【リアルの謎解き・歌詞解釈・さだまさし「つゆのあとさき」の謎】

1977年に発表された、さだまさし「つゆのあとさき」の歌詞は以下です。
http://goo.gl/gaktKO

歌詞からは3月の卒業シーズンがイメージされるのですが、歌詞の最後で
「つゆのあとさきの トパーズ色の風は
 遠ざかる 君のあとを かけぬける」と、
突然、梅雨の前後になります。なぜでしょうか?

同じ疑問は、他の質問掲示板にもありました。
http://goo.gl/92Mbxs

「さだまさしのミス」説や、「梅雨とは菜種梅雨のことだ」説、「タイトルは永井荷風の小説からもらったもので、さだまさしは『檸檬』など、他にも小説からタイトルをもらうことがあり、歌詞に強い関連はない」説もあるようです。

「この歌詞には合理的な説明がつく」という仮定の下で、自分なりの答えも用意いたしました。皆様の解釈と合致するか、自分以上の回答があるか、たいへん興味があります。

回答は1/2(金) 21:00-21:59にお願いします。こちらの想定する答えは22:00以降に発表します。
よろしくお願いいたします。

回答の条件
  • 1人1回まで
  • 登録:
  • 終了:2015/01/02 22:01:49
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。
id:lionfan2

すみません、

http://q.hatena.ne.jp/1419522502

で同じ質問をしていたのですが、締切が長すぎて、うっかり自動キャンセルされてしまいました。

まったく同じ質問を新たに立てました、回答はこちらに!!

ベストアンサー

id:hacosato No.4

回答回数34ベストアンサー獲得回数18

ポイント250pt

「新年早々、またわからない歌詞なのぉ?」
「いや俺、ちゃんと自分で考えたんだよ。けどわかんないんだって。だからちょっと、ヒントもらおうと思って!」
「本気でむずいの? 私が一瞬で読めたらどうする? 誕プレ買ってくれる?」
「おけ! 今回のはヤバいから。コレだよよろしく!」
「さだまさし? 読んだことないけど貸して~。『つゆのあとさき』っていうのね。えっとね…」
「おう!」
「読めたよ!!」
「嘘つけ! ホントかよ」
「ホントだって。これ別にむずくないじゃん! 話を聞こうか、何が疑問点だったの?」
「わかりました。ご説明しましょう!
「なんで偉そうなの…」

[論点整理編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「歌詞の1行目を引用したよ。この部分だけ見ると、この歌詞の舞台は卒業のシーズンだって思うじゃん? つまりふつうは?」
「3月だと思うわね」
「でしょ? ところが…」

梅雨のあとさきの トパーズ色の風は

「4連なんだけど、この部分だけ見ると、梅雨の時期が舞台になってる感じするよ」
「つまり、ふつうは6月か7月だって言いたいのね」
「それな。さっきは3月だったのに、今度は初夏になったじゃん? おかしくね? 歌詞の中で、そう何度も何度も時間が切り替わることないよね?」
「そうねぇ、気持ちはわからなくもないけど…。現にid:lionfan2さんのお悩みは、そういうことだろうと拝察するのですし」
「だろ! この苦境をどう乗り切るわけ?」

「あのね、私はこの歌詞の舞台、初夏だと思うの」
「3月説を捨てるんだな。でもなんで?」
「だって、曲のタイトルが『つゆのあとさき』だから。
タイトルに「つゆ」と書いてあるのなら、ふつうは梅雨の時期の曲だよ」
「でもさ、おかしくね? 俺の話聞いてた?」
「あのね、タイトルにはそれだけ強い力があーるーの。
1連を卒業の3月だと思うのは、今回は違うと思うよ。この曲は、卒業式だと思うといろいろと変なの。ご説明しましょう!
「聞く!」

[回答考え編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「1連を再度引用したよ。よく見ると、この部分はただの卒業式ではないよね。『今日は君の卒業式』と書いてあるよね」
「それが?」
「わざわざ『君の』と書くのは、なんか少し怪しい感じがするよ。書かなくていいことは、普通はわざわざ書かないから
「そうかな…」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「次。『僕の扉』というのも変だよ。卒業といったらふつうは学校を出ることになると思うけど、学校にはふつう「僕の扉」と言えるようなものはないからね」
「異議アリ!この曲の主人公が無生物だったらイケる! 主人公=体育館、とか!」
「それだと他の部分と整合性がとれないじゃん。だって直後に『僕の掌に』とか出てくるんだよ体育館の掌とかおかしいでしょ」
「あ、じゃあ、主人公が校長先生とかだったら?」
「そ、それは、道ならぬ恋すぎる…。だいたいそれだと二人の関係が親しすぎて、不自然でしょ。生徒が校長先生の掌に指でなんか書くのかよ! なんだその微エロ謎シチュエーション…」
「言われてみれば…」

さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて

「この部分が一番おかしいよね?卒業証書を『さよならと僕が書いた』なんて形容するの変じゃない?」
「いやでも主人公が校長先生だったら…」
「そう思いたい人は勝手にやっててください~」

折からの風に少し 心のかわりに髪揺らして

「ほ、ほら、この部分は別に変じゃない! ふつうの卒業式に見える!」
「卒業式として変じゃない部分をいくら取り出しても、それが卒業式である証拠にはならないよ?」
「うぐ…」
「しかも、卒業式はふつう体育館でやるけど、体育館は屋内だから『折からの風』は吹かないよ?」
「うぐぐ…」

「じゃ、この曲はなにを歌った曲だっていうの?」
「知りたい?」
「もちろん」
結婚よ
「け、結婚??」

今回の主人公はお父さんで、「君」は娘さん。この曲は結婚の前日とかに、娘さんを送り出すお父さんを描いた曲だと思うの。もう一度1連から見直してみる?」

[結婚編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「結婚式を翌日に控えた娘が、父親と一緒に最後の日を過ごしている感じを想像して」
「ああ、だから明日から『一人歩きを始める』って表現になるのか」
「実際には旦那さんとふたり歩きだけどね。お父さんには関係ないのね」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「さっきわからなかった「僕の扉」も、これならわかるね」
「お父さんといっしょに住んでいた家の扉を開ける感じか。実家を出て自立する感じが出るね」
「えへへ~」

さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて

「たぶん、家を出るにあたって、卒業式に見立てたお遊びをしたんだと思うんだよね。結婚式当日に、花嫁から家族に感謝の手紙を読み上げる定番があるでしょ? それの逆をやったんだと思うの」
「『さよなら』としか書かないの冷たいね。お父さんの照れ隠しかな」

折からの風に少し 心のかわりに髪揺らして

「あと、結婚式って花嫁は髪を伸ばすことが多いじゃん? 風に髪が揺れるのは髪が長い証だし、髪が長いのはオトナの証かもしれないよね」
「なるほどさすが女子目線…」

「だいたいわかった! 結婚式だと思うと確かにいい感じだ」
「どう? このときの『君』のシチュエーションはわかったでしょ?」
「結婚式が間近なんだよね?」
「そ。でもね、この歌詞は多分これだけじゃないの」
「どういうこと?」
「このときの、主人公のほうのシチュエーションは、どうだと思う?」
「どうって…? 娘がいなくなって、さびしいんじゃない?」
「それだけ?」
「ほかにあるの?」

[病床編]
私、主人公、つまりお父さんさ、病床にいると思うんだけど、どうかな?
「え…えっ?」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「1連の2行め。なんか思うことない?」
「あ、「僕の扉」って…もしかして、個室? 入院病棟の?」
「そうそう。『すこしだけ泪をちらして』の理由もわかった?」
「あ、娘さんは、お見舞いに来たのか。
「そう。お父さんは、体調が悪くて、結婚式に参加できないのよ」

「その説、ほかにも根拠ある?」
「いっぱいあるよ~。娘に結婚してもらいたいとき、親はなんて言う? ほらよく言うじゃない、娘の◯◯姿が見たい、って」
「花嫁姿?」
「せいかい~! でも、この歌詞を見て。花嫁姿、出てくる?」
「出てこないね」
「そうなの! 衣服のことってこの歌詞の中では1ヶ所しか出てこないのよね」

君に確かなことは もう制服はいらない

「ここの部分。主人公の混濁する意識が映ってる感じするよね」
「そうかも」
「お父さんは、花嫁姿を見ることができないって知っているのよ。あと、それに近い表現でいったら」

僕の掌に指で 君が書いた記念写真

「この部分もあるけど、やっぱりなんか変。だってここでは、写真は撮影するんじゃなくて、掌に指で描くのよ」
「病床にいる惨めな老人を写すしかなくなってしまうから?」
「そうね。それか、お父さんは病気の影響で目がよく見えなくなってしまって、手で触れ合う以外に空間を伝えることができないか、どちらかね」
「なる」

「だいたいわかった?」
「そうだね。なんか、すごく納得いった!」
「じゃ、もうタイトルも謎じゃないよね? どうして結婚式が『つゆ』なんだと思う?」
「あ! ジューンブライド!!」
「正解! よくできました☆」

「さて」
「ぎく…」
「明日は1月3日ねぇ。私の誕生日は、いつだったかな…?」
「も、もうすぐだったよね…」

「そうよ! あ、じゃ、私に歌詞読みグッズ買って! えっとね、書見台と、メモ帳と、類語辞書と…」
「ま、待て! このほとばしる女子力のなさ…!!」



今回はこんな感じで、考える時間はほぼゼロで済みました(褒めて!)が、
回答を書く時間がなくて大変でした…。
今年もよろしくお願いします!
ちなみに、私の誕生日は9日ですので、あわせてよろしくお願いします!!(ぇ)

id:lionfan2

hacosato様、いつも斬新な回答ありがとうございます。本当に楽しいです!!
さて、hacosato様説は、今のところ自分の想定回答にいちばん近いです・・・そしてぜんぜん違います。
それは自分の回答を読んでいただければと思います。
1月9日の誕生日、素晴らしいですね!! ハッピーバースデーの言葉をお送りいたします。

またプレゼントとして「初代・歌詞読み名人」の称号を授けます。
ご自分のサイト「5日と20日は歌詞と遊ぼう。」
http://hacosato.hatenablog.com/ で名乗ってOKです。おめでとうございます!!

2015/01/02 22:01:11

その他の回答3件)

id:xnissy No.1

回答回数1029ベストアンサー獲得回数203

ポイント50pt

「一人歩きを始める」「卒業式」「卒業証書」といった歌詞からは、確かに3月の卒業シーズンがイメージされるかもしれません。また、「花びらの中」というのも、桜の花を連想するかもしれません。

ただ、この「一人歩きを始める」「卒業式」「卒業証書」というのは、比喩です。歌詞をよく読むと、「一人歩きを始める」「卒業式」というのは、「僕の扉を開けて」とあることから、「僕」から卒業して一人立ちをするということを表現しています。「卒業証書」というのも、学校でもらう卒業証書ではなく、「さよならと僕が書いた」ものです。

従って、季節は3月の卒業シーズンである必然性はありません。「梅雨のあとさき」と書かれている以上、季節は梅雨の前後の時期。特に学校の卒業とは関係なく、単純に男女の別れを歌った歌だと思います。

id:lionfan2

xnissy様、最初の回答、ありがとうございます。

この歌詞の「卒業式」は現実の卒業式ではない説、了解です!!

2015/01/02 22:00:13
id:MIYADO No.2

回答回数1075ベストアンサー獲得回数196

ポイント100pt

明けましておめでとうございます。

色気のない解釈ですが、説明はつけられます。

「君」が卒業するのは学校ではなく職業訓練。公式には卒業ではなく修了かもしれないが、通称としてはおかしくない。それで3月でなくてもおかしくはないし、化粧にも不自然さはない。制服というのは作業服的な意味合いが強いもの。本来であれば修了後も作業服として仕事で着用するものだが、「君」は何らかの理由で全く別な道を歩むことになったものの、とにかく修了だけはしておくことにしたので、卒業と呼んだ方が実態にそぐうし、制服は要らなくなる。

もっと色気のない解釈を進めるなら、「君」は実在の人物で実は男だが、「君」が誰なのかを特定されるのを防ぐために、あたかも女のような描写をした。

しかし、おそらくさだまさしの意図はそうではないでしょうね。昔は現実の恋愛に歌が必要でしたが、今は必要なくなったため、架空の恋愛の歌が歌われるようになり、これも架空でしょう。それで、プライバシー尊重上のぼかしは必要ないものの、露骨な表現を避けるために隠喩だらけにしたために意味不明になってしまったが、さだまさし自身が作詞・作曲して自分で歌ったため、誰にも指摘されずに公開されてしまったものと思います。

id:lionfan2

みやど様、いつも回答、ありがとうございます。
たしかに散文的で色気のない解釈ですが、合理的ですね。
大歓迎です。後半の説も、たいへん斬新でした!

2015/01/02 22:00:28
id:takejin No.3

回答回数1543ベストアンサー獲得回数203

ポイント75pt

1 語り部があげた卒業証書 → 学校の卒業ではないことを示す。
2 卒業に含まれる意味 → 別れ
3 つゆのあとさき → つゆは彼女の涙、あとさきは、その涙の前後を指す。つまり、別れの前後の心境の変化を示す。
4 トパーズ色の風 → 別れたのちの彼女は、宝石とも見まごう風に背中を押されるように、自由になったのだ。
5 花びら → 僕が彼女から受けた印象が、ただ美しい花だっただけ。

全ては、季節とは別に存在し、男女の別れを示しているに過ぎない。




「他に好きな人がいるの」
そんなことはわかっていた。
「ごめんなさい。これからひとりになっちゃうね」
この美しい瞳に浮かぶものは、悲しみの涙なのだろうか。
「いや、君が幸せなら、僕はそれでいい」
「ありがと。あなたも、幸せになってね」
最後に君が振った手の爪は、見たこともない鮮やかな色になっていた。
君は、僕を卒業して、別の世界へ新しいパートナーと進んでいくのだろう。
出会ったときの百合のような君も、バラのような今の君も、素敵な女性なのは間違いない。
もうさっきの涙は乾いてしまっているのだろう。
僕のわきを抜けていく風が、君の背中を押すときには。


幸せになれよ。

id:lionfan2

takejin様、いつも回答有り難うございます。
takejin様も 歌詞の「卒業式」は現実の卒業式ではない 説ですね。了解です!!
実は自分の答えもその説に基づいています。

2015/01/02 22:00:54
id:hacosato No.4

回答回数34ベストアンサー獲得回数18ここでベストアンサー

ポイント250pt

「新年早々、またわからない歌詞なのぉ?」
「いや俺、ちゃんと自分で考えたんだよ。けどわかんないんだって。だからちょっと、ヒントもらおうと思って!」
「本気でむずいの? 私が一瞬で読めたらどうする? 誕プレ買ってくれる?」
「おけ! 今回のはヤバいから。コレだよよろしく!」
「さだまさし? 読んだことないけど貸して~。『つゆのあとさき』っていうのね。えっとね…」
「おう!」
「読めたよ!!」
「嘘つけ! ホントかよ」
「ホントだって。これ別にむずくないじゃん! 話を聞こうか、何が疑問点だったの?」
「わかりました。ご説明しましょう!
「なんで偉そうなの…」

[論点整理編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「歌詞の1行目を引用したよ。この部分だけ見ると、この歌詞の舞台は卒業のシーズンだって思うじゃん? つまりふつうは?」
「3月だと思うわね」
「でしょ? ところが…」

梅雨のあとさきの トパーズ色の風は

「4連なんだけど、この部分だけ見ると、梅雨の時期が舞台になってる感じするよ」
「つまり、ふつうは6月か7月だって言いたいのね」
「それな。さっきは3月だったのに、今度は初夏になったじゃん? おかしくね? 歌詞の中で、そう何度も何度も時間が切り替わることないよね?」
「そうねぇ、気持ちはわからなくもないけど…。現にid:lionfan2さんのお悩みは、そういうことだろうと拝察するのですし」
「だろ! この苦境をどう乗り切るわけ?」

「あのね、私はこの歌詞の舞台、初夏だと思うの」
「3月説を捨てるんだな。でもなんで?」
「だって、曲のタイトルが『つゆのあとさき』だから。
タイトルに「つゆ」と書いてあるのなら、ふつうは梅雨の時期の曲だよ」
「でもさ、おかしくね? 俺の話聞いてた?」
「あのね、タイトルにはそれだけ強い力があーるーの。
1連を卒業の3月だと思うのは、今回は違うと思うよ。この曲は、卒業式だと思うといろいろと変なの。ご説明しましょう!
「聞く!」

[回答考え編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「1連を再度引用したよ。よく見ると、この部分はただの卒業式ではないよね。『今日は君の卒業式』と書いてあるよね」
「それが?」
「わざわざ『君の』と書くのは、なんか少し怪しい感じがするよ。書かなくていいことは、普通はわざわざ書かないから
「そうかな…」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「次。『僕の扉』というのも変だよ。卒業といったらふつうは学校を出ることになると思うけど、学校にはふつう「僕の扉」と言えるようなものはないからね」
「異議アリ!この曲の主人公が無生物だったらイケる! 主人公=体育館、とか!」
「それだと他の部分と整合性がとれないじゃん。だって直後に『僕の掌に』とか出てくるんだよ体育館の掌とかおかしいでしょ」
「あ、じゃあ、主人公が校長先生とかだったら?」
「そ、それは、道ならぬ恋すぎる…。だいたいそれだと二人の関係が親しすぎて、不自然でしょ。生徒が校長先生の掌に指でなんか書くのかよ! なんだその微エロ謎シチュエーション…」
「言われてみれば…」

さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて

「この部分が一番おかしいよね?卒業証書を『さよならと僕が書いた』なんて形容するの変じゃない?」
「いやでも主人公が校長先生だったら…」
「そう思いたい人は勝手にやっててください~」

折からの風に少し 心のかわりに髪揺らして

「ほ、ほら、この部分は別に変じゃない! ふつうの卒業式に見える!」
「卒業式として変じゃない部分をいくら取り出しても、それが卒業式である証拠にはならないよ?」
「うぐ…」
「しかも、卒業式はふつう体育館でやるけど、体育館は屋内だから『折からの風』は吹かないよ?」
「うぐぐ…」

「じゃ、この曲はなにを歌った曲だっていうの?」
「知りたい?」
「もちろん」
結婚よ
「け、結婚??」

今回の主人公はお父さんで、「君」は娘さん。この曲は結婚の前日とかに、娘さんを送り出すお父さんを描いた曲だと思うの。もう一度1連から見直してみる?」

[結婚編]

一人歩きを始める 今日は君の卒業式

「結婚式を翌日に控えた娘が、父親と一緒に最後の日を過ごしている感じを想像して」
「ああ、だから明日から『一人歩きを始める』って表現になるのか」
「実際には旦那さんとふたり歩きだけどね。お父さんには関係ないのね」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「さっきわからなかった「僕の扉」も、これならわかるね」
「お父さんといっしょに住んでいた家の扉を開ける感じか。実家を出て自立する感じが出るね」
「えへへ~」

さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて

「たぶん、家を出るにあたって、卒業式に見立てたお遊びをしたんだと思うんだよね。結婚式当日に、花嫁から家族に感謝の手紙を読み上げる定番があるでしょ? それの逆をやったんだと思うの」
「『さよなら』としか書かないの冷たいね。お父さんの照れ隠しかな」

折からの風に少し 心のかわりに髪揺らして

「あと、結婚式って花嫁は髪を伸ばすことが多いじゃん? 風に髪が揺れるのは髪が長い証だし、髪が長いのはオトナの証かもしれないよね」
「なるほどさすが女子目線…」

「だいたいわかった! 結婚式だと思うと確かにいい感じだ」
「どう? このときの『君』のシチュエーションはわかったでしょ?」
「結婚式が間近なんだよね?」
「そ。でもね、この歌詞は多分これだけじゃないの」
「どういうこと?」
「このときの、主人公のほうのシチュエーションは、どうだと思う?」
「どうって…? 娘がいなくなって、さびしいんじゃない?」
「それだけ?」
「ほかにあるの?」

[病床編]
私、主人公、つまりお父さんさ、病床にいると思うんだけど、どうかな?
「え…えっ?」

僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

「1連の2行め。なんか思うことない?」
「あ、「僕の扉」って…もしかして、個室? 入院病棟の?」
「そうそう。『すこしだけ泪をちらして』の理由もわかった?」
「あ、娘さんは、お見舞いに来たのか。
「そう。お父さんは、体調が悪くて、結婚式に参加できないのよ」

「その説、ほかにも根拠ある?」
「いっぱいあるよ~。娘に結婚してもらいたいとき、親はなんて言う? ほらよく言うじゃない、娘の◯◯姿が見たい、って」
「花嫁姿?」
「せいかい~! でも、この歌詞を見て。花嫁姿、出てくる?」
「出てこないね」
「そうなの! 衣服のことってこの歌詞の中では1ヶ所しか出てこないのよね」

君に確かなことは もう制服はいらない

「ここの部分。主人公の混濁する意識が映ってる感じするよね」
「そうかも」
「お父さんは、花嫁姿を見ることができないって知っているのよ。あと、それに近い表現でいったら」

僕の掌に指で 君が書いた記念写真

「この部分もあるけど、やっぱりなんか変。だってここでは、写真は撮影するんじゃなくて、掌に指で描くのよ」
「病床にいる惨めな老人を写すしかなくなってしまうから?」
「そうね。それか、お父さんは病気の影響で目がよく見えなくなってしまって、手で触れ合う以外に空間を伝えることができないか、どちらかね」
「なる」

「だいたいわかった?」
「そうだね。なんか、すごく納得いった!」
「じゃ、もうタイトルも謎じゃないよね? どうして結婚式が『つゆ』なんだと思う?」
「あ! ジューンブライド!!」
「正解! よくできました☆」

「さて」
「ぎく…」
「明日は1月3日ねぇ。私の誕生日は、いつだったかな…?」
「も、もうすぐだったよね…」

「そうよ! あ、じゃ、私に歌詞読みグッズ買って! えっとね、書見台と、メモ帳と、類語辞書と…」
「ま、待て! このほとばしる女子力のなさ…!!」



今回はこんな感じで、考える時間はほぼゼロで済みました(褒めて!)が、
回答を書く時間がなくて大変でした…。
今年もよろしくお願いします!
ちなみに、私の誕生日は9日ですので、あわせてよろしくお願いします!!(ぇ)

id:lionfan2

hacosato様、いつも斬新な回答ありがとうございます。本当に楽しいです!!
さて、hacosato様説は、今のところ自分の想定回答にいちばん近いです・・・そしてぜんぜん違います。
それは自分の回答を読んでいただければと思います。
1月9日の誕生日、素晴らしいですね!! ハッピーバースデーの言葉をお送りいたします。

またプレゼントとして「初代・歌詞読み名人」の称号を授けます。
ご自分のサイト「5日と20日は歌詞と遊ぼう。」
http://hacosato.hatenablog.com/ で名乗ってOKです。おめでとうございます!!

2015/01/02 22:01:11
  • id:lionfan2
    -------- リアルの謎解き・歌詞解釈・さだまさし「つゆのあとさき」の謎 --------

    F吉とD菜がB美のところにやって来た。

    F吉「またクイズを解いて欲しいんだけど」
    D菜「さだまさしの『つゆのあとさき』って曲の問題なんだって!」

    B美は質問と歌詞のプリントアウトを読むと、目を上げて尋ねた。
    B美「あなたたちは、どう思ったの?」

    F吉は答えた。
    F吉「これは高校時代につきあって卒業式で別れたカップルの話だね。季節はもちろん3月だけど、サビの部分だけ数ヶ月後の回想なんだ。憂鬱な梅雨に彼女を思い出したんだよ!」

    B美は頷くとD菜に尋ねた。
    B美「D菜はどう思う?」
    D菜は答えた。
    D菜「歌詞では 今日は『君の』卒業式 ってなってるでしょ? 正式な卒業証書に『さよなら』なんて書かないし。だから歌詞の『卒業式』は本当の卒業式じゃなくて、二人だけの個人的な卒業式なのよ。個人的な『卒業式』だから3月でなくていい。だから本当に『つゆのあとさき』、つまり6月の前後に別れたんじゃないの?」
    B美は頷いた。

    F吉はうずうずしながら尋ねた。
    F吉「それでB美は、僕たちの解釈をどう思う?」
    B美は答えた。
    B美「F吉の解釈は最有力候補だと思う」
    F吉「やったーーーー!」
    B美は続けた。
    B美「でも風が『遠ざかる 君のあと』をかけぬけてるから、普通に読めば、別れの直後に彼女が遠ざかってるシーン、つまり3月じゃないの? って疑問も仕方ないと思う」

    D菜は尋ねた。
    D菜「私の答えは?」
    B美は答えた。
    B美「D菜の解釈も充分に成り立つと思う。あえて欠点を探すなら、もう卒業式から数ヶ月も経つのに今さら『もう制服はいらない』って考えているところと、とっくに大学生か社会人になっているのに『お化粧はお止し』なんてアドバイスは変、ってことくらいね」

    D菜は頷いた。
    F吉「それでB美の解釈は?」
    B美は答えた。

    B美「これは高校の国語の男性教師と、女子生徒の悲しい恋のお話ね。お互いに好きだったんだけど、女子生徒は在学中、だいたい5月から7月の間に、病気で死んだの。この歌詞は、その男性教師が告別式中に回想してるって歌だと思う」
    二人は驚いた。
    D菜「どうしてそう思うの?」

    B美は解説を始めた。

    B美「まず、この歌詞は全体として、男性側が過去を回想している、というのはいいわね。

        お化粧はお止しと 『思えばいらぬおせっかい』

       って、後から回想してることは明らかでしょ。だから私の解釈では、時系列がごちゃごちゃするんだけど、それは了解して欲しいの。F吉の言うような『同年代のカップル』じゃなくて『歳の差がある』と思ったのも、『君』とか『お化粧はお止し』なんて言い回しが、年上っぽいからよ」

    二人は頷いた。B美は続けた。

    B美「最初の連の

        一人歩きを始める 今日は君の卒業式

       だけど、これは、女子生徒が死んで、告別式に先生も招かれたのね。

        僕の扉を開けて すこしだけ泪をちらして

       先生は棺桶の顔のところにある扉を開けて、思わず涙をこぼしちゃって、女子生徒の顔にかかって、まるで泣いてるような顔になったの。つまり『僕の扉』って言葉には、『棺桶の顔のところにある扉』っていう意味と、『瞼』って意味がかかってるのね。

        さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて

       棺桶の中で女子生徒は以前、死ぬ直前に先生が渡した『さよなら』って書いた手紙を大事に胸に抱いてたの。

        折りからの風に少し 心のかわりに髪揺らして

       先生が扉を開けたとき、急に強い風が吹いて、棺桶の彼女の髪がちょっと揺れたのね。だから『折りからの風に少し 心のかわりに髪揺らして』なのね。『心の かわりに 髪揺らして』って、つまり、『心はまったく揺れていなかった』って意味でしょ? 別れの真っ最中におかしいと思わない? つまりもうこのとき、彼女は死んでたの」

    二人は驚いた。B美は続けた。

    B美「次の連だけど、

        倖せでしたと一言 ありがとうと一言
        僕の掌に指で 君が書いた記念写真

       の部分、どうして『倖せでした』とか『ありがとう』くらい、言葉で言えないの? って疑問が出てくるわね。これは、女子生徒の病気が進行してて、たぶん喉にチューブとか入れられてて、もう言葉を話せない状態なのね。だから先生の手のひらに、指で書いて意思を伝えたんだと思う。

        君の細い指先に 不似合いなマニキュア
        お化粧はお止しと 思えばいらぬおせっかい

       そのとき彼女はマニキュアをしてて、闘病中に不似合だから、つい先生の職業病で『お化粧はお止し』なんて言っちゃったの。でも女子生徒にしてみれば、愛する先生を前に、最後の別れをするための化粧だったの」

    D菜は切なそうな顔をした。B美は続けた。

    B美「サビ前の

        めぐり逢う時は 花びらの中
        ほかの誰よりも きれいだったよ

       だけど、これは先生がはじめて入学式の桜の樹の下でその女子生徒を観たとき、『きれいな生徒だな』って思った、ってこと。

        別れ行く時も花びらの中
        君は最後までやさしかった

       の部分では、もう彼女は死んで、今は告別式なの。棺桶の中に花がたくさん飾られてたから『別れ行く時も花びらの中』なのね。病気でやつれて『きれい』ではなかったから、教師は『君は最後までやさしかった』って言葉を選んだの」

    B美は淡々と続けた。

    B美「サビの

        梅雨のあとさきのトパーズ色の風は
        遠ざかる 君のあとをかけぬける

        だけど、これは火葬場の煙が風にたなびく様子を見ながら、先生が考えたことね。最近の火葬場では、煙はほとんど出ないんだけれど、この歌が発表された当時は、まだ火葬場から煙が出る時代だったの。トパーズは黄色か青の宝石なんだけど、これは色が重要じゃなくて、高村光太郎の『智恵子抄』にある詩『レモン哀歌』の知識が重要ね」

    F吉が尋ねた。
    F吉「『レモン哀歌』? たしか国語の時間で習ったけど、どんな詩だったっけ?」

    B美は暗唱した。
    B美「こんな詩よ。

        そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
        かなしく白いあかるい死の床で
        私の手からとつた一つのレモンを
        あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
        トパアズいろの香気が立つ
        その数滴の天のものなるレモンの汁は
        ぱつとあなたの意識を正常にした
        あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
        わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
        あなたの咽喉に嵐はあるが
        かういふ命の瀬戸ぎはに
        智恵子はもとの智恵子となり
        生涯の愛を一瞬にかたむけた
        それからひと時
        昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
        あなたの機関はそれなり止まつた
        写真の前に挿した桜の花かげに
        すずしく光つレモンを今日も置かう」

    D菜とF吉は驚いた。
    D菜「丸暗記してるなんてすごいわね!」
    B美ははにかんだ。
    B美「詩の丸暗記って、1時間くらいでチャレンジできるし、一生、使えるから、なかなかいい趣味だと思う」

    B美は続けた。
    B美「ところで『レモン哀歌』と『つゆのあとさき』って、女性が危篤のところとか、病気で声が出なくなるところとか、手を握っているところとか、そっくりでしょ? たぶんその女子生徒は、高校に入学したときから病気にかかってて、それほど長く生きられないって知ってたの。そのとき国語の授業で、先生が『レモン哀歌』の授業をしたから、そのとき、先生に恋しちゃったのね。つまり『レモン哀歌』は二人の思い出の詩なの」

    F吉とD菜は黙って聞いていた。

    B美「二番の最初、

        ごめんなさいと一言 わすれないと一言
        君は息を止めて 次の言葉を探してた

       だけど、ここの『ごめんなさい』『わすれない』も、もう言葉を話せない状態だから、手のひらに書いた言葉ね。『(もう死んでしまうなんて)ごめんなさい』『(でも、先生のことは)わすれない』と書いた瞬間、彼女はあっと気づいたの。・・・もうすぐ死ぬなら『忘れない』なんて言っても無意味じゃない! だから

        悲しい仔犬の様に ふるえる瞳をふせた

       のね。先生も悲しい気持ちで、

        君に確かな事は もう制服はいらない

       なんて、心の中で思ってしまったの。まだ在学中だけど、死んでしまうなら、制服なんて必要ないからよ」

    B美は続けた。

    B美「最後の

        めぐり逢う時は 花びらの中
        ほかの誰よりも きれいだったよ
        別れ行く時も花びらの中
        君は最後までやさしかった

        梅雨のあとさきのトパーズ色の風は
        遠ざかる 君のあとをかけぬける

       だけど、これは繰り返しで、もう説明済みだからいいわね。これで私の解釈はおしまい」

    B美は二人を見て続けた。
    B美「この解釈は、細かい伏線をぜんぶ拾うことにこだわった解釈だから、たぶん他の回答と一致しないと思う。ぜひ他の人の回答も見てみたいわね!」

    ------ リアルの謎解き・歌詞解釈・さだまさし「つゆのあとさき」の謎・終わり ------
  • id:hacosato
    展開がはやい!! ベストアンサーありがとうございます!

    lionfan2さんご自身の読みも拝読しました。やっぱり死の匂いは感じますよね。
    お正月っぽくないのではっきりとは書きませんでしたが、私も同じように思いました。

    トパーズのことはとてもすっきりした読みで、たいへんうらやましいしよいですね!
  • id:MEI-ZA-YU
    私もこの歌詞を見てすぐに、父が嫁ぐ娘に対しての気持ちを歌ったものと思いました。
    もちろん梅雨はジューンブライドのことです。
    しかし、もっと“リアル”に深く追求すると、これはさだまさしが、妹の佐田玲子を思って書いた歌だと思います。(一部説明できないところもありますが)
    この「つゆのあとさき」の頃、さだは「雨やどり」や「親父の一番長い日」など年ごろになった妹のことが気になってしかたないのか、結婚を意識した歌を次々作っていましたから。


  • id:lionfan2
    hacosato様、正月というご配慮、ありがとうございます。自分はそのような配慮が、ぜんぜん抜け落ちてました。
    MEI-ZA-YU様の解釈が、hacosato様と一致というのは、驚きでした。論理的に読むとそうなるという傍証ですかね?
  • id:hacosato
    MEI-ZA-YUさんと同じ考えだとは! なんだか背中を押される感じ!
    大変ありがとうございます。
    私は歌っている人に関するドメイン知識(最近知った言葉)がまったくないので、
    妹さんのお話は興味深く伺いました。

    lionfan2さん
    いえいえ、むしろ変に揶揄しているように読めるふうに書いてしまって申し訳ないです。
    私は今回お正月にからめた回答にしたので、その雰囲気と合わせたかっただけで、
    他意はないですということをお伝えしたく思います。
    結婚と読むのは論理的…なのかな…??

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