以前、養老孟司氏の文章を「はてな」に(無断)引用して、感想を求めた所、「極論だ」「意味不明」「それでどうしたらいいのか」という批判が多数寄せられて、いささかショックでした。
引用の仕方が悪かったんだと思いますが、「養老思想」は人気があると思い込んでいたので、驚いたのです。養老氏は、「わからない、ということをわかれ」「予測のつかなさに対し、もっと謙虚になれ」「人間の意識が作り出した物も大事だが、それよりも自然から学べ」という観点から、マニュアル・シュミレーション・人為的コントロールなどを過信する事、原理主義の危険性、経済優先政策や過度の都市化の弊害、等に警鐘を鳴らしていて、面白いと思うのですが・・・。文系や、工学系の人からの反発があるのでしょうか。
私も、養老氏の著書は好きですが、部分的に引用してしまうと、前後の「助走」と「ランディング」が無くて「極論」になってしまうのではないでしょうか。どちらかと言えば、何回も読み返して行間を読み解くタイプの書き方(口述起こしの著書「バカの壁」等は除く)をする人なので、引用は難しいかも。
「バカの壁」も要約すると、たぶん数ページのペーパーになってしまいそうですが、「養老節」で語る部分があっての「ベストセラー」ではないかと思います。また、唯脳論って、誰も書かなかったけどそうだよね、って内容だと思います。唯脳論自身、発表は17年前で、もう結構時間がたっていますから、格別新しいことではない感じになっていて仕方のないことかと思います。
寸言寸評 ~ Myブログよりの引用 ~
1.引用の仕方が悪かった(そもそも良い引用は存在しない)。
── 当代随一の人気、書けば売れる著者の一人。こういうセンセイの
講義は、とどまるところなく興趣あふれているが、あまりにも面白いた
めに、専門外の論調には、しばしば勇み足がみられる。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030726
解剖学者の脳
2.「養老思想」は人気がある(養老思想はないが、人気はある)。
── 「竹島の日 vs 対馬の日」問題に“バカウケ先生”のコメント。
養老 孟司「対馬に行って調べたら、対馬の昆虫は韓国出身なんです」
── 《報道ステーション 20050318 テレビ朝日》22:00:00
3.文系や、工学系の人からの反発(専門は理系、ベストセラーは文系)。
── (架空の学部:脳内学部)。
バカウケ出版経済学:利口な人は少なく、だれでも読める本が売れる。
養老 孟司 解剖学 19371111 鎌倉 /元東京大学教授~《バカの壁》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070223
最後の授業 ~ 勇退する十二人の男たち ~
http://d.hatena.ne.jp/adlib/archive?word=%CD%DC%CF%B7+%CC%D2%BB%...
う〜ん・・・。
まあ結論から言うと、人それぞれですから。
「わからない、ということをわかれ」
「予測のつかなさに対し、もっと謙虚になれ」
なんて言われるまでもなく当たり前のことだと私は感じました。
シミュレーションで物事が計りきれないなんて今時中学生でも知ってることです。
そう言う意味で私はいささか薄っぺらい内容だと思いました。
現実でもよくそういう人いますけど、「当たり前のことをまるで自分しか知らないかのように言う」というのは頭の良い人とは思われない傾向があります。
「当たり前」ですかね・・・。逆の考えが「当たり前」の人も多いと思いますが・・・。
http://q.hatena.ne.jp/1189493872
単に流行が終わったんじゃないですかね。
言ってることが10年ぐらい古いと私は感じるが・・。
>文系や、工学系の人からの反発があるのでしょうか。
それだと、残る学科学部がものすごく少ないんですが・・。
理学部系も無理じゃないかな。
そんな古い意見ですか・・・。
単に切り出し方が悪かったのでは。
私自身は養老さんの議論もスキだしもっともだと思うのですが、かなり老成した考えだとも思います。
何かせずにいられない性質は若い人ほど抑えられないと思うので、若い回答者が多いとか、養老氏自体初見の人だと気に食わないと思うかもしれません。
回答いただいた方の年齢も知りたい。
私も、養老氏の著書は好きですが、部分的に引用してしまうと、前後の「助走」と「ランディング」が無くて「極論」になってしまうのではないでしょうか。どちらかと言えば、何回も読み返して行間を読み解くタイプの書き方(口述起こしの著書「バカの壁」等は除く)をする人なので、引用は難しいかも。
「バカの壁」も要約すると、たぶん数ページのペーパーになってしまいそうですが、「養老節」で語る部分があっての「ベストセラー」ではないかと思います。また、唯脳論って、誰も書かなかったけどそうだよね、って内容だと思います。唯脳論自身、発表は17年前で、もう結構時間がたっていますから、格別新しいことではない感じになっていて仕方のないことかと思います。
そうですね、やはり部分引用が悪いんですね。つまり俺が悪い。申し訳ありませんでした。
ごめんなさい。
私も批判した一人です。
私は「バカの壁」を呼んで養老さんの文章が嫌いになりました。
この本の印象が強くて養老さんの文章を素直に読めなくなっています。
でも本当に、養老さんは引き合いに出すものの選択が下手なのだと思います。
読んでいて、思いつきで書いているような文章として受け取ってしまいます。
今回の引用に前後があって、その流れでの文章ならなおさらでしょう。
折角の警鐘も公共事業に矛先を向けることで説得力を欠いています。読んだ後に「糠に釘を打ってもねぇ」と思ってしまいました。
引用した文章全体が公共事業に対するものであれば、もしかしたら今回の文章の印象も変わっていたかもしれません。
そうですか・・・・わかりました。
基本的に長い文脈のうち、ある一部分を取り出して論評を求めたりしても、誤解されることは多いと思います。
例えば、大騒ぎになったきゅうま防衛大臣「原爆しょうがない発言」。千葉で講演したとかいう話だけど、いったいどんな趣旨の講演で誰を相手にしてどのような文脈の中でいったのかまったく報道されないのでどういう意味かよくわかりません。
それに、議論ばかりしていても実際の世の中に役に立たなければ意味がないと思います。「バカの壁」が記録的なベストセラーになりましたが、そのおかげで日本社会の発展にどんな影響があったでしょうか。例えば、アメリカとイスラム世界の戦争を止めるために、新たな提案がされたとか。実際に人間の行動に影響を与えなければ、面白かっただけで終わってしまいます。
イラク戦争に関しては、「原理主義者同士の戦争だから放っておけ」という感じでしたね。
私もちょっと考えが古いと思います。
でも、よくベストセラーのビジネス書とか見るとそういうの結構多いんですよね。
「こんな常識的なことを偉そうに書いてこんなに売れるのか~」
って思うことが多々あります。
世間の裏側を見慣れてない人というか、物事の裏側を考えるのが苦手な人が意外と多いからこういう内容に納得する人も多いんだろうと私は考えています。
あと、購入層にバブル世代が多いからなのかなとも思ったり。
わからないということをわからなくても、予測のつかなさに対し謙虚にならなくてもなんとかなった人達でしょうから。
バブル崩壊後に育った人達は常にマイナス面を意識しているので、そういった裏側を考える力は強いと思います。
でもその本をちゃんと読んだわけではないので、5の方が言っているように、単に引用の仕方が悪かっただけかもしれません。
世代差も大きい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%8A%E8%80%81%E5%AD%9F%E5%8F%B...
wikiの内容を見るとかなりいい加減な人って印象があります。
といってもこれも「部分的な引用」ですけど。
「である」「だってそうでしょ」といった断定的な語り口が養老の論述の説得力を後押ししている、という批評もある。
こういう人の論って一度はまれば全部正しいような気がしちゃうんですよね。宗教的というかなんというか。
「俺が思ってることは世間が思っていること」みたいに書くパターンです。
ちなみに『頭の良い人、悪い人の話し方』という本ではこういう断定した話し方は頭の悪い人だと紹介されてます。
嫌いな言葉は「正義」。ここから原理主義的な政治支配を嫌う養老の思想背景を察することができる。
愛煙家としても知られている。近年の全面的禁煙運動の高まりには、異質なものの徹底排除という原理主義的な雰囲気を感じている。
こういうのを見るとやはりこの方の文章は理論ではなく、自己正当化のための論なのではないかと思ってしまいますね。
共感出来ればいいですけど、共感出来ない人も多いでしょう。
で、wikiが荒らしにより編集不可になっていることから、「人気がある」というのも考えにくいです。
この方の意見に世間は賛否両論で、大きく賛成する人と大きく反対する人にハッキリ分かれているのだと推測出来ます。
そういう類の思想だということでしょう。理論よりも宗教思想に近い。
別にそれが良いとか悪いとかそういうのは無いです。
養老氏は仏教徒のようです。
養老氏の文章に対する意見ではないのですが、
以前、養老孟司氏の文章を「はてな」に(無断)引用して、感想を求めた所、
そもそも引用は出所を明らかにした上で無断でするものです。
少なくとも文献名と著者は明らかにすべきでしょう。
今回の場合著者名のみでしたね。
また、引用と言ってもあくまでも引用部分が従であって主になる部分が必要です。
今回の場合は主たる部分が、
*以下の文章を読んで、どう思われますか。感想をお寄せ下さい。
これだけです。主従の関係が文章量でのみきまる訳ではありませんが、引用してきた意味合いやあなたの考えを添えた上で問うともう少し反応が違ってきたと思います。
そういう意味で私はこの質問を見た瞬間答える気がしませんでした。穿った見方かもしれませんが学生が宿題に困って答えだけ訊きたがっているようにも見えましたし。
はい、すみませんでした。
文献名は「一番大事なこと」(集英社新書)です。
自分の意見を前面に出さなければ、自分は批判されまい、という卑怯な意識も働きました。
そうですね、やはり部分引用が悪いんですね。つまり俺が悪い。申し訳ありませんでした。