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「二次創作」「異能バトル」の語源、初出、造語者を教えてください。

TPPの報道の中で「二次創作」という言葉が普通に出てきて、定着したんだなあと驚きました。以前はパロディやパスティッシュという言葉が一般的で、かなり新しい言葉だと記憶しています。また、ジョジョやHUNTER×HUNTER
などで人気の作品を「異能バトル」と呼んでいますが、この言葉も面白い言葉でした。
これの語源や造語者を教えてください。
長文をこちらで書いています。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20151107/p1

●質問者: gryphon
●カテゴリ:芸術・文化・歴史 書籍・音楽・映画
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 3/3件

▽最新の回答へ

1 ● なぽりん
●34ポイント

二次創作とは (ニジソウサクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
パロディの言い換えとしては1980?90年前後という感覚です。
そもそも似た言葉が別に存在しました。
著作権法上の言葉としての

「二次的創作物」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%89%A9#.E4.BA.8C.E6.AC.A1.E7.9A.84.E8.91.97.E4.BD.9C.E7.89.A9
(翻訳物・プラットフォーム移行などを指す。文言上は翻案が含まれるが、
ストーリーなどに独自の新解釈が盛り込まれた翻案については当初はあまり想定されていなかった。
改変権は原著作者のものであって(契約外で)行うことは禁止という法的解釈が主流だったから。)

という言葉はもっと古くからあります。
現行著作権法は明治に出来た物ですし遅くとも昭和初期(←昭和45年とのつっこみあり、コメント参照)から存在したはず、
「パロディ」と同様に狭い範囲でほそぼそとした広がり方だとおもいます。
改正で入ったとしてもおそらく昭和前半にはあったでしょう。
ですから「二次的創作物」については法律学者か内閣法制局が語源でしょう。

パロディとほぼ同等(翻案、改変にも該当。ただしパロディに以前あったような原作を揶揄するニュアンスを必ずしも必要としない)の意味での
「二次創作」については、おそらくコミティア運営
https://ja.wikipedia.org/wiki/COMITIA 、1987発足 あたりが
パロディ同人誌と創作系同人誌の区別の意味で使い始めたものかとおもいます。
コミティアは(一次的)創作系同人誌のみを扱う同人誌即売会ですから
参加者へ区別を示してみせることが必要だったのです。
語源をつきつめるとスタッフ内、参加者間での自然発生的なものとおもいます。

===
異能バトルについては、昔は普通に超能力SFのようによんでいた
(和田慎二さんとか聖さんなどは普通に自称していた)けれど、
たぶんおっしゃるとおりのJOJOとおなじ
昭和末期あたりだとおもうのですが、
文庫化の巻末解説などで
「異能の英雄が?」のような言い方がでてきていたとおもいます。

※巻末解説でのカテゴライズは新しい言葉を出すほうがより強く褒めたことになるので
グインサーガだったかで貴種流離譚とかいう言い方をしているのも見たことあります。


gryphonさんのコメント
ふーむ、大変参考になりました、有り難うございます。なんとなく輪郭が浮かび上がってきたぞ…

gryphonさんのコメント
ニコニコ大百科って記述があっても、あまり検索上位には出てこないな…

meeflaさんのコメント
> なぽりん さん 本論じゃない部分へのツッコミ、失礼します。 > 現行著作権法は明治に出来た物ですし遅くとも昭和初期から存在したはず、 > 改正で入ったとしてもおそらく昭和前半にはあったでしょう。 確かに旧著作権法は明治32年ですが、[https://ja.wikisource.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E6%B3%95_(%E6%98%8E%E6%B2%BB%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%8C%E5%B9%B4%E6%B3%95%E5%BE%8B%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%B9%9D%E5%8F%B7):title=著作権法 (明治三十二年法律第三十九号)] の条文には「二次的著作物」あるいは「二次的創作物」という文言は見当たりません。 「偽作」についての規定はありますが。 改正著作権法=現著作権法は、1970年=昭和45年です。 昭和後半ですね。 日本で初めてファンクラブが作られたと言われるアニメ「海のトリトン」の放映が1972年ですから、その頃にはすでに「二次的著作物」という単語が存在していた、という点は間違いありません。 ただ、今と違って法律の条文や用語を簡単に参照できる環境ではなかったわけで、言われ出したのは早くても1980年代後半頃からではないでしょうか。 コミケで『キャプテン翼』の二次創作サークルが増加したのは1985年頃からだそうですし。 ちなみに、私がファーストガンダムでガノタしていた1980年代前半には、「二次的著作物」という言葉も一般化していなかったと記憶しています。

なぽりんさんのコメント
meeflaさん、コメントありがとうございます。実地のご意見参考になります。 「ファースト」「ガノタ」などもだいぶあとになって一般化?ライトオタ化?した印象の言葉ですが、 語る言葉ができて語りやすくなってきたのは昭和生まれの共通見解かもしれません。 45年改正という部分についてちょっと本文に訂正入れておきました。 「二次創作」という言葉と「二次的著作物」の乖離についてはだいぶ以前に意識がありました。 「パロディってやっていいの?」とおもって著作権法を読むと 二次的著作物が一番核心に近いけれども定義のみで結論らしきものが明記されていないという、 なにやらこそばゆい法文であります。 当時のどこかのアニメ雑誌で「二次的著作物と二次創作はイコールでない」とコラムなりで読んだのかもしれません。 それこそ「アニパロコミックス」とか読んでいたので。

gryphonさんのコメント
わき道にそれた話ですが、パロディやパスティッシュの合法性といえば、こんな文章を以前かきました。 ■キャラ、人物を借りてストーリーは全くオリジナルの「二次創作」が持つ著作権問題は? http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080510/p3 というのはポパイ判決という、重要判決があるらしいのですが http://park2.wakwak.com/~willway-legal/kls-c.case.006.html 「…連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。けだし、キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということはできないからである。」 なんか素直によむとこの判決、「キャラはよそこから借りても、展開する話がオリジナルならOK」というふうに読めませんか?(正直複雑でわからないのよ)

なぽりんさんのコメント
キャラクターとは記号と絵柄(筆者のクセ)の組み合わせですが、この組み合わせそのものに著作権は現状(判決上)ではみとめられていないです。 しかしそのことからすぐに二次創作最強じゃんという結論も間違いです。 でもその理由をまっすぐに書こうとすると、著作権法何条何項ではなく意匠法、商標法や不正競争防止法までにひろがる話をしていくことになるので、ここでは全部描けません。 まあ、ファンが原著作者のおめこぼしをしてもらっているという前提を全員が共有することが、 二次創作そのものを育てるのにいちばん大事なことだとおもいます。

なぽりんさんのコメント
上のコメントで記号とは、ドラえもんでいう「手足・顔・腹が白く尻尾・鼻が赤く瞳が黒く残りは青い」「突出した耳がない」「口が大きく、上唇が少しまくれあがっている」「線状にえがかれた尻尾・ヒゲ左右3本ずつ・鼻の下の溝を有する」…などといった特徴を指しています。

なぽりんさんのコメント
著作権の判決文はいっぱいありますが多くは「これは著作物ではないですね」と判定することからはじまります。

2 ● a-kuma3
●33ポイント

「二次創作」については、なぽりんさんの方が詳しいと思うので割愛。


「異能バトル」については、最初に冠されたのは菊地秀行だと思います。
バンパイアハンターやマンサーチャー、魔界医師も同様ですが、特に、光文社でやってた「妖魔」シリーズや「闇ガード」シリーズの帯や解説で使われていました。
新書が 1985 年くらいです。
「超時空伝奇アクション」という言い方もされていました。
夢枕獏よりも、ちょっと先だったと思います。

古典のSFでは念動力によるくらいが攻撃手段でしたが、バビル二世で有名になった電撃や火炎放射くらいまでは超能力の表現です。
変わったものを武器にしたり、妖物にとりつかれた力を使ったり、というのが入り込んだ辺りから「異能」だと思います。


gryphonさんのコメント
おお、スモーキン・ガン(明確な証拠)だ。今度実物も探してみたいと思います。

gryphonさんのコメント
でも、帯や解説にかかれていたとするなら、手柄は正確には「菊池秀行の担当編集者」なのかな(笑)?

a-kuma3さんのコメント
コメントの司馬遼太郎で、ふと思ったのですが、山田風太郎の甲賀忍法帖では異能者と表現されていたような。 異能バトルとはちょっと違う感じがしますが、ウルフガイの指弾(10円だったか)が自分の中で最初に触れた異能かな、と思います。 # 銭形平次は投げているだけ

gryphonさんのコメント
そーそー、今回は言葉に絞ってますけど、もし内容全体で「異能バトルの歴史の教科書」を書くなら、山田風太郎とか白土三平から書き始めるのがいいかなあと思います。それより前も何かあるのかな?

3 ● meefla
●33ポイント ベストアンサー

「二次創作」について検索してみました。

Google ブックス および Google Scholar で「二次創作」を検索すると、最古のものとして 大塚英志 氏の『物語の体操 第4講 「二次創作」と「世界観」』がヒットします。
これは、朝日新聞出版の雑誌 小説トリッパー 2000年春季号(発売日:2000年3月15日)に掲載されたもので、連載をまとめたものが『物語の体操――みるみる小説が書ける6つのレッスン』として、2000年に単行本化、2003年に文庫化されています。
文庫版が Amazon で50円だったので、購入して確認してみました。(2003年4月の初版第一刷)

第4講は『村上龍になりきって小説を書く』と改題されていますが、冒頭部にこんな記述があります。(P119 より)

彼が「二次創作」と形容したのはこういった同人誌活動に於ける「既存のアニメやゲームの設定やキャラクターを勝手に使ってしまって小説やまんがを書くこと」を指してです。

ただ気になったのは「二次創作」という言い方で、それは多分セキグチくんの造語ではなく今の同人誌に関わる子たちに共通の物言いのようなのですが(後略)

(前後の文章も読みたい方のための スキャン画像)

これらの記述からわかる事を列挙します。

1. 2000年の2月頃には、現在の使い方における「二次創作」という言葉が存在していた。
2. 大塚英志氏のようにサブカルチャーに造詣の深い人でも、この時点で「二次創作」という言葉に初遭遇していた。
3. 「二次創作」の出所は、同人誌コミュニティの可能性が高い。
4. アニメ、マンガ、小説を一次とした同人誌だけではなく、(セキグチくんが所属していた)ギャルゲー同人誌も出所の可能性がある。

推測入りますが、上記 2. からすると、「二次創作」の初出は1990年代に入ってからかもしれません。(1990年代後半?)
いずれにせよ、2000年から遡って各界の同人誌をサーチしていけば、「二次創作」の出所に辿り着く可能性があるでしょう。
米沢嘉博記念図書館 というのもある事ですし。(同人誌の閲覧にはそれなりの出費が必要になりますが)

1990年代に同人活動をしていた人からの証言も集まると良いのですが。

以上、お役に立てることを祈りつつ。


gryphonさんのコメント
ほっ、これはすばらしくも貴重な資料です。ありがとうございます。 twitterでも紹介してみます。
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