てっきり内臓は副交感神経優位で活発に働くのかと思っていたらそうではなくて
どこでそのように思ったのかわかりませんが、交感神経で活発に働く臓器は肝臓だけではありません。
膵臓:インスリン分泌が増える
心臓:心拍数が上がる
肛門括約筋:締まる
活発に働くということをどのような基準で考えるかによりますが、要はバランスです。
例えば、膀胱は交感神経優位で排尿筋は弛緩しますが、括約筋は収縮します。
膀胱は尿を貯めるのがその働きですから、排尿筋が弛緩するということはより多くの尿を貯めることができるので、活発に働いているというふうにも考えられます。
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こちらの某大学の公開講義ノートのPDFファイルの6ページ目からの、
「自律神経系の解剖と生理『交感神経系』」の項目が参考になるでしょうか。:
http://www.ninomiya.med.tottori-u.ac.jp/homepage/ANS.pdf
交感神経の刺激により、肝臓では糖新生・脂肪の分解が亢進し
(=エネルギーを動員する)、胆汁 bileの分泌が抑制される。
(7ページ)
また、肝臓だけでなく腎臓も交感神経の刺激でレニンの産生を亢進します。
交感神経の刺激により、腎臓ではレニンの産生が亢進する(=血圧が上がる)。
(7ページ)
尚、8ページの一番上に、交感神経が影響する効果器をまとめた図があります。
更に、8ページ目から「副交感神経系」についての記述もあり、
同じ様な臓器でも、交感神経と副交感神経の両方から影響を受けるが、
それぞれで異なる反応を示す臓器があることが分かると思います。
次は副交感神経。効果器は交感神経とほとんどいっしょ、だけど
明らかに違うところもあるので注意してください。
(8ページ)
副交感神経の刺激により、肝臓ではグリコーゲンの合成・脂肪の合成が亢進し
(=エネルギーを蓄積する)、胆汁 bileの分泌が促進される。
(9ページ)
つまり、肝臓は交感神経と副交感神経の両方の効果器なのです。
しかし、交感神経と副交感神経とで異なる(ほぼ反する)反応を示します。
すなわち、交感神経が優位だと、おっしゃるように肝臓は、
「血管平滑筋が緩み血流がよくなってグリコーゲンの分解が活発になる
(骨格筋に糖をせっせと送る)」という、「糖新生・脂肪の分解が亢進
(=エネルギーを動員)」するのですが、
逆に副交感神経が優位だと、肝臓は「グリコーゲンの合成・
脂肪の合成が亢進(=エネルギーを蓄積)」するのです。