> オーナー経営者の所有する自社株を会社に売却
これ、「自社株買い」のことですよね?。
http://kabusyo.com/sihyo/sihyo_070911.html
上場企業の場合で考えると、企業による自社株買いも保有も禁止されてはいませんので、後任の経営者がわざわざ買い戻す必要はないようです。
しかし、ご質問の内容は、未公開株の自社株買いの事と思われますので、そちらはどのような扱いになっているのか検索してみましたが、特に禁止されているようには思えませんでした。資金難に陥ってから改めて買い手を募ればいいだけのようにも思えるため、わざわざ後継者が自社株を買い戻す義務は無いように思います。むしろ疑問に思うのは、
> 相続税の支払いを回避できる制度
の部分で、本当にそんな事実があるのかという事です。調べてみると、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463958054
この質問のベストアンサーが挙げている2つのリンクのうち、上のほう
http://www.tabisland.ne.jp/explain/kabushiki/kabusiki_6.htm
「ロ.平成18年4月1日以降の考え方」
の部分が、自社株買いによって税金額が実質的な減額されることの根拠?のようにも思われます。この場合、確かに帳簿上は資本金の減少との扱いとなり、支払う総額も減りそうな気がしないでもないのですが、株式評価額の時価と同等の金額で会社に買い取らせても、株券がそのまま現金に置き換わるだけ、税務上は何の変化もなく無意味です。
かといって評価額以上の価格で買い取らせたら会社の経営を圧迫する背信行為であるうえに、株式売却によって本来以上の資産が手元に残りますので、かえって相続税が増える事になるでしょう。
従って、評価額以下の価格で自社株を買い取らせるという選択肢しか残りません。この場合、もしかすると支払う税額は確かに減るのかもしれませんが、実際のところは手持ちの株式を投売りしたに等しく、資産を会社に譲渡している事に他なりません。もちろん、もし買い戻すにしても、評価額以下の金額で買い戻すことはできないと考えたほうがいいでしょう(そんなことしたら文字通りの脱税です)。こうした事にメリットを見出せる人がいるとすれば、よほどの資産家くらいではないでしょうか?。とても零細企業の経営者が真似できるような事ではないように思います。手持ちの株式を投げ売りするだけではなく、一時的とはいえ、会社の経営まで圧迫する行為ですので(買い戻さないならば、ずっと圧迫し続けます)。
現に相続税問題で悩んでいるのであれば、
自社株で相続税を納税
http://www.smbcnikko.co.jp/corporate/mnr/connect/con06.html
こういった事柄のほうが現実的であるように思うのですがいかがでしょう。もちろん素人考えなので、私の解説は間違っている可能性もあります。あとは生前贈与で少しずつ株式を譲渡していくなどの方策も考えられないこともないわけですが。
実際のところ、企業経営者であるならば懇意にしている税理士先生くらいいらっしゃるでしょうから、どのような方法が一番いいのか、そちらの先生に相談するのがベストなんじゃないかと思いますよ。
株式の売却に問題が無いとして。
株式を会社に売却した時点でおそらく金庫株(自己株式)になっているものと思われます。消却してしまうと、こののち売買できませんから。
このまま放置すると、会社自身が株主の状態になります(議決権はありませんが)。まあ、そのようにしている会社も多いものと拝察します。
ただ、株式を売却した時点で会社の持つ現金が株式に化けてしまう点が、資金面でのデメリットです。
一方、後継者の方にとっては、筆頭株主として充分な株式を自分で持っているなら、株式を買い戻す必要性は低いかもしれませんね。
ただ、充分な株式を持っていないなら、会社から株式を買い戻しておく方が良いです。会社に敵対的な人が現れたりしたときに対抗手段(株主総会での議決権)が必要ですから。
株式を買い戻すかどうかは、後継者の方がどれだけの株式を持っているのか、会社の現金は足りているのか、あたりが判断基準になると思います。