無理ですね。
空間上のある一点で位相や大きさを合わせて消音することは可能かもしれませんが、位置が変化すれば位相がずれるので、その一点の前後では音が存在し続けます。
同じ点からベクトルを合わせて打ち消す音波を発生させれば可能?
いいえ、その場合は最初から音波が発生しません。
別の点から発生させたのでは位相のずれが発生します。
音を吸収するのではなく、逆位相の打消しあいで消すのが前提ですね。
そうなると、発生音と同じ周波数で逆位相が必要です。
発生波が低い周波数とすると、打ち消す方の周波数にずれを生じさせ、いわゆる「うなり」を使うことになりそうです。
うなりの位相を制御するのですか。なかなか困難な方法ではないでしょうか。
でも、方法としてはできるかもしれません。
プリアンプ前の信号であればある程度可能性はありますよね。
超高周波、非可聴の信号をどうやって制御するかが課題になりますけど。
PAでは逆相ケーブルをつかって信号で制御してますからね。
音を消すためではありませんけど。
これがもし成功したら凄いですね、期待したいです。
そもそも高周波のみの合成で低周波を作ることは出来ません。どのような畳み込みをしようと、「40KHz以上の波の合成」で「440Hzの正弦波」は絶対に作れません。
正弦波というものは、その周波数毎に独立した一種のベクトルです。他の波からの合成で作られないからこそ、独立した周波数成分となるのです。
逆に、もしそんな事が出来るなら、それは即ちあらゆる低周波を高周波の成分に分解できるということになります。それは数学的には「素数をさらに因数に分解する」と同レベルの不可能事です。