーだけで救う事は出来ず、やはり水を摂取させる必要が有ります。
現在は塩分濃度が低い事が健康に良いかのように言われますが、塩化ナトリウムはもちろん人体に必須です。猛暑でしょっぱい汗をかきながら水ばかり飲んで塩分が欠乏すると痙攣を起こし、そのまま塩分不足が高じると肝不全を起こし死亡します。熱中症でなくても水の摂取量には致死量がありますがその死の原因は膀胱破裂ではなく血液中の塩分の低下です。このような状態の患者は体温を下げるだけで救う事は出来ず、適量の塩分を摂取させる必要が有ります。
体調不良が熱中症の原因だと書いたのはこれが重篤化の原因となるからです。全員が体調がよい場合の猛暑作業では全員が同じようにきついので自然に休憩や水分、塩分補給が行われます。しかし一人だけ二日酔いや睡眠不足で作業に参加した場合、みんなが楽しく働いている中で一人だけ熱中症を発症してぽっくり死んでしまうという、熱中症の怖さはここにあります。
おまけですが、熱中症対策ではいまだに水分水分と言っている責任者もありますが、酷暑の中で発汗の後に水分を補給する場合はそれに比例した塩分を補給しなければ危険です。その必要な濃度は、簡単に言えばスポーツドリンクの配合ということになります。・・・宣伝するつもりはないのですが。ちなみに「ダカラ」という飲料は塩化ナトリウムだけ含んでいないというホワイトカラー様の飲み物ですから、熱中症対策の水分、塩分補給には不適当です。