北村薫さんは女性にも読みやすい女性主人公の本格ミステリーをお書きになります(作中に携帯電話はでてきません)。
が、他にエッセイ、文学評論(ミステリー選集のみならず古典)のようなものも書かれるので、ちょっと区別が難しいです。上に上げたものは間違いなく楽しめるミステリーです。
泡坂妻夫さんは手品師、紋章師と兼業のミステリー作家で、これらは20年前くらいにすごく流行った、コミカルなシリーズです。あとヨギ・ガンジーシリーズ、捕り物帖シリーズ、亜智一郎シリーズなどもコミカルなものもあって面白いです。シリーズでない単品長編も多数あり(こちらは少し社会派っぽい暗い感じや悲しい話もあります)、多作で、どちらかというと年上の読者向けのお話です(作中に携帯電話はでてきません)。
ただ、やはり同著者に手品評論、紋章学などの著書も多くあり、検索にひっかかってくるのでミステリーだけが読みたいときは注意して選んでください。
黒猫の三角―Delta in the Darkness (講談社文庫)
こちらはわりに若い作者で、建築学科の助教授を務めながら兼業していたが今は専念している、理系の作家さんです。大学生を主人公として科学者の行動などを投影したお話が多いです。作中に携帯電話、コンピューター、インターネット、その他「若い人向け」なハイテクの話が多く出てきますが、苦にならなければ面白いのでどうぞ。