鉄器以前は青銅器の時代だった。
青銅はとにかく重いのです。
しかも軟鉄よりも軟らかい。
鉄剣と青銅の剣を比較すると、初期の鉄剣の方が軽くて強く切れ味も良い。
鉄は西洋式の高炉が発明されるまでは貴重品でしたから、本来は刀ではなく槍の穂先として使われることが多かった。
鉄は絶えず研いでいないと錆びて折れますから、刀は圧倒的な労力の集積品になります。
鉄剣を持つことはステータスシンボルでもあった。
古墳時代に大陸からの輸入品として始まり、国産化され、中央集権国家成立のための必須アイテムとして活躍したようです。
同数の軍だと鉄器を多く持つ方が圧勝だった。
単純に焼き入れした鉄剣は硬すぎて使いにくい。
打ち合いで簡単に折れちゃうんです。
それでも軟鉄製に毛が生えた程度の焼きは入っていたようです。
日本刀の製造技術が完成したのは戦国時代以降と思われます。
非常に硬い焼きの入ったクローム鋼を割り込みで軟鉄に挟み込むことで強度と硬度を両立させています。
それも単純な炭素鋼ではなく、タングステンなどを意図的に混入していた形跡がある。
当時の刀の製造技術は軍事機密ですから、職人がギルド制の内部で秘伝していたようです。