例えるなら、「家の鍵を開けておいたら泥棒に入られた。そしたら鍵をかけなかったことを皆から責められた。泥棒を探して懲らしめよう!と言う人はいなかった」という感じでしょうか。
無用心も良くないが、泥棒はもっと悪いはず。なぜ「セキュリティを犯すヤツらを許さない」ではなく、「セキュリティ対策をしないヤツらを許さない」という方向に行くのか、不思議です。
現実的に考えて、数多くの「被害者予備軍」が対策を講じるよりも、圧倒的に数が少ない「犯罪者」を捕まえるほうが効率がいいはず。
あらゆるセキュリティ問題について、日本中の企業やサイト運営者がその対策に費やす労力・コストの総計を考えると、膨大で気が遠くなります。それらの対策コスト総計の1/10000でもあれば余裕で犯罪者を捕まえるための原資に充てられるのでは? すなわち社会全体で見て「節約」につながると思うのです。
これについてどう思われますか。
概ね、おっしゃる通りだと思います。
ただ家の鍵の比喩で言いますと、現実の家はドアや窓など施錠箇所はそう多くはないし、施錠方法は極めて簡単です。一方、サーバに鍵をかけるには無数と言っていいくらい気にするポイントがたくさんありますし、常に状況に応じて鍵を新しくしなければならなかったり、そもそも鍵のかけ方からして難しかったり。そういう意味では家の鍵に例えるのは適切でなかったかもしれません。
そういう重責を担っているサーバ管理者さんは、割に合わない仕事だろうな~と客観的に思えてしまいまして。
で、全体として私が強調したかったことは、「鍵を開けておいてもいいでしょ」ということではなく、やたらサーバ管理者の不備を批判する論調はよく見かけるのに、その逆に泥棒(と、それを取り締まるはずの公的機関)を批判する論調や取り組みがあまりにも目に見えない、という点です。
ネット上でそこそこ以上にコンピュータ技術・ネット技術に詳しい人たちの特徴として、「自分より弱い者」に対してはやたら攻撃的なくせに、「自分より強い者」には圧倒的に弱気な感じがします。
前者の例で言えば、(不完全な)サーバ管理者・(些細な)悪事を犯した企業・(さまざまな理由で)ネットウォッチされている個人・不用意な発言をした芸能人etc.。こうした対象には、凄まじい攻撃をする。
一方で、たとえばヤ●ザとか大企業の巨悪とかには誰も反応しない。
無関心なのか、報復を恐れているのか。
例を出すと、ネット上で祭られている個人がいるとします。それがもし大企業の社員で、Winny流出事件とか起こせば、ここぞとばかりに叩きまくり、個人情報を調べあげて晒したり、スネークしたりする人も発生しますよね。それがもし、大企業の社員じゃなくてヤ●ザの幹部だったとしたら? 同じことをするネット住民がどれだけいるのか疑問です。
あと、どうでもいい零細企業等のどうでもいい悪事(とまで言えないようなものまで含む)をやたら取り上げて「営利企業なのにけしからん!」とか晒し者にするくせに、大企業や政治家・公的機関等の巨悪に切り込もうとする人はほとんどいない。
倖田來未の羊水発言を叩いていた人たちも同じ穴の狢に見える。
要するに私が言いたいのは、やたら正義や建前の義務(鯖管理者の責務とか)をふりかざして他者を攻撃している人が多いけれど、それって要するに「叩きやすい相手だけを選んで叩いて、歪んだ正義感のカタルシスを得てるだけなんじゃないの?」ってことなんです。
一方で、たとえばヤ●ザとか大企業の巨悪とかには誰も反応しない。
インターネット上で巨悪と呼ばれるような存在は殆ど存在しない。
また存在していても、大きく噂にになってはいない。
可能であれば相応に対応しているし、そういう事をしでかさないような方法論は常に考えられている。
私は「業界の人間から見た事実」(少なくとも自分にはそう見える事象)を語っているのだが
貴方の主張の根拠は何ですか?
それって要するに「叩きやすい相手だけを選んで叩いて、歪んだ正義感のカタルシスを得てるだけなんじゃないの?」
私はそう書いています。
>私はそう書いています。
はい、それは理解しております。
最初の8行より以降はコピペで皆さんに返答している部分なのですみません。
また、私はネット上の出来事だけを指しておりません。
というか、ネットと現実は切り離せるものではなく、現実の人間がネット上にいるだけですので。ですから巨悪というのは現実世界の巨悪を指します。
その他おっしゃっていることは意味がわかりかねます。
私の理解力が低くてすみません。
「治安の悪いとわかっている場所(例えば新宿歌舞伎町?)で店の入り口に鍵が無く、夜は店員が全員帰るようなことを毎日続けていて、ある日泥棒に入られた」
ぐらいが妥当な表現だ。
インターネット上に閑静な住宅街などという環境は存在せず、等しく攻撃対象とされる(そして周りの目を気にする必要は全く無い)という前提条件を忘れているようだ。
また、「犯罪者」を擁護するような発言をするやつはほぼいない。
ではなぜ「被害者」ばかりが取りざたされるのか?
一つは「犯罪者」が悪いということが当たり前すぎるぐらい当たり前なので話題にもならないだけというのはあるだろう。
あなたの例えならそうなるんでしょうね。
が、インターネット上ではそうではない。比較論としては確かに数は少ないでしょう。
しかし実態としてはインターネット上では物理的・地理的な障壁は全く無い。
「犯罪者」および「犯罪者予備軍」の対象は常に「日本全国」および「全世界」がに存在する。
その絶対数自体を考えてみて欲しい。本当に対処可能ですか?
そして「犯罪者」となるには特別な技術や道具など何も必要ない。
そういうツール(または情報)を配布しているところに行けばいくらでも入手できる物ばかりなのです。
現実世界のセキュリティと比較するには状況が違いすぎる。
極論すればあなたもわたしも「犯罪者予備軍」とみなせるだけの状況なのです。
まったく吊り合わない。理由は上記の通り。
あなたがこれから家を建てる、もしくは店舗を構築するときに
そんな建築屋がいたらどう思いますか?多くの「批判されているシステム屋」というのはそういうことをしでかしているのです。
インターネットという物が正しく理解されずらいだけで、現実的にはこういう例えのほうが近いのです。
繰り返しになりますが、「セキュリティを犯すヤツらを許さない」というのは当然の発想です。
しかし当然過ぎるために話題に上ることもないし、議論にもならない。
何より法整備が遅れているためにこれを取り締まるすべも無い。(ついでに言うと警察などの機関の知識も無さ過ぎる)
つまり「泥棒」と「警察」のレベル差が有りすぎて勝負にならない。
加えて相対的には少ないものの、絶対量としては捕らえきれないほどの量。
全くとは言わないものの手の打ちようが無い(追いつかない)のが実情です。
また、「セキュリティ対策をしないヤツらを許さない」というのは確かに行き過ぎた言動であるケースもあるでしょう。
しかし批判の対象となっている物の多くは、「玄関に鍵をつけることすらしない」といった防犯の基本中の基本すら用意しない
ケースが多いのです。
それでも批判されて当然とは言いません。あくまで悪いのは「泥棒」の方ですからね。
ただ、普通の人からすれば得体の知れない「泥棒」より、「セコムが役に立たなかった」方が話題になるじゃないですか。
あなたの感じた感情はおそらく正しいものです。世間の言論に惑わされず自信を持っても良いでしょう。
しかしその例として出した「例え」と「対策」は全く現実的ではない。
そして残念ながら「犯罪者を捕まえる」為の効率的な方法は今は存在していない。
そういう方法が見つかるまでは今のままとなってしまうでしょうね。