瓶に入った水をコップに注ぐ時にトクトクと音がしますよね。あれは瓶から出る水の代わりに、同じ体積の空気が中へ入っていく音です。
今度はその瓶の口に、ストローを取り付けた様子を想像してください。逆さにしても水は出てきません。ストローの中に水ははいるんですが、表面張力とストローを登ろうとする空気の圧力で水が落ちてこないんです。
ボイラーは缶の大きさの割にはブロー管の断面積は小さく、いわば瓶の口に極細のストローを取り付けているようなものなわけです。ブロー管を開けただけではあまり水は出ませんし、外に出ようとする圧力も低いので、缶の底にたまったミネラル泥を押し出すには足りません。
なので缶の別の場所から、出ようとする水の分だけの新しいナニカを入れてあげるわけです。
空気の中にはおおよそ20%の酸素が含まれています。酸素はさびの原因になるので、ボイラーの中にはできるだけ酸素を入れたくありません。缶の中は点検するのが大変ですからね。なので、”出ようとする水の分だけの新しいナニカ”はだいたいの場合、水です。
なので多くのボイラーではブローする時、「ブローする量と同じだけの水を補給せよ」となっているわけです。