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グラ娘。 ●80ポイント ベストアンサー |
『私に対する愛』については結構自信があったりしますが、できるだけ醸しださないように書くことにします。
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ファ「10作かあ」
ミー「結構少ないね。もっとあるかと思った。ある(略)くすさんの春の回答とか入れても……。なんだか意外」
ファ「だって、推敲に2?3日かかるらしいんだもん。ぐらむす。なんて数えたら16、7作くらい書いてた」
ミー「あの人は、勢いを大事にする人だから(最近はめっぽう)。こないだのなんて正味40分くらいで仕上げたらしいし。で、あとから第2回答目論んでたら、ひとり1回答で泪を飲んだという(余談)。謎解き系での小説風回答いれたら作品数ではNO1よね、きっと。質はともかく(脱線)」
ファ「で、なんだっけ、感想文か。どうしよう。印象に残ってるのだけ書く?」
ミー「交互に全部書きましょ! ツンデレ感想で、あんたがツンやりなさいよ。わたしがデレるから」
ファ「え?! ずるい! 自分だけいい顔しようって」
ミー「いいの、いいの。わたしが辛口批判したら角が立つから。あんたなら大丈夫でしょ。根拠はないけど」
10作目記念おめでとうございます!
全部書き始めると大変なので、気になった作品から書かせてもらいます。
【君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる】『欄干の上から』
http://q.hatena.ne.jp/1323013113#a1122341
(あまり人のことを言えたもんではありませんが・・・)
この作品を一目見て、私が感じたこと。
「読みづらい・・・」
説明省略するために、ご参考となるサイトを探してみました。
「シンプルな文章の書き方」 ― 読まれなかった文章をカイゼンしてわかったこと : earth in us.
文章が読まれない理由。それは二つだと思う。
1.興味のないテーマだった。
2.文章をパッとみたとき、「読みたくない」と思った。
この作品の欠点は2にあるように思います。
空行が全くないので、この投稿を見るまで、実は私自身、sokyo様の作品スルーしてました。
改めて読んでみるといい感じなのに、興味あるか判断する以前に、私みたいに全く読まない人がいるというのは実にもったいないなと思います。
私思うに、文章を読むことは、泳ぐことに似ています。
適切な場所で空行がないと、人は息継ぎができないように感じやすくなります。
それを踏まえてお節介ですが、ちょっと手直してみました。
それと、ごめんなさい、一部、表現も変えさせてもらいました。
原文と見比べてみてください。
『懐かしいな・・・』
母校を通り過ぎ、陸橋にさしかかったときだった。
「え?!なに、なに!」
すっかり日も暮れて、辺りが薄暗くなってきたなか、欄干の上にぼんやり女の子が立っているように見える。
私はあわてて駆け寄ると、女の子がこちらに気がついた。
「わぁ、亜由美センパイだ! おひさしぶりです」
高校の後輩だった、いちごちゃんだ!
「い、いちごちゃん。なんでそんなとこにいんの?!」
「私、死のうと思って・・・」
少しずつ近づこうとする私をいちごちゃんが制止した。
「近づかないで!!私、もういいんです」
「ち、ちょっと落ち着きなよ。
なにがいいの?!
ちょっと話をしよう、降りておいでよ!!」
「もう、いいんです!!
コウイチくん、別に私に興味ないみたいだし・・・」
コウイチくんって言ったら、確かいちごちゃんと同級生だった線の細い男子だ。
「がんばって誘ったのにな・・・人体の不思議展。
明大博物館の拷問具展示も聞いてみたのにな。
みんな『バイトあるから』って断られちゃったんだから」
「それはチョイス悪…」
シマッタ!私の失言を気にすることなく、いちごちゃんは話を続けた。
「コウイチくん、バイトたいへんそうだから。私が飛び降りれば電車が止まるでしょ?
私の怨念でカレがバイト行かなくて済むようになるの。
ステキでしょ? 笑ってくれるかな」
「そんなのだれも喜ばないよ! 降りておいで!!」
そのとき、私たちの足もとを電車が走り抜けた。
橋がすごく揺れている・・・。
いちごちゃんの本能が、欄干の上でバランスを取っているように見えた。
「いいんです。ひとりで逝く(いく)つもりだったけど、最後にセンパイに会えてよかったです・・・」
「待って!ちょっと待って!!
い、いまじゃなくたっていいじゃない。
ちょっと私の話を・・・」
その言葉をさえぎるように、いちごちゃんは話を続けた。
「今日、ちょうどこの時間、ココに呼び出したんです。
でも、もうきっとカレ来ないんです・・・。
だってほら。もう時間だから・・・」
「そ、そんなことないでしょ!!
私の手元の時計ではまだ57分だよ、ほら、まだあと3分ある!!」
私は腕時計を見るふりをして少し近づいた。
「亜由美センパイって優しいんですね・・・。
もう、来るわけないのに・・・。
だって今日、カレは・・・」
そのとき、いちごちゃんのケータイが鳴った。
「バイト中なのに・・・」って、いちごちゃんは短くつぶやいた。
"もしもし? 榎本さん?"
夜の空気は澄んでいて、コウイチくんの声は私にもよく聞こえた。
"榎本さんだよね? いまどこ?"
『この朴念仁』
「いま? 桜高の前の、陸橋の手すりの上」
しばしの間があった。
"ごめん!いま行くから。さんじゅ…いや20分で行くから!!"
「どうせウソでしょ!」
"そんなことないって!!"
「もうここから飛び降りてやるんだから!!」
"え?!ウソだろ?!"
「じゃあ、あと20分だけ待ってあげる!
来れないなら、ここから飛び降りるから!!」
「ち、ちょっと待って!!ハァ、ハァ・・・
こ、これは会ってから言おうと思ってたんだけど・・・」
心なしか、私にはコウイチ君の声が乱れているように聞こえた。
『分かった!コウイチくんは電話の向こうで走っている!!』
きっとコウイチくんは、もうすぐここにやって来る。
でも、いちごちゃんは気がつく素振りはない。
彼女の手からケータイが少しずつ離れていく。
身体が、少しずつ傾いていく。
「ハァ、ハァ・・・2,24日、寄生虫博物館に行こう!」
「え?!」
いちごちゃんの手から、ケータイが滑り落ちた。
鮮やかな光は欄干の≪向こう側≫へ消えた。
その隙に私はいちごちゃんを取り押さえた。
いちごちゃんが倒れ込んだのは、欄干の≪こちら側≫だった。
「ばかっ! いろんな意味でばかっ!」
私は倒れ込む いちごちゃんを抱きしめた。
橋の下を電車が通り、急ブレーキの音が聞こえた。
「いちごのばかっ!
前からばかだと思ってたけど、やっぱ、ばかっ!!」
いったん抱きしめた いちごちゃんを突き放すと、私は一気にまくし立てた。
「電車が止まったらカレ来れないじゃない!!
ケータイなくしちゃったじゃない!!
連絡もつかないじゃない!!
拷問具でカレが振り向くわけないじゃない!!!」
「ゴ、ゴホッ!!」思わず咳(せき)ごんだ。
「だ、大丈夫?」突き放したいちごちゃんが駆け寄ってきた。
私は大きく息を吸って、めいいっぱいの声で叫んだ。
「心配したじゃない!!!」
いちごちゃんの大きな瞳から涙がこぼれ落ちた。
その瞳に映る私も泣いていた。
私は、もう一度、いちごちゃんを ぎゅっと抱きしめた。
『こんなにきゃしゃな肩をしてたんだね・・・』
もうぜったい放さないからね。
いちごちゃんは泣きじゃくりながら、
「ご、ごめんなさい・・・」と言うのがせいいっぱいで、
しばらく二人抱き合いながらオンオン泣いた。
「冷たっ!」
「どうしたの?!」
「あ、雪だ・・・」
ふと空を見上げると、雪が降りはじめていた。
どれくらい時間が経ったんだろう?
さっきまで走っていた電車の音も、いつの間にか聞こえなくなっていた。
コウイチ君はまだやって来ない。
今日は、いちごちゃんが気がすむまで、そばにいてあげよう。
でもこの恩は、いつかきっちり返してもらおっと。
そうだ!
いちごちゃんの家にピザを送りつけて、勝手にピザパーティしよう!!
愛すべき後輩たちもいっぱい誘おう!!
バレンタインにハートの型を貸してあげるのは、もうやめにしよう。
「これからは自分で買いな」って言うんだ♪
ふたりも交えて、みんなで遊びにいこう!
それでいつの間にか二人きりにしてやろう。
そして来年からは不器用な二人を、う?んと、ひやかしてやろっと♪
最後にもう一つの悪例を。。。私の作品ですσ^-^;
http://q.hatena.ne.jp/1323013113#a1121630
やたら空行が多い!!(爆)
投稿してから「失敗した・・・」と思いましたが、直すの面倒だったのでやめました(苦笑)
ご参考になれば幸いです。
おめでとう。
10作品目おめでとうございます。これからも作品作り頑張ってください。応援しています。
【巻頭言】
ヨリイカ捏造刷春夏秋冬合併号でピックアップするのは、今をときめく"かきつばた"作家「双響さん」です。本稿では親愛の情をこめてsokyoさんと呼ばせていただきます。
覆面作家中の覆面作家であるsokyoさんを今回取り上げることになったのは氏の「かきつばた杯に10作め」という節目を自己アピールしていたからなんですが、ムック記事にも関わらず、セルフライナーノーツは無いのか!とか本人の書き下ろしはどうした!という突っ込みを華麗に回避できるような構成で組んでみました。
かきつばた創設の北落師門氏も最近はご無沙汰ですし、3ヶ月遅れの講評で参加者をヤキモキさせた在日氏や、投げっぱなしジャーマンの臥竜伏龍氏の感想無しパターンも続いたので、一度まとまった状態でこういう記事を作ることには意義はあるんではないかと思います。ええ、決して死亡フラグではありませんよ。
sokyo氏の作品に話を戻すと、氏の設定にはイワユル「跨ぎ」がなく、基本的に毎回一から作っているところに好感が持てます。中二的な設定やスピンオフ的な安易さに流れないところは個人的には玄人筋からの評価は高いです。一方、その前回を踏襲しない作風は、新規読者からは敷居が高く、敬遠されがちかもしれませんが、そこはsokyo氏独特の台詞回しや決して説明調にならない優しい文章で十分お釣りがくるんではないかと思っています。
個人的には、大御所ですが「宮部みゆき」氏の初期?中期の作風に似ているんではないかと感じています。(えっ? 褒め過ぎって?)
今回のムック記事ではそんなSokyoワールドの一端なりとも、ときほぐせられたら嬉しいですね。
2011年12月 A楠
_________________目次______________________
【ヨリイカ!! 捏造刷春夏秋冬合併号 『折り紙マイスターの朝は早い』 】
第一部:折々の批評場面で振り返るかきつばたの女王のウラオモテ
第二部:10作品の色分け分類 ?sokyoは何故子供を多用するのか? ショタなのか??
第三部:最新作の講評の寄せて『欄干の上から』
第四部:書き下ろし「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」A楠Ver.
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第一部:折々の批評場面で振り返るかきつばたの女王のウラオモテ
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5
かきつばた杯は本編15回(2011年12月時点)、番外1回の計16回開催されていますが、そのうち10回に作品を投稿されているのがsokyoさんです。前半の8回大会までは3回のいるか取得、ということで向かうところ敵なしだったのですが、最近はmeefla氏の3連覇もあって、接近しています。但し番外含めて4回のいるか(BA)取得はトップの数字ですのでいかに安定している作家であるかは推して知るべし、知らなきゃ覚えろってやつですね。
A楠が評を書いたのは「F-4と女子大生」が最初ですね。
黄色い風船
http://q.hatena.ne.jp/1289126228#a1046652
■6『黄色い風船』 sokyoさん
構成の巧さが際立っている点、ショートストーリーとしての体裁が秀逸な点をもっているかとさせていただきました。そして実は密かに考えていた「F-4を知らない人がどうやってショートストーリに絡ませてくれるか」を一番体言している作品というのも理由の一つです。明らかに基本知識(男の子脳)の高い他の方とは対照的な展開(風船の意味深な登場など)と、設問内容を小説の中に組み込む、逆入れ子の手法は面白かったです。そしてそれを綺麗に最後の一文にループさせて終わらせる"回想型"の物語だったとは恐れ入りました。構造と時系列を二重に倒置していたわけで、しかもそれを嫌味に思わせない女子大生の淡々とした思考の地の文が、さらに好感をもたえてくれました。
書いた本人も分けわかんなかったので後ほど書き足しています。
http://q.hatena.ne.jp/1290007944#a1047541
すみません、読み返してみると完全に自己満足な文章ですね。これじゃ自分しか分からんですね。
「逆入れ子」は、質問文を小説の世界観の内側に取り込んだ表現を差しています。入れ子構造の話というのは昔からあるタイプですが、あの回答(ショートストーリー)は設問のお題を読む回答者がお話の中に下位構造として表現されていたので、"逆"入れ子としました。
最初の一文を書いた作者が、その後回想シーンに入っていて(そのことが伏せられている)最後に一文で、「ああここまでは回想シーンだったのか!」と後で気づかせる構造になっていたのが印象的でした。それが階層型。
二重に倒置は上の二つ=入れ子+回想 ということです。
対抗馬だったmeeflaさんのショートストーリ(?)が完全に"狙った"ものだったのに対し、sokyoさんのは狙いを絞らせない"作者の意思を感じさせない"展開だったのが良かったです。元の二つ名「天然の・・・」はこの辺を拾ったものです。
sokyo氏の魅力は、この「企んでいることを悟らせない」文章にあると、言えると思う。はっきり言ってこの時の作品の面白さだけならmeefla氏の方が上でした。スターの付き具合を見ても一目瞭然。
それを押して"いるか"を付け直させたsokyoさんの文体・構成の安定感が一番の魅力です。悪くいうと冒険が無いとも思えますが、飛び道具的なぶっ飛ばし小説は他に多数いらっしゃいます。A楠が"かきつばた"で"いるか"を狙うときに意識するユーザーといってまず真っ先に標的にするのはsokyoさんです。
理由は飛び道具使わない正攻法でレベルの高いものを仕上げてくるから。いやほんと。
続いてはBAつけたこれですね。
http://q.hatena.ne.jp/1303089255#a1068501
Birth
僕は文学の真髄は「読者のこころをいかに揺さぶったか」だと思っています。
そういう意味で、(ここまでの作品もすばらしいですが)sokyoさんの作品が一番ゆさぶりがすごかったです。
読者に喚起させる感情は「楽」「喜」「悲」などいろいろあると思いますが、sokyoさんので一番感じたのが「不安」と安」です。
僕はリアルのsokyoさんを知らないので、この作品が創作だろうと思いつつ、心の奥底で「まさか」を否定できません。そしてその「まさか」を最後の最後まで抱かせることで、とても不安にさせてくれる文章でした。リアリズムによる揺さぶりです。
追伸と、書かれた文章があったことで「そうかここでネタばれしてくれるのだな」と思わせておいて、実はそうではない。
でも追伸の内容は例え内容がリアリズムを描いたものであっても、そうでなくても、「安心」を与えてくれるすっきりとした情景を浮かばせてくれます。
時節がら、最後は僕なら「晴れ」ではなく、僕なら「はなみずき」や「八重桜」を持ってきたくなりましたが、そういう瑣末なガジェットくらいしかいじりようが無いと思わせる、リアリズムが"いるか"の選定理由です。
ランディ・バースで振っておいて、最後に誕で戻すところはご愛敬でしたね。
ああ、追記ですが、この作品が創作かどうかは謎のままの方がありがたいです。
この作品は突き抜けた感が半端なかったです。
読みおわった瞬間に「これ"いるか"だな」と思わせられた記憶がまざまざと蘇ってきたり、捏造したりしてきました。
その風合いはその後にも引き継がれています。
http://q.hatena.ne.jp/1290052601#c191560
sokyoさん
>(こんなコト言ってるからid:alpinix さんに「天然の」って言われちゃうんだな自分♪)
その風合いがいいんで、無理に変えない方がいいですよ!
文章や展開に押し付けがましさが無い優しさがあるところ=天然ということですので。
結構ベタ褒めしていますね、A楠。
こういう賛辞コメントがあったからこそsokyoさんも調子こいて嬉しくなって、感想募集なんていう臆面も無いすばらしい質問をされたのかもしれません。
責任重大ですね。
ところで
http://q.hatena.ne.jp/1318688077#a1110749
の冒頭にある。
先日のアンソロジー「叙述トリック」に寄せた『夏祭り』のぶんです。
の幻の作品はどこにあるのでしょうか?
謎は深まります。というかこの作品にも代表されますが、入れ子になっている作品が多いというのはsokyo作品の特徴だと思います。
外側の設定である「作品を書いている私」や「かきつばたに応募しているユーザー」が出てきたり、というのはこの作品以外にもちらほら散見されます。
他にもsokyoさんには幾つか見られる特徴があるのですが、その辺のお話は、次の第二部「10作品の色分け分類 ?sokyoは何故子供を多用するのか? ショタなのか??」でお話しさせていただこうと思います。
締め切りに間に合えば。
そして本人からの要望があれば。
<つづくといいな>