カードか通帳か、それが争点か？

　先に言っておきますが、情けないですよ。こんなことが年金問題の論争になること自体が。本当に議論するべきは、

①今宙に浮いている年金の記録をどうやって正しい内容に正していくか

②失われた記録について、どのような記録を用いて埋めていくか、その限界は。

の２点がまずあって、

③社保庁の現役、ＯＢにどこまで責任を負わせるか

④現在のシステムで同じような問題が起きないことを証明し国民を安心させる

　というようなことを徐々にでも行なっていくことが必要なんです。通帳にしろカードにしろ、④を個々で確認しろというかできるようにすれば何とかなるというような安直な発想でしかないんです。

　だから辛い採点をするなら両方とも×。強いて優劣を付けるなら、以下の理由で通帳です。

①カード式は社保庁の共同戦犯でもあるＮＴＴデータ－日立連合をより太らせる結果になる

②肝心の高齢者や貧困層にまだまだインターネットは普及していない

③ディスプレイと比較して紙への印字の方が一見性に優れている

　どうしてもカード型にするならば②や

http://blogs.dion.ne.jp/hitoriyogari/archives/5817979.html

や

http://blog.emachi.co.jp/taka3921/diary_detail/00000036652/fpmac...

が指摘しているように大量のパソコンと操作始動が必要になります。

　だから年金カードが優れている点は

①パソコンは社保庁のＯＢや現役に寄付させたものを配布する。

②高齢者への操作始動は社保庁ＯＢの遺族や家族、現役の若手がボランティアで行なう

といった形で責任をとらせることができる点でしょうか。

　年金カードを採用させるなら、ＮＴＴデータと日立は入札を辞退させることが条件です。

強いて言うならカード式の方がメリットがあると思います。

理由としては読み取り・印刷機器のコストの問題です。

年金手帳のような特殊なものを読み取ろうと思ったら、その読み取り端末だけで特別な発注をしなければなりません。

特注品ですから当然高くつきます。

形状を変えて銀行の通帳と同じ形にすれば、銀行のＡＴＭと同様の機械を使うことが出来ますが、通帳だっていつまで存在するか分かりません。次第に調達コストは高くなるでしょう。

また、通帳への印刷機能を特別に作りこまなくてはならず、これにもかなりの技術が必要になります。

おそらく端末だけで初期導入に数十億、ソフトウェアの開発に数億円、メンテナンスで毎年数億円という金額になるのではないかと思います。

カード式であれば、出力する帳票のフォーマットは簡単に変更できますし、紙に出すだけですから簡単に作れます。

システム面からのメリットを考えてカード式を採用するべきだと思います。

お年寄りのことを考慮するならば、事務所にＡＴＭのようなタッチパネル操作の機械を置いておけば良いのではないかと。