B美は淡々と言った。
B美「F吉ったらまたひとりで突っ走って途方もないことを考えてるわね」
D菜は尋ねた。
D菜「どういうこと?」
B美は確認した。
B美「F吉ってオタク要素満載よね?」
D菜は深く頷いた。
D菜「そうなの、萌属性が沢山あって……」
B美は解説した。
B美「そんなF吉がパソコンとデジカメを手に入れたらどうすると思う?」
D菜「デジカメがあったらとりあえず写真を撮るんだと思うけど……」
B美「そうよ、その着想が今回のメモなのよ」
D菜「どういうこと?」
B美は断言した。
B美「今回のノートへのメモは、F吉が大好きなコスチュームや女子の姿を並べていったものよ」
D菜「制って……じゃあ制服とか? それを誰に着せるかって言うリストなの?」
B美「そう」
B美はメモを取り出して以下のようなリストを作った。
制服
旅行
花嫁
浴衣
水着
体操服
図書委員
エプロン
サンタクロース
巫女
私服
制服
??????????
B美「これがそのリストの完成形よ」
D菜「どうして全部わかるの? 3つめの『花』だって花嫁じゃなくって花魁とかかもしれないじゃない?」
B美「よくまあ花魁なんて言葉がでてきたわねぇ。でも違うの。これには、リストの順序がが関係しているの。ねえ今は何月?」
D菜「えっ? それは3月だけど……」
B美「そう、だから4月からこのリストは始まるの。そう考えたらすべてが納得いくわ。
4月は入学シーズンだから制服姿。
5月はGWがあるから旅行ね。ツアーガイドかしら?
6月はジューンブライドだから花嫁姿。ね、花魁じゃあ6月と繋がらないでしょ?(←ここ苦労しました)
7月は夏祭り気分で浴衣姿。
8月は水着ね。夏真っ盛りだから。
9月はスポーツの秋。ってことで体操服よ。ブルマー姿にさせられるわ。
10月は、読書の秋で、図書委員。図書室とか図書館で写真を撮られるわ。
11月は食欲の秋ということで料理研究家。エプロン姿ね。裸エプロンじゃないことを祈るばかりね。
」
D菜「なんか、駆け足でキャラも活きていないし面白くもなんともない台詞を長々とありがとう。
そしたら、ひょっとしてこの相互に入れ替え可能っていうのは……」
B美「秋が続くってことでこの3つは相互に入れ替え可能なのよ。どれが秋でもおかしくないからね。
さらに言えば、ここだけコスチュームっぽくなかったから、スポーツの『ス』から『体』に変更になったし、料理の『料』からエプロンの『エ』になったわね。
『図』は苦しいけど他に読書を現す言葉ってなかなかないから……」
D菜「そういう意味での5月の『旅行』っていうのもゴールデンウィークでまあシーズンっちゃあシーズンだけど、いまいちしっくりこないから……」
B美「そう、『他にいいアイデアは?』なんて注釈を入れているの」
D菜「じゃあ、12月はサンタクロースで1月はお正月だし巫女さんの衣装ね。あれ? 2月は『私服』?」
B美「2月と言えば節分かバレンタインだけど、鬼の格好だと萌えないし、エプロンは使っちゃったから。ひとつぐらい私服があってもいいって思ったんじゃない?
で、最後は3月で制服に戻るというわけよ。卒業式シーズンだからね。毎月一枚ずつの写真といえば……」
D菜「そっかぁ、カレンダーね。F吉プロデュースのカレンダープロジェクトってわけかぁ! F吉のやつぅ、なんてばかばかしいことを……
急いでI穂とJ尼に知らせなくっちゃ。まんまと口車に乗せられてモデルになんてならないように!!」
B美「それがいいわね」
D菜「あっ、ちょっと待って? この2月の『私』の後の『リ』って何?」
B美「それは、多分『リボン』じゃないかしら? バレンタインだし、チョコの代わりに私を貰ってって。よくあるでしょ? アイドルの写真集なんかで」
D菜「それを私に頼もうってか? もう、F吉。ただじゃおかないから!」
おしまい。