なぜ企業(およびその経営者)は自社の株価に執着するのでしょうか?
株価は市場での取引価格であり、一旦発行して資金調達を終えてしまえば直接企業の経営に関係ないような気がするのですが。
たしかに株価が高ければ将来資金調達しやすいというメリットがあるのは理解できますが、借り入れや社債発行などの手段も頻繁にとられていますし、ROEなどの株主目線の指標の向上に血道をあげているのはちょっとピンとこないものがあります。
初歩的な質問で恐縮ですがどなたが教えてください。
ありがとうございます。
投資家サイドは企業をこう見てるんですね。
2つの面で気にします。
1.経営者の能力評価
2.実利的な自分の資産価値評価に直結。
株価は経営者の評価に直結します。高い株価を維持できるのは優れた経営者であること、すなわち優れた企業であることを投資家が認めていることになります。
また、評価だけでなく実利としての意味があります。
サラリーマン経営者と、多量の株式を所有するオーナー経営者とでは若干の違いが有るかもしれませんが、高い株価は自分の資産の増加ですから 気なりますね。
ありがとうございます。
経営者の能力評価が株価に反映されるという考え方はだいぶん浸透しているんですね。その辺の感覚が乏しかったのかもしれません。
直接企業の経営に関係ない、というのはその通りといえばその通りなのですが、上場企業にとって株価はわかりやすい指標ですので、外部からの評価の指針にされやすく、株価が低いと何か問題がある企業だとみなされて事業がやりにくくなったりする可能性があります。
また、投資家は値上がり益を重視する人も多く、株価が下がると株主総会で厳しい批判にさらされることになりますから経営者としては株価が低いのは避けたいと思うようになります。
ありがとうございます。
過去にほとんど同じ質問をされてる方がいるんですね。事前に見とくべきでした(笑)
たしかに株価は売上高などと同様にぱっとみてわかる指標ですね。
資金調達以外でも、一般的には株価=企業の価値、経営者の評価ということになります。
また、株価が暴落して安値になりますと、手元に保有している株資産の価値が減るだけでなく、
毎年行われる株の配当額も下がり、会社の評価価値が下がるだけでなく、
オーナー経営者で主要株主でもある場合は、オーナーや株主への株の配当金が減り、
雇われ経営者の場合は、株主総会で配当金の減った株主から解雇されるおそれさえも出てきます。
株価の下がった企業は買い叩かれたり、乗っ取られるおそれさえも出てきます。
ありがとうございます。
たしかに株価下落は買収されるリスクも増大しますね。さらに下がりすぎると経営者解雇につながるかもしれないわけですね。
上場の際にすべての株式を売却して市場に放出してしまえば、確かに気にする必要はないかもしれません。
しかし現実には「株」=「その企業の経営権」なので、全てを市場に放出してしまうと、会社の役員や社員は、社長も含めて、
全て株主総会で、言いなりにならなければならなくなってしまいます。
なので、通常は何%かは自社で持っていないといけません。
自社で株を持つということは、当然。その株は資産の部に計上されます。
リーマンショックまでは、時価会計が世界の主流だったので、もし保有してる株の株価が下がったら、決算報告の時に損失として計上しなければなりません(それが時価会計のルールなので)
自分の会社の株価が全体で5億下がると、5億の損失を計上しなければならないのです。困りますよね。
それに株価が下がるという事は、それだけ安く株を買い集められることになるので、乗っ取りの危険性も高まるのです。
ライバル会社に格安で自社の株を買われてしまっては大変な事になってしまいます。
それを防ぐ意味でも、株価は高い方がいいのです。
しかし
自社の株価を全く気にする必要のない会社も存在します。
サイバーダインというロボットスーツを作っている会社なのですが、
日本で初めて無議決権株式で24億円以上もの資金を集めました。
こういった会社は、過去に例のないものですが、これならば、質問者さんのいうとおり、自社の株価に執着する必要はまったく無くなります。
議決権がないので、例えばホリエモンが100%の株式を取得しても、会社の経営には一切口を出せないのです。
また、会社としては、資産の部に株式として、ではなく、現金として持っておくことができます。
つまり、株価がどう変動しても、もうその会社には何の影響もないのです。
ありがとうございます。
企業が自社株を持っていて、株価が下がると損失が出るというお話はよく分かりました。
ただ、無議決権株式については議決権がないのであれば、投資家としてはより株価に注目するため(配当やキャピタルゲイン目当ての株式保有ということですよね)経営者はより株価に執着する必要が出てくるのではないでしょうか。
株主は、株価が上がった方がうれしいじゃないですか。自分の資産増えるわけですし。
経営者は、株主に選ばれて雇われているので、株価上げるのが仕事になります。ダメなら株主にクビにされる。
経営者が自分で株を持っていれば、当然株価上がるとうれしいです。
ご質問の件は、株の持ち合いで、もうオーナーが誰なんだか分からない状態の会社(多い)にはあてはまりますね。
その手の会社は、経営を続けていく上で確かに株価を上げる必要は直接的にはあまりないでしょう。実際ほとんど気にしていなそうな会社も多いです。稼ぎは経営陣と社員で山分けしちゃって利益はちょっと残すだけな会社。
でも、本当に気にしないで株価が下がっていくと今度は株が買い集められて、新しい株主が新しい経営者を連れてきて、今の経営者がクビになると言う展開もありうるので、やはり経営者としては株価は気になるでしょう。
ありがとうございます。
株をだれが保有してるかも重要なんですね。株の持ち合いというのもそういう意味では経営者にメリットがあるんですね。(デメリットも大きく解消の動きが進んだのでしょうが)。
ありがとうございます。
なるほど。それが彼らへのインセンティブになってるんですね。