テーマは『リクエスト』(http://q.hatena.ne.jp/1441341826 参照)
1.「滅亡」「タイムスリップ」「メタ」←自由選択
2.妖物なんぞ
3.壮大なSF
以下、順次追加?
締め切りは9/15前後です。いろんな事情によって左右されます。多分伸びます。
詳しくはこちら。はてなキーワードさん↓
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なお、開催者がわたしですので、文字数は限界突破! 1万字前後まで受け付けます!! (140文字以内でもあり←ついったー小説家さん用)
返信は、感想的なのが良いのか、講評的なのが良いのかぐらいの希望を受け付けます。のんびりお待ちください。
以上です。
世界中を巻き込む戦争が起こると言われながらも、最後の大きな戦争を覚えているのはデジタルなデータだけとなってから、数世紀が過ぎた。きな臭いことは何度かあったようだが、三度目の世界規模の戦争は何とか回避されてきた。
アメリカは世界の警察を標榜し、中国は大国を脅かす位置づけのまま人口だけは増え続け、日本の国土は小さいまま、公用語は日本語のまま、世界の様相はたいして変わっていないまま、世界史で覚えなければいけないことだけが順調に増え、昔と変わらず学生たちを苦しめている。たいして変わらないと言っても、それだけの月日が流れれば多少の進化や進歩はするものだ。未だに自律した機械が人間を支配するようなことも無ければ、自家用車が空を飛ぶこともないが、惑星間航行の技術を手にすることができた。
中国が押さえていたはずのレアメタルは、独占によって国際的な優位を保とうという国家戦略と、それを手繰り寄せるには未熟な技術。それと一部の層だけが富を享受するという社会構造のおかげで、その大半は石ころのままという期間が続いた。他の大国は、中国が保有する資源を当てにせず宇宙に活路を見いだそうとした。
環境が過酷すぎて、ろくに採掘量をあげられない月に早々に見切りをつけたアメリカは火星に活路を見いだそうとした。幾つかの国を巻き込んだ一大プロジェクトは莫大な費用と十数年という歳月をかけて、人類が初めて火星の地に降り立ったのが二世紀ほど前のことだ。
インドの調査隊が古代火星人のものと思われる廃墟をみつけたのは、テラフォーミングにとりかかってから数年後のこと。それらの全てを解析することは能わず、使い方の想像がつくものしか利用することはできなかったが、それでも人類が保有する技術は飛躍的に進歩した。
そのおかげで、安全で持続的な核融合反応を行うことが可能となり、人類は化石燃料の枯渇によるエネルギー問題から解放された。またタキオン粒子の生成技術は従来の宇宙航法の限界を打ち破り、火星や小惑星帯くらいまでなら、一生のうちに何度も往復することができるようになった。惑星間航行技術と豊富なエネルギーを背景に、火星の開発は加速し、まだ人類が大量に移住できるほどにはなっていないが、火星は鉱物資源の貴重な生産場所となった。
ロストテクノロジーの発見という幸運の他に技術の進化を促すものがもうひとつあった。いつの時代でも技術の進化を促すもの。それは軍事利用だ。
人類は地球の重力圏から飛び出すことができるようになったが、各国間の利害関係や民族間のしがらみといったものを振り切ることは適わず、大きな戦争こそ起きていないものの、局地的な小競り合いはどこかそこかで行われ、大国間においては強大な軍事力をもって他国を牽制するという図式はずっと続いている。
ここ火星でも、形式的には各国の領土というものは無く連合組織によって管理され、技術協力をしながら開発を行っていることになっている。それでも突発的な事態に備えるという意味で自衛的な軍備はここにもあり、そのことが地球とはまた違った新たな緊張の中に置かれている。表面上は火星開発のための技術開発という体裁をとっているが、その軍事的な応用開発が行われていることは公然の秘密となっている。
改良されつつはあると言ってもまだまだ薄い大気と小さな重力の中では、鉱石の採掘ひとつをとっても地球上では十分であった技術もここでは効率的とはいえず、研究開発も活発に行われている。
「どうだい。君の機体だ。もう飛べるところまでは整備できている。明日にも初飛行といけるんじゃないかな」
「そうね」
「緊張してるの? シミュレータと同じさ。たくさん訓練したんだろう? 大丈夫だよ」
彼の名はタケル。私と同じ十六歳だ。私専用の機体のメカニックを担当してくれている。といっても、もっと偉い人は別にいる。歳が近いということで話し相手という意味もあってのことだろう。実験用の機体とはいえ整備の大部分は彼に任されている。彼も年齢のわりには優秀な技術者ということだ。
口数が少ないのは別に緊張しているからというわけではなく、いつもの私はこんなものだし、彼がしゃべりすぎるのだ。
物心がつくかつかないかのうちに声を失った私は、音声によるコミュニケーションの習慣があまりない。この研究所にくるようになってからトーキーと呼ばれるマシンをもらって、こうやって音声による会話ができるようになった。私は、この研究所で行われている研究のひとつ、精神感応によるセンシングとコントロールについてのお手伝いをさせてもらっている。精神感応の研究は色物扱いだった頃も含めるとかなり昔から行われているが、あまり目立った成果は出ていない。
このトーキーも精神感応技術の成果のひとつだ。話そうと思う内容を機械に送ることで合成音声に変換して出力してくれる。だれにも使えるわけではないらしく、私のように精神感応力の強い者にしか、まだ扱えないらしい。五感のうちのひとつかふたつを失ったものは、そういった傾向があるらしく五感を補うように精神感応力が鍛えられるのではないか、と主任は言っていた。
多分、そういう傾向が一般的にあるのだろうが、私がトーキーなどを使える大きな理由はそれではないと思う。実は私の家系は代々 狐使いを生業としている一族だ。狐と言っても動物に芸をさせるというのではない。管狐と呼ばれる妖を使役するのだ。私も管狐を使役する術は幼いころから仕込まれている。そういったことが、いわゆる精神感応力と言うものが他人よりも強いという理由だと思う。
人類が火星までも手中に収めようとしている現代でも、私たちのような人種がいるように妖もまた存在する。都市が灯りで満たされ夜の居場所がなくなったように見えても、彼らもまた住み処や生き方を変えながら生き永らえてきた。居なくなってしまった妖も多いが、管狐のように人間とのかかわり合いを持ちながら暮らしてきた妖は人間の変化に適応しやすいのだろうと思う。
彼らと一緒に私たちの一族も昔と同じように続いてきた。あるときは治世に一国を動かすような関わりを持ち、あるときは目立たぬようにひっそりと息を潜めて暮らしてきた。そうやって、日本人が刀を腰に差して歩いていたときから、代々受け継がれてきた。私もまた、受け継ぎ、次へと伝えてゆく一人だ。そういう一族なので、いわゆる普通の人間とはある程度の距離を保ちながら生活してきた。私もそういったことは頭では理解しているつもりではあったが、幼いころから何というか閉塞感のようなものを感じることもあり、十歳を超えるころには外と関わる生活への憧れというようなものが具体的な感情として芽生えてきた。一族を束ねる祖父にお伺いを立てたところ、保守的な祖父の猛反対を覚悟していた私の予想に反してあっさりと許可が下り、祖父の伝手でこの研究所で働かせてもらうことになったのはついこの間のことだ。
どこまで私たちのことを知られているのかは私には分からないが、こういった役割をもらっているということは一部の人達には私たちのことはある程度までは知られているのであろう。ある意味、モルモット的な役割だということも承知しているし、実験動物だと揶揄するものがいたことも耳には入ってきた。だが、外の世界に対する私の好奇心はそれに勝った。退屈極まりなかった私が持っている能力の確認と、火星で作業をするために必要なひと通りの訓練をこなし、それから更に数ヶ月の旅を経た後に、この火星の地を踏むことができた。火星まで来ると周りの雑音はほとんどなくなった。
「なあ、ナギ。せっかくだからこの機に名前をつけないか。もし良かったら、おれにつけさせてもらえると嬉しいんだけどなあ……」
「別に、かまわないけど」
「実はもう考えてあるんだ。『ファイアーフォックス』ってのはどうだい」
長い時間を一緒に過ごすことが多い彼には、私の素性はある程度は話してある。理論と技術の世界に生きている彼のことなので、妖などは信じておらず私に話を合わせてくれているだけなのかもしれないけれど、彼のそういうところは嫌いではない。
「え、と……」
「大丈夫。子機の方もきちんと整備してある。言われた通りにスペースを空けて端子も露出させてあるよ。分かってる。皆には内緒だ。カイドウさんにも言ってない。重量も変わってないし、実際に整備をしてみなければ分かるはずはないさ」
「それよりさ、駄目かな。名前」
「やあ、ちょっと良いかな?」
声をかけてきたのは警備隊のチーフであるミナカタだ。格納庫の入り口からゆうに十メートルはある距離まで私に気配を感じさせずに近づいてこられる彼も、いわゆる普通の人間ではないように感じる。
「もう少し実機での操縦に慣れてからにしたいと思っていたんだが……」
格納庫内にボリュームを抑えた警報音が鳴り響き、彼の言葉を途中でさえぎった。
「エリアεから救助要請がありました。レーダーに未確認物体を感知。総員、第二級配備。警備隊は発進の準備をお願いします」
「!」
「と、いうことだ。警備隊の後方でセンシングをやってくれれば良い。出られるか?」
「…… 行けます」
「よし、出動は十五分後だ。準備をしておいてくれ」
私の返事を聞くつもりがあったのか、半分も聞かずに背を向けたミナカタは片手をひらひらと振りながら格納庫を出てゆく。
「大丈夫かい? いや、整備はできているけどさ……」
「うん、多分。訓練しかやることがなかったから操縦はできると思う。それに、この子たちもいるから」
「そうか。トーキーはきちんと無線機につないでおけよ。ぼくも準備にかかる!」
彼が信じているかどうかは分からないこの子たち。私が使役する管狐はジャケットの内側で良い子にしている。昔ながらの竹筒は火星には生えていないので、彼らの休憩場所は無機質なアルミのチューブの中だ。彼らにも現代っ子というのが要るのかは知らないが、結構 お気に入りの場所らしい。
───
「全機、聞こえるか? 五号機、ついてきてるな?」
「ナギ、追尾してます」
「よし。全機、レーダーを確認。インド第二管区、いやエリアεにはアメリカの部隊が先に向かっている。未確認物体は推定ひとつ。その大きさは推定百二十メートル以上。どうやら、レーダーでもはっきりと判別できていないらしい。この大きさが正確なら母船級だ。地球外生命体とのコンタクトの可能性もあり得る。各自、落ち着いて行動すること。以上」
確かにレーダーにははっきりとしない影がエリアεの辺りに映っている。ESPセンサーの感度を徐々に上げながら精神をエリアεの辺りに集中させる。大きな影は動きながら形を変えているイメージが伝わってくる。
(何、これ?)
(キカイ、じゃあない、よね)
勝手に顔を出している管狐の九重が一丁前にレーダーをのぞき込みながら私に語りかけてくる。
(これ、まさか……)
先行しているアメリカの部隊からの映像がパネルに映し出される。エリアεがあったはずの一帯は緑色のぬらぬらとした物質に覆われている。周りの岩石や基地の一部、掘削機などを取り込んで徐々に大きさを増しているように見える。
「こちら、ガーゴイル・ワン。エリアεは壊滅的だ。これより未確認物体に攻撃を仕掛ける。ジャパンの部隊には後方の支援を要請する」
十数秒後、アメリカの部隊から放たれた数基のミサイルが緑色のゼリーに着弾する。大きな火柱に包まれ一部は霧散したものの対象が大きすぎるせいかダメージを与えた様子はない。アメリカの部隊が第二段の攻撃に移ろうとしたその刹那、緑色のゼリーの中央がめくれ上がったと思うと大きな目玉のようなものが現れる。緑色の閃光を感じたように思ったその後、接近していたアメリカの機は制御を失いあるものは地面に向かい、あるものは未確認物体の方へと突っ込んでいく。
「あれを見ちゃダメ! 光学映像のモニタを切って!」
(あれは…… 妖だ)
人が言う生物なのかどうかははっきりとはしないが妖は確実に存在した。それを知っている者も気が付かぬ者もいたが、それは確実に存在していたことは私たちがよく分かっている。地球から遠く離れた火星にもその昔には人類がいたらしい。では地球で妖と呼ばれる存在がいても不思議ではない。あの類の妖は地球にもいた。あの光を放つ目を見ると人間は魂を抜かれてしまったり、石にされてしまったりというやつに違いない。
緑色の物体に取り込まれた掘削機から放たれたレーザーが、日本の部隊の機を襲う。レーザーが推進器をかすめた二号機が推進力を失って地表へと落下してゆく。
(取り込んだ機械を操れるの? どうすれば良い!?)
(あいつの中心にある核を打ち抜けば良い。君たちが使っている火矢で十分だと思う。ぼくらがナギの目になる)
(でも、どうやって……)
(そのために、この乗り物には ぼくらが乗れるやつも付けてあるんだろう?)
そういった九重はあっと言う間にチューブから飛び出して消えていった。私は残った五本のチューブの蓋を開け狐たちに命ずる。
(お願い、私の目になって!)
白い筋がチューブから飛び出たかと思うと、あっと言う間にコクピットから見えなくなった。ナギは機首をエリアεの方に回し、ミサイルの発射手順を思い出す。機の正面では、蹴散らしたはずの小蠅がまたたかってきたのに気が付いた緑のゼリーが長い触手の先に取り込んだ掘削機を振り回しレーザーの剣を振り回す。
(ダメ! 近づけない)
(ぼくらがやる。打ち出して!)
ナギが六つの子機を順に発射すると、それぞれに意思があるかのように掘削機から放たれるレーザーをかいくぐり緑のゼリーに向かってゆく。みるみるうちに近づいてゆく子機からビームがばらばらと放たれる。狙いが定まっていないように見えたビームが日本、三本と緑の触手に集まると、組織がずるりと崩れ先端に掘削機を取り込んだ職種はどさりと地に落ちる。
(ナギ! 分かるね?)
感じる。
六つの子機に乗った管狐たちのイメージを。
機の前方、左右に三機ずつ一列に並んでいる。
二本の直線が交わるところ。
そこにやつの核があるはずだ。
(分かるよ! そこを狙えば良いのね?)
指先が白くなるまで操縦桿を握りしめていた親指をゆっくりとはがし、震える指先でミサイルのロックを外す。深い呼吸をひとつして発射ボタンにかけた指に力を入れる。静かに放たれたミサイルは、一瞬の後に点火したバーナーの火柱を残し一直線に緑のゼリーに向かってゆく。中央に大きく見開かれた目玉が自分の運命を悟ったように思われた瞬間、目玉の中央に吸い込まれたミサイルが薄い火星の大気の中に大きな火柱を上げる。
「ナギ! 戦域から離脱しろ!」
ミナカタからの指示が耳に突き刺さる。そんなに大きな声を出さなくても、もう大丈夫なの。子機の回収命令をオートコントロールに指示し、ゆっくりと機首を回す。もう、あいつからの攻撃はないはずだから……
―――
帰った子機から戻って来た管狐たちが全てチューブの中に入ったことを確認して、ようやく今の状況を考える余裕が出てきた。やはり、少しは緊張していたらしい。ミナカタは私の機が大丈夫だということを確認した後、無線の向こうで沈黙を続けている。ベースに帰ったら、いろいろと説明をしなければいけないだろう。でも、いったい何をどこまで…… 火星にも妖がいて、私は妖の扱いに慣れているので それの弱点も見当がついたので、管狐たちと協力してやっつけました。という説明がすんなりと受け入れられるとは到底 おもえない。
(あの食えないじいさんが、すんなりと火星行きを許してくれたのは、こういうことだったのか……)
(さあ、ね)
一匹だけチューブに戻らずに、操縦かんを握る右手にとぐろを巻いている九重が応える。
遠い地球の地で祖父がにやりと笑ったような気がした。
(了)
今度の台風もすごいねえ。いつかの台風のときも地下街に水が流れ込んでくる映像がニュースで流れてたことあったよね。地下街に降りる階段をざあーって水が流れ込んでくるやつ。
目の前であれだと、びっくりしちゃうよね。
ポセイドンアドベンチャーだっけ。閉鎖空間に水が流れ込んでくるやつ。
どんどん水が流れ込んでくるから、天井がどんどん近くなってきて閉所恐怖症の気があるから、想像するとちょっと恐かったね。
まあ、泳げないからその前にお陀仏になっちゃうだろうけど。
そうそう、びっくりしたといえばさあ。こないだ、いきなりタイムスリップしちゃってさあ。
多分、とんでもなく未来。
いきなりくらっときて気が付いてみたら、周り一面焼け野原みたいな所なんだよ。
空が赤黒い感じの雲で覆われてて たまに稲光なんかが光っちゃうし、さながら世界の滅亡の瞬間に立ち会っているような感じ。
妙に蒸し暑いし、濡れたら何だかヤバそうな感じのスコールのが突然 降ってくるんだよ。
それに、ミサイルだか隕石だか分からないんだけど、ときおり爆発音とかするわけ。
一日も経つと腹もへってくるしさあ。何が起きてるかなんて理解できてないし、意識はもうろうとしてくるし。
もうメタメタよ。
どうやってそこに行ったかなんて分からなってないから、自分で帰るってわけにもいかないし。
そうだなあ、一週間くらいは居たんだろうなあ。
え? 一週間も飲まず食わずだったら死んじゃうだろうって。
それがねえ、二日 経ったくらいかなあ。
メカニックな感じの物置小屋くらいの大きさのものを見つけてさ。っていうか、急に現れたような気がするんだよね。
暑いわ、腹は減ってるわで、ぼんやりとはしてたんだけど、そこにそんなものは無かったはずなんだよ。
それがさあ。どうも屋台みたいなものらしいのよ。まあ、屋台かなと思ったのは後のことなんだけど。
手の形が書いてあるパネルみたいのがあって、そこに手を置くとさ、頭の中に声が響いてくるの。
「ご注文は?」って。
うん。大きな自動販売機という感じじゃないんだ。きっちりと箱型をしてるんじゃなくて、切り欠きがあるのよ。腹の高さくらいから頭よりもちょっと高いくらいのところまで、こう、ちょうどカウンターみたいな感じでね。
それでね。マジで腹減ってたし、なんで声が聞こえてくるのとか、そんなことよりも、餃子くいたいなあ、とか、ラーメンも良いなあとか、焼肉とか寿司も美味しいよなあとか、そういうことしか頭に浮かんでこないわけ。そしたら、目の前のパネルに餃子とかラーメンとかの画像がぱーっと並ぶのよ。
ついタッチしちゃうじゃない。もう、なんにも考えてなかったね。そしたら「かしこまりました」って声がまた頭に届くのよ。目の前のパネルがカウントダウンに変わって、そりゃあもう、どう考えても出来上がるまでの時間じゃない。
カウントが減ってくると匂いがしてくるんだよ。
腹はぺこぺこだし、本当に待ち遠しかったね。
パネルの表示がゼロになると、表示が「お待たせしました」って変わってさ。そう、そこだけはパネルに文字が表示されたね。
湯気がたってて、もう見るからに皮はパリパリで中はジューシーな感じの餃子がすうっと出てきたのよ。タレや辣油はもちろん、きちんと白いご飯と箸も一緒にね。餃子は羽根がついてて、いい色の焦げ目がついててさ。メイラード反応って言うの。見た目とか匂いとか、もうヤバいわけよ。
旨かったねえ。
腹へってたこともあるかもしれなかったけど、本当に旨かった。食べたら本当の意味でヤバいんじゃないかなんて考えるような冷静さはこれっぽっちもなかったよ。
突然 現れたから、消えるのもいきなりかと思ったんだけど ずっと残ってたね。
焼肉やラーメンも食べたよ。天ぷらやウナギも食べたし、ビールも飲んだよ。
え、都合が良すぎるだろうって。うん、そうだよね。
思うにさ、この世界でも迷い込んできた野生動物を保護したりするじゃない。
自然に返す前に餌さとかあげてさ。
そういうのじゃないかと思ったんだ。
それにさ、世界が滅亡するようなときには、飯屋(メシア)が現れるのが定番じゃない。
(おしまい)
今書いてるよってかたはコメントください。
締め切りまでに時間が取れたら続編を書くかも。
修正できなくなってから、自分のを読み直そうと思ってます :-)
これ以上書くと身体が持たない。
何とか出産まで行きたかったが・・。
さてはドンブリが転けたか?
せっかくあきらめたのに、未練が・・。
だいたい大きすぎるネタだって気付いたのが書き始めてからだったからなぁ。
最初はね、良子と辰夫の出合いのシーンからの予定だったんだ。
長い黒髪を肩から流しながら走るシーンで、散歩のお供は芝が良いかな?とか。
遠くから眺め上げる辰夫は母子家庭で・・とか。
細かい設定を詰めていったら神戸にロケハン・・・冗談ポイポイ・・・。
細かいシーンをつないで、格子越しの再会とか、LED電灯の明かりが明るくなったり暗くなったりとか、行灯風の電灯が消えた瞬間に・・・そう、二人の濡れ場シーンまで用意してたんだ・・・が色々調べている時間がなかった。
そういうので手を抜くと後から突っ込まれるって・・分かってる?ソコの人。
配点等々はしばしお待ちください。