テーマ:お題に沿ったショトストリ
ルール
・新規ツリーでお題を出してください。
・回答はそれにぶら下げてください。4,5行程度が望ましい。
・自作自演(自分でお題だして、そのショトストリ回答)あり。
「ただいまぁ」
息子が帰ってきた。いつものごとく、バタバタと部屋へ駆け込む。と、いつもと違って、バタバタが部屋からキッチンへ飛び込んできた。
「なんかいる。へんなのが」
真剣な表情の小学2年生が、私を見上げる。いつものいたずら坊主はどこかに消えてしまっている。
「部屋に、緑色の怪獣がいるんだよ」
私は果物ナイフを持って、息子と部屋に行った。そおっとドアをあける。
なにもいない。
「あれぇ、ここにいたよ」
と息子は、椅子に手をかけた。と、その横の学習デスクの上で、何かが動いた。まるで、デスクから木の塊が生まれ出てきたみたいに。
「うわー」
その場で尻もちをつく息子。笑いだす私。
「ママ、何笑ってるの?こいつ、怪獣じゃないの?」
息子の足元に、茶色の塊が蠢いている。ゆっくりと動き出すそれは、超小型の怪獣の様だ。
「カメレオンだわ、それ」
「カメレオン?」
「とかげみたいなのよ。よくわからないけど、人は食べないわ」
息子は安心したようだ。普通の勉強部屋の真ん中に、薄い茶色の怪獣が一匹。変な光景。
警察に連絡すると、近くの人のペットだという。すぐに迎えが来ると。
「目が変だよ。ゆっくり動くし」
息子は興味津津。しかし、すぐに迎えが来る。
「あーあ、もう、いなくなっちゃった。」
ちょっとしだ騒ぎも、一瞬で収まる。「爬虫類もかわいいわね。」と思わせる、そんな日常の中の非日常の出来事でした。
私は今、実家で両親と歳の離れた妹・由美と4人暮らしだ。
今日は訳あって従妹の優が来ている。
優は長らくこちらに顔を見せていなかった。本当に、消えたのは突然だった。
「変身前の優」が消えた時は、私たちにとって日常を一つ失うことに等しかった。
そして3年前、これもまた突然、「変身」して私たちの前に現れた。
ちなみに妹の由美は、「変身後の優」しか文字通り知らない。
この「変身後の優」に何度助けられた事か……もしかしたら「彼女」は、私たちの守り神様なのかも知れない。
「あれ、由美は?」「お風呂でしょ?」
確か今お風呂には優が入っている筈……私は思わず立ち上がり風呂場へ向かった。
(ガラッ)
「きゃぁっ!」
由美が、目の前で甲高い声を響かせた。
「そんなに叫ばなくても良いじゃないの!」と言う私に、由美は固まる。
「だって、優ちゃんとお風呂入ろうって……」「もうそんな歳じゃないでしょ、いつも一人で入ってるじゃん!」
「でも……でもさ、」尚も由美がぐずる所に、タオルを巻いた優が出てきた。
「あ、ごめんね。由美ちゃんも、そういうことだから一人ずつ順番に入ろ、ね?」「……わかった」
由美は渋々であるが風呂場を後にした。そして一人お風呂に入りなおす優。「これで……良いんだよね」私は小さく呟いた。
「あのまま一緒に入ったら、由美の夢を壊しちゃうもんね」
「お姉ちゃん!あたし、おちんちん欲しい!!」
「今更何言ってるの?そんな事は言わないって、とっくの昔に約束したじゃん!?」
「あたし、優ちゃんみたいになりたいの!優ちゃんには、おちんちんついてるって分かったから、あたしも……!!」
「見た……のね…………」
家にやって来た非日常