夏目漱石『こころ』を読んだ人にお薦めする作品を教えて下さい。


小説に拘りませんし、本ですらなくてもいいです(映画や音楽、ゲーム歓迎)。「後期三部作の他の2つを読め」なんて教科書的な回答は要りません。読後感が似ていたり、深読みすると浮上するテーマが同じだったり、オマージュから妄想まで、ジャンルを超えた作品を歓迎します。「私は『こころ』をこう読んだ、だから○○をお薦めする」などと、お薦め理由を添えていただくと嬉しいです。わたしのお薦めは以下の通りです、想像力のストレッチとして参考にしてください。

夏目漱石『こころ』の次に読むべき一冊
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2015/05/post-3323.html

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  • 終了:2015/05/14 14:55:07
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回答14件)

id:libros No.1

回答回数367ベストアンサー獲得回数89

ポイント72pt

『こころ』を読んだら、武者小路実篤の『友情』を押さえるべきです。
同じく男性2名・女性1名の三角関係を扱ってますが、
『友情』は『こころ』と真逆で、明るくサワヤカで前向きです。

友情 (新潮文庫)

友情 (新潮文庫)

id:Dain

なるほど、下「先生と遺書」の三角関係から『友情』を引き出したのですね。未読ですが、爽やかで前向きなところは対照的ですね。後半は手紙形式になっているところも、『こころ』を彷彿とさせます。

2015/05/08 10:07:47
id:pente40 No.2

回答回数218ベストアンサー獲得回数21

ポイント72pt

こころを読み終えた後の空虚な感覚とでも言うのでしょうか。
先生と私とKとの関係性にも似た男女の屈折した感情が描かれています。

蹴りたい背中

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)

id:Dain

お薦めありがとうございます。最近残念な芥川賞モノなので、なるべく避けていたのですが、これを機に手に取ってみようと思います。

2015/05/08 10:11:24
id:rafting No.3

回答回数2652ベストアンサー獲得回数176

ポイント72pt



「短編小説」の中でキレとビビッドな色彩感を味わえる偉大な一冊です。

id:Dain

ご紹介ありがとうございます。『こころ』は短編小説ではありませんが、そこにあまり描かれていない“キレとビビッドな色彩感”が味わえるから、お薦めということでしょうか? また、“キレとビビッドな色彩感”は、どの作品を指しているでしょうか? 「杜子春」は違うっぽいし、「地獄変」や「トロッコ」あたりが該当しそうですが……

2015/05/08 10:19:34
id:alfa-gadget No.4

回答回数254ベストアンサー獲得回数50

ポイント72pt

同時期にリアルで三角関係だった中原中也の詩集をお勧めします。

id:Dain

なるほど、時代はずれていますが、小林秀雄・長谷川泰子との「三角関係」から導いたのですね。三角関係で中也なら、『山羊の歌』に、そこはかとない悔恨やら喪失感を読み取るよりも、むしろ『我が生活』を生々しく読んだ方が吉かもしれませんね。

2015/05/08 10:55:26
id:adgt No.5

回答回数944ベストアンサー獲得回数66

ポイント72pt

主人公の世界に対する諦めと恋と後悔など、ゴチャッと混ざり合った感じがとても良いと思います。復讐へ向かう主人公はこころの先生とは違っていますが。

うみべの女の子 1 (F×COMICS)

うみべの女の子 1 (F×COMICS)

うみべの女の子 2 (F×コミックス)

うみべの女の子 2 (F×コミックス)

id:Dain

浅野いにおはノーマークでした! ありがとうございます。『素晴らしい世界』ぐらいしか読んでいないので、「世界に対する諦め」が『こころ』のKなり先生に通じるかどうか、試してみます。文学という世界に囚われない回答は、とてもありがたいです。

2015/05/08 11:02:42
id:lionfan2 No.6

回答回数56ベストアンサー獲得回数13

ポイント72pt

榎本ナリコの「こころ」

こころ (ビッグコミックススペシャル)

こころ (ビッグコミックススペシャル)



「こころ」の舞台を、あえて現代の大学に置き換え、しかし本質は変えないという大胆な挑戦に、みごと成功した作品で、評価も高いです。

あと、昔、自分が書いた文章↓
http://www.nurs.or.jp/~lionfan/kaita_bunsyou_105.html

id:Dain

ありがとうございます、『センチメントの季節』しか知りませんでしたが、こんな良作があるのですね、知りませんでした。現代に移植した『こころ』、これは読みます。

2015/05/09 10:17:10
id:shaw No.7

回答回数3ベストアンサー獲得回数0

ポイント71pt

漫画「めぞん一刻」なんていかがでしょう。

「こころ」という小説の名前を聞くたびに、五代くんに恋する八神さんが、管理人さん、五代くん、八神さんの関係を「こころ」になぞらえてぐいぐいせまる話を思い出してニヤニヤしてしまいます。

大した理由じゃなくてすんません…。

id:Dain

ありがとうございます。『こころ』を、たった2コマに圧縮したのは流石だと思いました。「私は、私は五代先生のこころが知りたいのです」にはザワっときました。八神さんだけではなく、響子さんにとっての「先生」に注目すると、『めぞん一刻』全体が、『こころ』のさらなる再話になっているのではないか、という指摘もあるようです(宮川健郎「再話された『こころ』」)

やまもと・たくのゼミ日記:『めぞん一刻』を『こころ』の再話として読む
http://d.hatena.ne.jp/takuzemi/20070726

2015/05/09 10:30:10
id:blue_star22 No.8

回答回数297ベストアンサー獲得回数12

ポイント71pt

森鴎外 舞姫

id:Dain

ありがとうございます、なぜ『舞姫』なのか、理解に苦しみます。「文豪として単に思いついただけ」以外の理由があるならば、ご教授いただけるとありがたいです。

2015/05/09 10:32:26
id:e_p_i No.9

回答回数101ベストアンサー獲得回数11

ポイント71pt

『ブッダのことば - スッタニパータ』
Kは日本仏教ではなく原始仏教をやってれば迷わずに済んだでしょう。
「向上心のないものはばかだ」(これはかなり真実を衝いているのではと思います)とまで言える人間が、勿体ない…。
すっきりとした合理的な教えで迷いをサッパリとカットすれば自殺せずに済んだのではないかと思います。

他1件のコメントを見る
id:e_p_i

ああ、いえ、id:Dainさんなら分かってると思いますが、チベット仏教は原始仏教ではないのでそれではなくやはり仏教原典である『ブッダのことば』『真理のことば』をお願いしたいところです。
「救い・赦し」という大乗的キーワードではなく合理的な教理こそが仏教の真髄だと思われますので。
それを載せるのであればむしろポー・オー・パユットー師の『仏法』(仏法【新装版】)をお願いしたいところです。

2015/05/09 12:32:23
id:Dain

丁寧に教えていただき、ありがとうございます。わたしの場合、e_p_iさんほど厳密に考えておらず、漠然と「自分を救うための赦し」というアプローチでダライ・ラマの言葉を挙げました。
『ブッダのことば』『真理のことば』は、本棚の肥やしになっています。「合理的な教理こそが仏教の真髄」がピンとこないので、これを機に、「Kを救う」という観点で読んでみます。

2015/05/09 17:30:38
id:torimaki No.10

回答回数30ベストアンサー獲得回数1

ポイント71pt

村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をおすすめします。だいぶ印象は違いますが、両著とも、エゴにふりまわされる物語だと思います。

他4件のコメントを見る
id:Dain

ありがとうございます。いま意識のハードプロブレムに関する本を読んでいるのですが、ご紹介いただいた「自我」についての解説が、まんまクオリア問題になっていて面白いです。共通認識として「ある」前提で分かり合っているけれど、(現在のところ)証明することも否定することもできていない問題です。自我のメタファーとしてのクオリアは、便利な用法だと思います。
ただし、エゴイズムというテーマで『こころ』と向かい合わせるならば、やはり『多崎つくる』は読まないと話にならないですね(読むに値するかは分からないので、オフ会の参加者に聞いてみようかと)。

クオリア(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2

2015/05/13 16:04:26
id:torimaki

クオリアですね。本屋さんに行くと、本棚にその名を冠した書籍を見かけることがあるので、名前だけは知っていました。

ウィキに目を通してみました。当方に下地がないだけに、うーん、かなり、むつかしい。ただ、読んでいて、なぜか漱石のコンセプチュアルに関する説明を思い出してしまいました。以下のような内容だったと記憶しています。

ワンワン鳴いているものがいる。次の日、種類は違うけれど、やはりワンワン鳴いているものがいる。友人に話したら「私も見たことがある」という。その人は、そのものをイヌと呼ぶことにした。友人に話しところ「いいねぇ。俺もイヌと呼ぶことにするよ」という。そののち、ふたりは、イヌという言葉でお互い了解するようになった。

機会がありましたら、クオリア関係の本も読んでみたいと存じます。末筆になってしまいましたが、機会を与えてくださり、ありがとうございました。

2015/05/14 08:52:30
id:mododemonandato No.11

回答回数760ベストアンサー獲得回数77

ポイント71pt

 サリンジャーの倒錯の森。
 主人公は美人のキャリアウーマン。
 幼馴染で詩人の男と結婚します。
 旦那はしょーもない女と逃げます。
 なぜか帰ってきません。

 倒錯の森とは詩の中に出てくる木が逆さまに生えた森の事です。
 申し分の無い妻と結婚していながら、なぜかしょーもない女を選んでしまう男の倒錯した心理風景を表しているようです。



 なぜこれがこころと関連するかと言えば、裏返しの設定になるからです。
 明らかに間違った道でありながら、それを選んでしまう人間の姿。
 それが倒錯の森そのものである人間達の姿というテーマと重なることでしょう。
 

id:Dain

ご紹介ありがとうございます。なぜ倒錯した選択をしてしまうのか? については、エインズリー『誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか』を思い起こしました。行動経済学からの分析ですが、「それが人だから」という一つの応答が、『倒錯の森』になりそうですね。

2015/05/10 11:32:52
id:NazeNani No.12

回答回数1615ベストアンサー獲得回数276

ポイント71pt

「こころ」の次には、太宰治の「人間失格」はいかがでしょうか。

人間失格

人間失格

戦後の売り上げは、新潮文庫だけでも累計600万部を突破しており、
夏目漱石の「こころ」と何十年にもわたり累計部数を争ったことでも有名です。
両作品とも人間の消極性や自殺など暗いテーマがでてきますが、
個人的には、更に暗く心の闇の深みにはまっていくという感じで、
こころ→人間失格の順番で読みました。
Amazon Kindle版でも夏目漱石の「こころ」と同じく無料で読むことができます。
小中学校の頃に読んだのですが、その更に後にはサリンジャーの
「ライ麦畑でつかまえて」や、サルトルの「嘔吐」や
哲学・思想や心理学の本も読みましたが、この頃の読書における
「こころ」の存在は、不思議の国のアリスが興味を引かれ追いかけて
「(穴の)深みに落ちるきっかけになったうさぎ」の様な存在です。
そういう意味でも、とても深い作品です。
でもあまり深追いして、人間の心の暗い闇の深みの穴に落ちませんよう…。

id:Dain

なるほど! ベスト&ロングセラーとして『こころ』を読むという方法ですね、その発想はありませんでした、ありがとうございます。新潮文庫の累計部数ベスト10から、日本人の時代性が読み解けるかもしれませんね(ほとんどが暗い話ばかり)。

一番売れている新潮文庫 夏目漱石『こころ』http://www.shinchosha.co.jp/news/blog/2014/08/01.html

2015/05/13 16:05:44
id:ogijun No.13

回答回数18ベストアンサー獲得回数1

ポイント71pt

『こころ』を読んだ誰もが「そんな長い手紙あり?」とか考えると思うので(私だけでしょうか..)、長い手紙つながりでこちらはいかがでしょうか。翻訳がたくさんあるのでお好きなものを。

自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

高慢と偏見〔新装版〕 (河出文庫)

id:Dain

サンキューおぎじゅん! 次の連載の志賀直哉がドタキャンしたから書き延ばしたのが実情ですが、そのおかげで面白い「読み」が沢山生まれたのも事実です。『高慢と偏見』は未読なので、これを機に手にしてみようかと。

もうひとつ、手紙つながりで思い出したのが、『ジキル博士とハイド氏』。最後が手紙で終わるのと、「死」が待ち構えているところなんて、『こころ』と似ていますね。ひょっとすると、漱石はこれから着想を得ていたかもしれません。

2015/05/13 16:07:26
id:winbd No.14

回答回数1050ベストアンサー獲得回数43

ポイント71pt

夏目漱石の「それから」

愛に生きる決心をしたけど、心の充足は愛でも満たされない、人間が描かれている。
当然文化的生活も代助さんの心を満たさなかったからこそ、愛にその可能性を見たのであろう。
でもその愛でも彼の心は満たされないのである。そう考えると、恋愛至上主義の現代で、この物語はどのように捉えられるのであろうか。
漱石のこの問いかけはつまり、永遠の命題となっているのである。
では我々の心の平安は何が与えてくれるのでしょうか。うーん難しいです。

id:Dain

ご紹介ありがとうございます。「後期三部作を読め」みたいな教科書的な回答は無用と断っていたのですが、前期三部作の一つなのですね……
では、なぜ『それから』が『こころ』の次に読むべきかが知りたいです。いくつもある漱石の作品から、これを「『こころ』の次の一冊」として推した理由は、「愛でも満たされない心の充足」なのでしょうか? わたし、気になります。

2015/05/13 16:08:05

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