残念ながら、前提が間違ってます。
フランスでは、「貴族でない人が勝手に苗字をこういう風に変更すること」が可能でした。
18世紀から19世紀にかけて(つまり1789年のフランス革命の後)、貴族ではない人が箔をつけるために苗字に de を付けたという例が多数あります。
例えば、『ゴリオ爺さん』や『谷間のゆり』で有名な作家のオノレ・ド・バルザック。
なおド・バルザックの「ド」は、貴族を気取った自称である。
オノレ・ド・バルザック - Wikipedia
ドイツの von と違って、フランスの de は国家的な規制を受けていなかったようです。
従って、貴族を見分ける証拠にはなりません。
The use of the nobiliary particle de in noble names was not officially controlled in France (unlike von in the German states), and is not reliable evidence of the bearer's nobility.
French nobility - Wikipedia, the free encyclopedia
そのドイツの von ですら、平民の苗字に付いているケースが200件から300件あるそうで、特に北西ドイツ(ブレーメンとかハンブルグとか)ではよくある事のようです。
Especially in northwestern Germany (Bremen, Hamburg, Holstein, Lower Saxony, Schleswig, Westphalia) and in German-speaking Switzerland, von is a frequent element in non-noble surnames.
Nobiliary particle - Wikipedia, the free encyclopedia
お知り合いの方の先祖は、貴族だったかもしれませんし、貴族ではなかったかもしれません。
母音や、Hで始まる言葉の前では、
D'になって、後の言葉とくっつきます。
De Raemon ド・ラエモン
D'Oraemon, D'Horaemon ドラエモン
Hは、フランス語では発音しません。
その人は、
D'Oraemon, D'Horaemon ドラエモン
の系統ですね。
育ちのよさそうな人でした。たぶん、カペー王朝からブルボン王朝の頃に、貴族扱いにしてもらったような家柄の人かな、と思います。フランク王国時代からの貴族だったりすると、ちょっと驚いてしまいますから、そのあたりが妥当かなと思いますゆえ。