http://q.hatena.ne.jp/1315988458
↑この質問に関連してなのですが。
逆に、あなたが水棲生物文明の一員になりきって、「陸上では文明が発達することが困難なのではないか」という理由を挙げて下さい。
1)水棲動物は3Dの自由度を持つこと
陸上生物は主に地表面に依存して住まなければなりません。一部には飛行可能な生物も想定可能ですが、常に空中で生存する生物というのは考えられません。主に地表面とそこに生える植物の高さで生活する必要があります。一部は地下という選択肢もありますが。
一方、水棲動物は、ある程度は水圧の影響も受けますが、前後左右のみならず上下の移動も自由です。つまり、陸棲生物の居住空間はほとんど2Dに近いのに対し、水棲動物の居住空間は3Dです。したがって、空間認知能力も陸上では劣る可能性があると思われます。仮に知的生命体が誕生しても、地図などもわざわざ立体模型を作らないと高さの実感が湧かないとか、そういう劣った生物になるんじゃないかと思われます。
2)水棲動物には四足歩行の制約がないこと
陸生動物が道具を使えるようになるには、四足歩行から二足歩行へと進化し、手の指が変化して、手が自由に使えるようになることが必要です。しかし、このような可能性は決して高くないと思われます。
一方、水棲動物が尾びれのみを使って泳ぐのは、陸生動物が二本足のみで立つようになるよりも遙かに楽なことです。したがって、陸生動物より水棲動物が文明を持つのが容易だろうと思われます。
3)海草の栽培は陸上での栽培より容易であること
海には当然、水分が豊富にあり、沿岸部を除いて水分が絶えることはありません。したがって、海草が繁茂する条件は十分に整っています。我々の祖先はこれらの海草を人工的に育て、海草田を作り出すことによって農耕を開始しました。これが海中での人口爆発を生み出し、文明を生み出す原動力となったことは言うまでもありません。
また、海中ならば魚介類などの食用動物が多数確保されます。
一方、陸上では植物栽培において水の確保が大問題となります。そのような場所は極めて限られています。陸生動物が農耕技術を獲得することはまことに難しいといわねばなりません。せいぜい採取・狩猟の段階にしかたどり着けないのではないでしょうか。また、魚を採るにしても陸生動物は海岸部の浅いところか、水面から近いところの魚を採るのが限界です。食料の豊かさを比較すれば、まるで話になりません。
4)海底火山の「熱+水圧」を使った金属加工
我々の文明における「道具」は、打製石器、磨製石器から進んで金属器の時代へと入りました。初期文明においては、金属の展延性を利用して叩いて変形させることもありましたが、やはり大きな転機となったのは海底火山の溶岩からの鉱石採掘と、海底火山の熱による加工法が発見されたことです。古代メソタラッシアでは、寒流によって守られながら小さな海底火山の熱を利用することのできる環境によって金属加工が始まりました。現代の研究家によれば、これは熱に加えて水圧がかかることで加工が容易になった側面もあるとのことで、陸上ではさらに高温の熱を生み出す技術が必要となるでしょう。それは、文明の発達を遅らせる要因になると思われます。また、そのような高温の熱を生み出すもの(「火」とでも名付けましょうか)は、同時に初期の段階で文明を滅ぼす原因にもなりえると考えられます。
5)言語の発達には水中こそが適していること
文明の重要な要素として言語の発達があります。言語は音声が土台であり、さらに文字が生まれます。
水中は空中よりも見える範囲が少なくなっています。よほど透明度が高くない限り、十数メートルが限界であり、深海ではさらに能力が狭められます。つまり、視力を中心としているような生物にとっては、陸上が圧倒的に有利という点は認めねばなりません。
しかし、水中では空気中の約5倍の速度で音が伝わります。しかも、数百キロ先まで伝わるのです。水棲動物の聴覚は非常に鋭く、しかも空気中の視力よりも極めて伝達力に優れています。我々の祖先が、そもそも音声を元にする言語を速やかに獲得し得たのも、この水中の利点を生かすことができたからといえるでしょう。聴覚が視覚ほど重視されない陸上では、音声言語の発達にも支障があるといえます。
(※と書いてみましたが、特に4などはかなり苦しい設定だと思います。熱伝導率の差を考えると、同じ温度の溶岩に近づくとしても水の方が熱さを感じやすいはずで、果たして金属加工可能な距離まで近寄れるのか、という点を解決しなければなりません。ひとまず思考実験として以上のとおり回答いたします。)
とある星のタコから進化した手先が器用で道具も武器も使える水棲生物文明の一員から一言。
「つーか俺の星の場合、海上は太陽光線(紫外線)が強すぎて、そもそも陸地には生物が短時間しかとどまれない。
オゾン層を自らの手で破壊してしまう前には、そこまでの高度な科学力を持つ別の知的生命体がいたらしいんだけどね」
(非常に難しいお題でしたが、星の環境に大きく左右されるかと)
宇宙線関連はたしかにありますよねー。
地球でも酸素濃度が上がってオゾン層が作られる前は、地上は生命に過酷な環境だったんですよね、たしか?
1)水棲動物は3Dの自由度を持つこと
陸上生物は主に地表面に依存して住まなければなりません。一部には飛行可能な生物も想定可能ですが、常に空中で生存する生物というのは考えられません。主に地表面とそこに生える植物の高さで生活する必要があります。一部は地下という選択肢もありますが。
一方、水棲動物は、ある程度は水圧の影響も受けますが、前後左右のみならず上下の移動も自由です。つまり、陸棲生物の居住空間はほとんど2Dに近いのに対し、水棲動物の居住空間は3Dです。したがって、空間認知能力も陸上では劣る可能性があると思われます。仮に知的生命体が誕生しても、地図などもわざわざ立体模型を作らないと高さの実感が湧かないとか、そういう劣った生物になるんじゃないかと思われます。
2)水棲動物には四足歩行の制約がないこと
陸生動物が道具を使えるようになるには、四足歩行から二足歩行へと進化し、手の指が変化して、手が自由に使えるようになることが必要です。しかし、このような可能性は決して高くないと思われます。
一方、水棲動物が尾びれのみを使って泳ぐのは、陸生動物が二本足のみで立つようになるよりも遙かに楽なことです。したがって、陸生動物より水棲動物が文明を持つのが容易だろうと思われます。
3)海草の栽培は陸上での栽培より容易であること
海には当然、水分が豊富にあり、沿岸部を除いて水分が絶えることはありません。したがって、海草が繁茂する条件は十分に整っています。我々の祖先はこれらの海草を人工的に育て、海草田を作り出すことによって農耕を開始しました。これが海中での人口爆発を生み出し、文明を生み出す原動力となったことは言うまでもありません。
また、海中ならば魚介類などの食用動物が多数確保されます。
一方、陸上では植物栽培において水の確保が大問題となります。そのような場所は極めて限られています。陸生動物が農耕技術を獲得することはまことに難しいといわねばなりません。せいぜい採取・狩猟の段階にしかたどり着けないのではないでしょうか。また、魚を採るにしても陸生動物は海岸部の浅いところか、水面から近いところの魚を採るのが限界です。食料の豊かさを比較すれば、まるで話になりません。
4)海底火山の「熱+水圧」を使った金属加工
我々の文明における「道具」は、打製石器、磨製石器から進んで金属器の時代へと入りました。初期文明においては、金属の展延性を利用して叩いて変形させることもありましたが、やはり大きな転機となったのは海底火山の溶岩からの鉱石採掘と、海底火山の熱による加工法が発見されたことです。古代メソタラッシアでは、寒流によって守られながら小さな海底火山の熱を利用することのできる環境によって金属加工が始まりました。現代の研究家によれば、これは熱に加えて水圧がかかることで加工が容易になった側面もあるとのことで、陸上ではさらに高温の熱を生み出す技術が必要となるでしょう。それは、文明の発達を遅らせる要因になると思われます。また、そのような高温の熱を生み出すもの(「火」とでも名付けましょうか)は、同時に初期の段階で文明を滅ぼす原因にもなりえると考えられます。
5)言語の発達には水中こそが適していること
文明の重要な要素として言語の発達があります。言語は音声が土台であり、さらに文字が生まれます。
水中は空中よりも見える範囲が少なくなっています。よほど透明度が高くない限り、十数メートルが限界であり、深海ではさらに能力が狭められます。つまり、視力を中心としているような生物にとっては、陸上が圧倒的に有利という点は認めねばなりません。
しかし、水中では空気中の約5倍の速度で音が伝わります。しかも、数百キロ先まで伝わるのです。水棲動物の聴覚は非常に鋭く、しかも空気中の視力よりも極めて伝達力に優れています。我々の祖先が、そもそも音声を元にする言語を速やかに獲得し得たのも、この水中の利点を生かすことができたからといえるでしょう。聴覚が視覚ほど重視されない陸上では、音声言語の発達にも支障があるといえます。
(※と書いてみましたが、特に4などはかなり苦しい設定だと思います。熱伝導率の差を考えると、同じ温度の溶岩に近づくとしても水の方が熱さを感じやすいはずで、果たして金属加工可能な距離まで近寄れるのか、という点を解決しなければなりません。ひとまず思考実験として以上のとおり回答いたします。)
まさかこんなに挙げていただけるとは!
しかも説得力あるし面白いですね。
ありがとうございます!
まず我々の知性がどのように進化してきたかを考えると、2億年前の神経共有が大きな転機であったことは間違いないでしょう。各個体の神経系が海中を通る電気刺激によって情報処理機能を共有しはじめ、群体サイズに比例した処理能力を持つようになりました。これが地上だと、空気は絶縁体ですから微弱な電気信号を伝達できません。そのため各個体が巨大な神経組織を持って個別に情報処理を行う必要が生じるため、そのような生物はいくら情報処理能力が高くても捕食者から逃れられないために進化することが困難でしょう。
また仮にそのような生物が進化し自我意識を持ったとしても、我々と違い各個体が意識を持つことになるため、その個体のみの利益を追求する思考を行うようになると考えられます。群体中の個体が勝手に別の個体を出し抜こうとするような状況を考えてみれば、そのような方向性は明らかに種全体の利益と違う方向を向いてしまうことは明らかです。個体同士の争いで種が絶滅する危険があり、これは文明が発展すればするほどその危険性が増すという悲劇的な状況となりますので、我々と同程度まで文明が発達することはまずないでしょう。
知的群体生命体ですか!
なるほど、たしかに水中でないと発達しない文明かも。これは面白いなあ。
コメント欄のイーガンの短編も面白そうですね。ありがとうございました。
我々は、人類の言葉でいえば「ポスト・プロエタス」だが何か?(*1)
我々は、海底で、固い甲羅の中で脳を発展させ、水中の微振動と
分泌物で相互に交信を行い、共有の知を築いている。まさに、
「我々は思う、故に我々あり」だ。この知は、バージェス群生物、
硬骨魚類、陸上生物などが発生しては滅んでいった過程も記憶している。
特に陸上生物は悲惨であった。我々のように、マリンスノーが重力で
落ちてくるのを待つことができず、食料を地平面を移動して探さねば
ならなかった。ゴキブリとか、長く生きながらえた生物もいるが、
とくにヒトの場合、「我思う、故に我あり」というように知性を
発展させたものの、結局は個におぼれ、個の競争で自滅するしか
なかった。
(*1)「三葉虫」の項:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%91%89%E8%99%AB の内の「分類:プロタエス目」を参照。
もちろん地球外生命体を想定していたのですが、なるほどそう来ましたか。
陸上/水中とはあまり関係ないのでは、と思いましたが、そのような生き方をするには海中でないと難しいか。
ていうか、知性を持った植物最強では。
陸上というのは水中と違って空気の抵抗しかありません
水中は人間にとってとても動きづらく息もできません
水の抵抗とはかなり大きいものです
それに比べて空気の抵抗はほんのわずかしかありません
慣れから来るものかは知りませんが陸上のほうが断然動きやすいです
考えてみたらわかるように人間には知能があります(他の生物もありますが)
しかし魚などには文明を発達させるほどの知能がありません
つまり人間がどこに適しているかにもよります
もし人間が水中生物だったなら水中の文明のほうが高かったかも知れません
なので水中の文明発達もあり得るわけですが・・
結論としては陸上のほうが抵抗が少なく、動きやすいから
ちょっとわかりにくかったですか?
残念な回答ですね……
1.脳が巨大化しても支えやすい
神経系は、身体を支える骨でもなく、身体を動かす筋肉でもなく、身体を守る鱗や皮膚でもなく、生存に必須な消化器官でもない。よほどの利益がなければ無駄な機能として退化するか、進化の袋小路に入ってしまうだろう。水中と違って浮力のない水外では、なおさら脳を巨大化させることは難しい。
(※水外は地上のこと)
もし、水外で重い頭部を支える方向へ進化した場合、骨格へ斜めに力が入って傷めやすくならないよう、直立する必要があるだろう。しかしその場合、脳以外の全身の重量が下半分にかかるため、骨格を持つ生物なら関節を長期にわたって傷め続けるはめになる。骨格を持たない生物であれば自重を支えられないに違いない。
2.生息区域が圧倒的に広い
すでに同趣旨の回答が詳細にされているが、つけくわえるなら我々が棲む惑星の水理に思いをはせればよい。この水球において、水がおおっている面積は七割もしめている。水外は三割にも満たず、しかもおおわれた水で分断されている。
(※水球は地球のこと)
文明を育てるには一定の規模の共同体を形成しなければならない。もし水外で文明を発展させる生物がいるとしても、気面を航行する能力は必須であろう。
(※気面は水面および海面のこと)
3.高濃度の酸素は猛毒
酸素は水棲動物をふくむ多くの生物にとって大きなエネルギーを与えてくれるが、基本的に危険な物質でもある。道具が酸化して特に金属製品の劣化を生み、身体にも長期にわたって酸化作用で老化をまねくことが明らかになっている。
(※寿命の原因を説明する説のひとつ)
もし文明の発展に高エネルギーが必要であれば、気面から酸素をえればいい。全身を危険な気体酸素にさらす必要はない。海は生物を酸素から守ってくれているのだ。
4.安全に巨大な建築物を作ることができる
水外と異なり、浮力によって資材を支えることができる。一箇所に固定する必要すらない。
場所によっては水流や底震や融山で破壊されることもあるが、その危険は多くが水外と共通している。固定しない建築物は底震に強いが、水外では基礎に固定しなければ大きな建築物を作ることすら不可能だろう。
(※底震は地震のこと)
(※融山は海底火山のこと)
さらに底震によって、水中には大きな異変をもたらさなくても、水外では大規模な災害となることもあるという。
(※津波のこと)
ちょうど先日から書いている小説とかぶる題材だったので、興味深く回答させていただきました。
造語で他文明の視点を表現するという小細工は笑ってやってください。
まさか法華狼さんが人力検索にいらっしゃるとは!
回答も素晴らしいですね、ありがとうございます!
まさかこんなに挙げていただけるとは!
しかも説得力あるし面白いですね。
ありがとうございます!