他方、祅という文字あります(区点コード 1-89-21 であり、Unicode 7945 とのこと)。これの異字体として、偏を、現代風にした文字は存在するでしょうか。手書きで書けば存在しますけども、パソコンで表示できるのでしょうか(コードがあるのか、ないのか、に関わりますね)。
役所で、人名漢字としては、登録できるのでしょうか。人名漢字は制限されていますね。出版においては可能なのでしょうか。
可能だとして、どうやるのでしょう。
祅(偏をネにしたものも)は常用漢字でも人名用漢字でもないので、役所が認めてくれません。裁判で争えば認められる「可能性はあります」が、普通は使わない字なので難しいと思います。
パソコンで祅の偏をネにしたものは、文字を作る機能があれば作れますが、互換性がありません。どうしてもネット上で使いたければ画像扱いです。出版ではやればできますが、印刷の伝統としては、表外字は基本的に康煕字典体(「康煕字典」という中国の古典に基づくもので、旧字体風の書き方)を使うものです。ですから「祈禱」のように混じってしまうんです。どうやるかは印刷屋がどういうソフトを使っているかによります。
念のため、手書きではもともとネが一般的です。というより禰(祢)の偏からカタカナのネができて、草書からひらがなのねができたわけです。康煕字典体は伝統的な手書きの書き方とは違うので書家はむしろ嫌います。もっとも、書家が「手書きではこう書くのが正しい」と言っても一部の書家がそう書いているだけのこともあるので、書家の言うことが正しいとは限りませんが。