http://anotherorphan.com/2006/07/hatenashitumon.html
回答者には以下のことを考慮に入れていただければと思います。
(1) 使用言語が英語であること。
(2) 出来れば字幕の切り替えが出来るDVDバージョンが手に入る資料であること。
(3) 大学の教養クラス用の授業ですので、あまりにもマニアックな資料やテーマ(例えばカニバリズムや性的倒錯、など)は避けてください。
(4) その映像資料を、どんなテーマ・観点に沿って選ばれたのかを教えてください。
(5) これは質問者の個人的な好みなのですが「比較文化論」的観点が含まれていると嬉しいです。
質問者は退屈な授業を出来るだけ避けたいと考えています。あなたの感性で「面白いと思う授業の種」を是非教えてください。
「比較文化論」とは少し離れてしまいますが、もし現在わたしが大学生なら、「東西冷戦」に関するものを見るということは、大学の講義に期待したいもののひとつです。
映画であれば、『博士の異常な愛情』:
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/Dr.Strangelove.htm
*DVDが入手可能です。
より資料的なものであれば、"Operation Ivy":
http://www.archive.org/details/operation_ivy
*米空軍製作の水爆実験の記録・説明用のフィルム。パブリック・ドメインに入っており(no rights reserved)、上記URLでダウンロード可能です(字幕・スクリプトなしで、聞き取りはかなり難しいと思うのですが・・・)。27分47秒。16分くらいから水爆の発射の場面が始まるのですが、カメラワークも音楽も、まるで「映画」のように見えます(が、これは実際の実験の記録です)。
Internet Archiveの動画のコーナーには、Operation Ivyのほかにもパブリック・ドメインのフィルムが数多く集まっています。わたしが大学の講義で見ていたら忘れないだろうという映像がいくつもあります。
第二次大戦中に日本がアメリカからどう見られていたのかがわかるプロパガンダ映画My Japanは非常に興味深いです。戦時国債の宣伝のために米財務省が製作したフィルムです。「日本を知る者が日本を代弁する」という形式で作られており、冒頭で出てくる語り手は米国人俳優ですが、日本人の特徴(とされていた/されているもの)を模しています。一部、非常にショッキングな映像も含まれていますが、当時の米国人がそのショッキングな場面を見たときにどう感じたのか(「いい気味だ」なのか、「これでもくじけないのか」なのか、など)を考えることは、映像の読み解き方の教材になると思います。字幕はありませんが、スクリプトがShotlistのところに掲載されています。
「電気」という観点から「アメリカの歴史」と「自由」を綴った1952年のFreedom and Power (Part I)、Freedom and Power (Part II)(12分14秒)も教材によさそうです。プロのナレーターが音声を吹き込んでいるので、聞き取りの難易度はそれほど高くないと思います。
また、生活家電の普及促進期の宣伝であるYoung Man's Fancy(14分19秒が2本:GEが製作に関わっているようです)は、要所要所に電化製品が出てくるさまなど、かなり興味深いです。ドラマなので聞き取りはかなり難しいかもしれませんが、Shotlistのところにドラマの内容がかなり詳しく書かれています。(ストーリー自体は単純です。どうやら、1回完結の連続ドラマのエピソードの1つのようですが、「母親」「娘」などの人間関係は、見ればわかります。なぜそれが見ればわかるのか、という点も興味深いテーマだと思います。)
このほか、「知らない人についていってはいけません」という教育用のフィルムDangerous Stranger、アフリカン・アメリカンのコミュニティを取材したPalmour Street(1957年)、1950年ごろ(朝鮮戦争時)の米陸軍の兵士教育ビデオ、Personal Hygiene (Part I)、結婚した女性が「なぜ私が家事を」と憤っているところから始まるWho's Boss?(1950年:スクリプトつき)などいろいろとありますので、よろしければInternet ArchiveのPrelinger Archivesのtag cloudをざっとご覧になってみてください。
Who's Boss?はthe Marriage for Modernsというシリーズものの最終作だそうですが、「映画」としてしっかり作られていますし、「日常会話」に応用できそうなセリフがいくつも入っています。この監督のほかの作品もおもしろそうです。
ラブアクチュアリーはいかがですか。
大学の授業は学生に興味を持ってもらう必要があるので、
学生が好む作品なのでおすすめです。
様々なカップルが出てくるので、様々な男女間の関係を見ながら、
英語以外のことも学べるのではないでしょうか。
現役大学生からの意見です。
参考になさって下さい。
早速の回答ありがとうございます。
ラブ・アクチュアリーは確かに良い映画ですね、僕も好きです。おっしゃるとおり、大学の授業というのは半分はサービス業なので、現役の学生さんのご意見はとてもありがたいです。参考にさせていただきます。
1か月間、 食事をマクドナルドのメニュー・・・ 監督が自らの肉体をもって体験し、答える超異色のドキュメンタリー。
アメリカの食文化のいったんが見えておもしろく、わかりやすいと思います。
スーパーサイズ・ミー
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00067HDY8/503-0868016-623591...
おお、スーパーサイズ・ミーは思いつきませんでした。実は海外の食文化について書いたエッセイなどを読ませた回があったのですが、あまり学生には面白くなかったようなので、これは使えそうです。ありがとうございます。
「ローマの休日」と「サウンドオブミュージック」がいいですよ。
「ローマの休日」は舞台がイタリアだという事で、英語圏ではないことで、特にアメリカ人からすれば観光気分も味わえる作品だということは日本人には理解できていないところですね。
使われている会話も、最近の映画に比べて汚い言葉や隠語などがなく、勉強にうってつけです。
「サウンドオブミュージック」はミュージカルである点でおすすめです。英語の歌モノが満載です。しかもドレミの歌など優しい英語が使われているのもいいと思います。
教材としては、後半のナチスドイツから逃れるためにスイスに亡命しないといけない葛藤があるくだりなどは歴史の勉強にもなって、取り上げやすいと思います。
「ローマの休日」は、授業終了後に取ったアンケートでも特に女性からの希望が多かった映画です。確かに「観光気分」という観点はあまり考えないですね。参考になります。
「サウンドオブミュージック」に関しては、実は「ムーランルージュ」と一緒に実際に取り上げて見ました。最初のシーンから最後まで、色々教材としても使いやすい名画だと思います。
回答ありがとうございました。
○モンスター
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5452/
テーマ 宗教観
なによりも作品がすごいです。特に連続殺人犯シャーリーズ・セロンの鬼気迫る演技は
100年に一度物。文化比較では、日本人には理解しがたい宗教観です。
モンスターは自分の倫理観に従い、殺してもいい人間を仕方なく殺していきますが、
その倫理さえも守れなくなったとき、神に「Forgive me」「Help me」と祈ります。
周囲の友人と話し合ったのですが、そんなことをして許してもらえるなんて思えないし、
許してもらおうとも思わない、ことでした。大方の日本人の意見でしょう。
また、神がモンスターに希望を与えたかわりに何人もの犠牲者が出るわけですが、
そのバランスシートはどうなっているのか。監督もキリスト教徒だと思いますが、
ぜひ質問してみたいものです。
○クラッシュ
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8410/index.html
テーマ 多民族国家と偏見
多民族国家アメリカを感じる上で格好の材料でしょう。英語の方言でその出自が
わかるというのが重要な鍵になっているのですが、字幕ではなんのことやらわかりませんでした。
サンドラ・ブラックが「この映画の問題を自分には無縁だという人は嘘つきだ」と
言ってますが、それはアメリカ人だから普遍的なのではないかと感じました。
日本人にも外国人への偏見はありますが、貧しい白人が「自分たちが苦しいのは
黒人のせいだ」と殺意を抱くほどの激しい憎しみはないと思います。
○エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD36406/index.html
テーマ 訴訟・契約社会
単純に楽しめるコメディです。訴訟社会ならではの笑い。アメリカにはProcess Server
なんて仕事があるんだ、感心しました。
非常に詳しい紹介をしていただいて、とても嬉しいです。特に、やはり去年のアカデミーも取っているクラッシュは、色々な意味で大学で使うに耐える作品だと思いました。人種間差別の問題は、徐々に日本人にとっても「無縁」の問題ではなくなりつつある今、取り上げることに意味があるかもしれません。
エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画は、全然見たことがないのですが、マシュー・ペリーが出ているというのがよさげです。フレンズやアリー・マイ・ラブあたりと合わせてやってみると面白いかもしれないと思いました。
以下の作品は現在のアメリカ社会を映し出す物としての観点から選びました。
これば英語のスペリングコンテスト(spelling bee)のドキュメンタリーです。公式HPはここです。http://www.spellingbee.com/ アメリカのみならず世界各国の子供が競い合うこのコンテストを、出場者のバックグラウンドから追うことで、アメリカに住む人々のさまざまな環境、立場、生活、家族を映し出す良質のドキュメンタリーとなっています。また、スペリングコンテストですので英語の授業にはもってこいですね。(といっても、かなり難易度が高い出題がされていますが。)
コロラド州のコロンバイン高校で起こった生徒による銃乱射事件を契機として、アメリカの銃社会の実情を映し出し、問題を解決してゆこうとする最初の試みのドキュメンタリーです。途中で隣国カナダを取材しアメリカと比較がされていて、米・加の文化比較にもなっています。
ボウリング・フォー・コロンバインは、実は取り上げようとして辞めた作品です。というのも、あまりにも内容がヘヴィで、僕自身が取り上げていいのかと躊躇したためなのですが、こうして紹介していただくと、アメリカの問題を知るにはこの作品がいいのかなと思います。フィクションでは同じテーマを「エレファント」が扱っていましたので、それと絡めて使ってみようかと思っております。
チャレンジ・キッズは、全然知らない作品です。スペリングコンテストなんて、英語教材にぴったりな気がします。是非参考にします。ありがとうございました。
ブライアン・ウィルソンの「37年越しの快作」である「SMILE」
その製作秘話や関係者等の貴重なインタヴューを収録した
「ビューティフル・ドリーマー」はいかがでしょうか?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0009EOZO4/250-5884507-905702...
以下まったく個人的に面白いと感じるテーマです。
1、60年代後期米西海岸のスラング、サイケデリックな風俗
2、ジョージ・マーティンらが語るサージェントペパーズとの比較
(あるいはその比較の是非)
などです。
これは、素晴らしい。ブライアン・ウィルソンというのは、全然考えていませんでした。特にインタビューなどが収録されたビューティフル・ドリーマーとセットで見せられるのがいいですね。講義と言うのは単に映像を流すだけではうまく行かないもので、作り手の「生の声」がほしいと感じることが多いです。インタビューは格好の素材なので、是非参考にさせていただけます。
テーマのご提示も嬉しいです。特に、やはり同時期に活躍したビートルズとの比較と言うのは、今の学生にも興味深いと思います。ありがとうございます。
「比較文化論」とは少し離れてしまいますが、もし現在わたしが大学生なら、「東西冷戦」に関するものを見るということは、大学の講義に期待したいもののひとつです。
映画であれば、『博士の異常な愛情』:
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/Dr.Strangelove.htm
*DVDが入手可能です。
より資料的なものであれば、"Operation Ivy":
http://www.archive.org/details/operation_ivy
*米空軍製作の水爆実験の記録・説明用のフィルム。パブリック・ドメインに入っており(no rights reserved)、上記URLでダウンロード可能です(字幕・スクリプトなしで、聞き取りはかなり難しいと思うのですが・・・)。27分47秒。16分くらいから水爆の発射の場面が始まるのですが、カメラワークも音楽も、まるで「映画」のように見えます(が、これは実際の実験の記録です)。
Internet Archiveの動画のコーナーには、Operation Ivyのほかにもパブリック・ドメインのフィルムが数多く集まっています。わたしが大学の講義で見ていたら忘れないだろうという映像がいくつもあります。
第二次大戦中に日本がアメリカからどう見られていたのかがわかるプロパガンダ映画My Japanは非常に興味深いです。戦時国債の宣伝のために米財務省が製作したフィルムです。「日本を知る者が日本を代弁する」という形式で作られており、冒頭で出てくる語り手は米国人俳優ですが、日本人の特徴(とされていた/されているもの)を模しています。一部、非常にショッキングな映像も含まれていますが、当時の米国人がそのショッキングな場面を見たときにどう感じたのか(「いい気味だ」なのか、「これでもくじけないのか」なのか、など)を考えることは、映像の読み解き方の教材になると思います。字幕はありませんが、スクリプトがShotlistのところに掲載されています。
「電気」という観点から「アメリカの歴史」と「自由」を綴った1952年のFreedom and Power (Part I)、Freedom and Power (Part II)(12分14秒)も教材によさそうです。プロのナレーターが音声を吹き込んでいるので、聞き取りの難易度はそれほど高くないと思います。
また、生活家電の普及促進期の宣伝であるYoung Man's Fancy(14分19秒が2本:GEが製作に関わっているようです)は、要所要所に電化製品が出てくるさまなど、かなり興味深いです。ドラマなので聞き取りはかなり難しいかもしれませんが、Shotlistのところにドラマの内容がかなり詳しく書かれています。(ストーリー自体は単純です。どうやら、1回完結の連続ドラマのエピソードの1つのようですが、「母親」「娘」などの人間関係は、見ればわかります。なぜそれが見ればわかるのか、という点も興味深いテーマだと思います。)
このほか、「知らない人についていってはいけません」という教育用のフィルムDangerous Stranger、アフリカン・アメリカンのコミュニティを取材したPalmour Street(1957年)、1950年ごろ(朝鮮戦争時)の米陸軍の兵士教育ビデオ、Personal Hygiene (Part I)、結婚した女性が「なぜ私が家事を」と憤っているところから始まるWho's Boss?(1950年:スクリプトつき)などいろいろとありますので、よろしければInternet ArchiveのPrelinger Archivesのtag cloudをざっとご覧になってみてください。
Who's Boss?はthe Marriage for Modernsというシリーズものの最終作だそうですが、「映画」としてしっかり作られていますし、「日常会話」に応用できそうなセリフがいくつも入っています。この監督のほかの作品もおもしろそうです。
凄い回答を頂いて恐縮しつつ感謝しています。今、自分で一つ一つダウンロードしつつ見ているのですが、どれもこれも、普通に探していては見られない、実に興味深い映像資料ばかりで、感激しています。特にOperation Ivyは、今の大学生に見せておいてあげたいと強く感じました。キューブリックは後期に取り上げようと予定していたのですが、ご提案いただいたとおりに「博士の異常な愛情」と、このOperation Ivy、あるいはMy Japanなどを組み合わせて、「戦争」をテーマに講義を作れそうです。
即戦力といいますか、そのまま授業に持っていけそうな資料を提示していただいて感謝に耐えません。ありがとうございました。
追加で、いずれも1800円の価値があった映画です。
○LIVE FOREVER
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD34843/index.html
オアシスとブラーの対決を軸とした90年代イギリスのロックシーンを
描いたドキュメンタリーですが、単なる音楽だけでなく、イギリス人の
屈折した反米感情が理解できる気がします。
90年代、ブレア政権とともに登場したクールブリタニア(イギリスは
いけてる)運動は、アメリカ文化席巻への反発と同時に、強者優先の
サッチャリズムの時代に日陰者だった労働者階級が表舞台に躍り出る
契機でもありました。
で、労働階級のオアシスは中産階級のブラーに圧勝します。
ところが、労働党党首のブレアは金持ちだし、オアシスもcommon peepleを
歌ったパルプもみんなセレブになってしまいました。
「嫌・反大人」を訴えて絶大な支持を得た尾崎豊が大人になってしまった
悲劇に通じます。
英国民の大多数がイラク派兵に反対しているにも関わらず、ブレアは
ブッシュに追従しました。反アメリカ文化のヒーローだと信じていた
労働者階級を中心とする英国民はおそらくブレアに裏切られたと感じて
いるのでしょう。
ラブ・アクチュアリーと一緒に見るといいと思います。最初から異質
だった日本人の見るアメリカとは違う、同根から生まれたイギリス人の見る
悔しさとあこがれの混じったアメリカ感が感じ取れると思います。
いまの大学生はオアシス、ブラーの全盛期を知らないかもしれませんが、
ブラーのデーモンがつくったゴリラズはipodのCMで有名ですから興味を
持つのではないでしょうか。
#############
<移民問題でまとめて>
事実上、移民を受け入れていない日本ではほとんど意識することが
ありませんが、英米そのほかの先進国にとって大問題であり、移民の
悲喜劇を扱った映画は無数にあります。最初の4本は、受け入れ側である
英米国内での話。後の3本は英語作品ではありませんが、移民を出す国の
現状を知る上でぜひ合わせて見てほしいと思います。
ついこの間まで小学校で机を並べていた同級生同士が少年兵として
銃を向け合う。そういう悲劇はアメリカを中心とする先進国の繁栄と
表裏一体をなすものです。
そういう現実を見せつけられると生まれながらに日本国籍を持っていることが
いかに偶然の幸運なのかが思い知らされます。
○イン・アメリカ
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD33231/index.html
○スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと
http://movie.goo.ne.jp/dvd/detail/D111724795.html
○堕天使のパスポート
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD34894/index.html
○砂と霧の家
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD34994/index.html
○そして、ひと粒のひかり
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD36362/index.html
○イノセント・ボイス-12歳の戦場-
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8075/index.html
○やさしい嘘
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD34986/index.html
#############
○ヴェロニカ・ゲリン
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD34807/index.html
ジャーナリズムについて深く考えさせられます。パールハーバーなどという
時間と金の無駄映画をつくったのと同じプロデューサーとは信じられません。
特に名女優ケイト・ブランシェットの実在の人物乗り移り状態の演技が出色です。
コリン・ファレルがいかれたチョイ役で出ているのが笑えました。
○サーティーン あの頃欲しかった愛のこと
http://movie.goo.ne.jp/dvd/detail/D111444451.html
ティーンの問題という点ではアメリカも日本も同じようなものという印象です。
しかし、アメリカの13歳は日本の18歳ぐらいに相当しますね。性と犯罪の低年齢化が
5年は先を行っています。
Live Foreverは僕も好きな作品です。まったく同じとはいえないのですが、ちょうどイギリスにおけるサッチャー首相的な役割を果たした人物が、小泉首相であって、95年前後のイギリスの状況は、今の日本の状況に重ねあわせて見ることが出来るのかもしれませんね。普通に「政治」について目を向けさせても、最近の学生さんたちはあまり政治が好きじゃないので、大学の講義では使いづらいのですが、オアシスやブラーを経由することで、あるいは「英国」という他国のフィルターを通すことで、彼らにとって喚起力のあるテーマになりうるかもしれません。ご提案、ありがとうございます。
個人的には、ケイト・ブランシェットが出ているヴェロニカ・ゲリンが面白そうだと思いました。あの人の「乗り移り状態の演技」というのは、「コーヒー・アンド・シガレット」でも見られて、なんだか変な人ですよね。彼女の演技を並べてみて、英語の聞き取りやらせてみたら、学生たちは喜びそうです。
大変参考になりました、ご回答ありがとうございました。
Star Wars I
スター・ワオーズ1
でてくる人間以外のもの(怪物みたいな奴ら)は皆、英語圏以外(日本訛りと思われるところもあった)の訛りで話します。意識的にせよ無意識的にせよ、そこにどんな思想が含まれているのか。
DVDも手に入ります。
この監督は関連商品を作る権利を契約してたのでだいぶ儲かったとか、最初儲からなさそうだったので何部作だかの一番面白いところを作ったとか、この超大作はラスボスの一生を描いたとか、話の種は付きませんが、あまり関係ありませんね。
スター・ウォーズに関しては、あまりにも映画自体が面白いといいますか、英語に耳を向けさせる前に、目が映像を追ってしまうといいますか、そういうことで前期は候補から外したのですが、おっしゃるとおりに「訛り」は確かにありますね。僕自身がそこまで英語の訛りをちゃんと聞き取れるかと言うとそうも言い切れないのですが、ご提案いただいてありがとうございます。参考にさせていただきます。
学生です。比文、英文学の授業はいっぱい取りましたので、その中でいろいろ参考になったものを挙げたいと思います。
言語学の授業で訛りのある英語をたくさん聞いて、目から鱗が落ちるような体験をしました。それまでは、プロパーな英語の発音というものがあり、そのように発音しないとかっこ悪くてダサいので英語を話すことを躊躇してしまう、ということが多々ありました(私はおしゃべりな性格ですが、プライドのようなものがあったので人前で英語を話すことに抵抗感がありました)。
導入として。言語学の入門によく見せられたのがこのオードリーのコックニーでした。
トレインスポッティング DTSスペシャル・エディション 〈初回限定生産〉 [DVD]
スコットランドの若者を描く『トレインスポッティング』は、アカデミーにノミネートされたとき「何を言っているかわからないから外国語映画賞でいいんじゃないか」とまで言われたスコッツが特徴です。主演はあのユアン・マクレガーだし、ドラッグなどの問題も切実と言うよりはコミカルに描かれているのがクールで若者受けするんじゃないでしょうか。日本人にはなかなかイングランド、スコットランド、ウェールズなどの区分が分かりづらく、実はこの映画の中でもイングランドと言う言葉が「英国」と訳されており(ユアンが「人々はイングランドを憎んでいるがこの国はイングランド以下だ」というようなことを口にする)、U.K.ならではの帰属意識の複雑さを感じることが出来ます。現在、コリン・ファレルなどスコッツの役者が活躍していますが、その点と絡めても面白そうです。
これはモーガン・フリーマンの黒人英語が見られるのが良いです。まあ今の黒人英語とはちょっと違っていると思いますが……。黒人英語の文法は軽く眺めた程度なのですが、過去完了などを上手くつかってむしろ元々の英語より表現域が広いことに驚きました。
上記2作品と絡めて、学生の興味ありそうなものを。デトロイトの低賃金労働者が、昼休みにラップ合戦をするとか、最後の白人ラッパーとしてのエミネムとか、見所がいくつかあり、授業用に良いかもしれません。
アジアの英語も面白いです。学生に喋る勇気と良いモデルを与えてくれます。シンガポールの映画なども良いと思うのですが、あいにくタイトルを失念してしまって。。。ということで、ベタすぎて逆に新鮮だろうと『ラスト・サムライ』を推します。トム・クルーズは最近奇行で話題ですが、この映画自体はトンデモではなく、むしろ真摯に作られたものだと思います。個人的には渡辺謙の英語はありだと思っています。発音よりイントネーションに力を入れれば耳ざわりが良いことなど、学ぶ点が多くありました。
これまた、素晴らしい回答を頂いて大変ありがたいです。訛りというのは扱いが難しくて、英語の導入クラスの題材としては躊躇するものなのですが、マイ・フェア・レディとラストサムライというのは、目から鱗のご指摘でした。ここで示していただいた映画の一覧で、「各国の訛りのあり方」という感じで特集が組めそうで、とても楽しそうです。僕としても授業のやりがいがありそうです。参考にさせていただきます。とてもいいご提案を頂いてありがたとうございます。
皆さん、ご回答いただいてありがとうございました。質問者の都合で、明日からしばらくネットが使えなくなりますので、この辺で質問を打ち切らせていただきます。大変ためになるご提案をいただき、助かりました。後期の授業に、早速使わせていただきこうと思います。
凄い回答を頂いて恐縮しつつ感謝しています。今、自分で一つ一つダウンロードしつつ見ているのですが、どれもこれも、普通に探していては見られない、実に興味深い映像資料ばかりで、感激しています。特にOperation Ivyは、今の大学生に見せておいてあげたいと強く感じました。キューブリックは後期に取り上げようと予定していたのですが、ご提案いただいたとおりに「博士の異常な愛情」と、このOperation Ivy、あるいはMy Japanなどを組み合わせて、「戦争」をテーマに講義を作れそうです。
即戦力といいますか、そのまま授業に持っていけそうな資料を提示していただいて感謝に耐えません。ありがとうございました。