農業で,「有機農法」,「無農薬農法」,「点滴かんがい」など,特定の技術に対して,「普及する」,「普及(が進む,など)」,「普及率」の日本語に相当する英語の選択で迷っています。
spread, diffuse, extend, penetrate など,なにかしっくり来ない気がします。
あっさり apply でもいいのかとも思います。
「普及率」も penetration rate だと市場の中でのシェアのようなイメージで,技術の普及とはまた違うような気がします。
apply, application, rate of application とか,apply で統一するのもいい気がします。
あとは adopt とかもいいのかと。
例えば,
「有機農法を普及させる」
「無農薬農法の普及が進んでいる」
「点滴かんがいの普及率は○%である」
の英訳を例にして,アドバイスを頂けないでしょうか。
まずグーグル先生に聞くと
" Disseminate organic farming "
" I am progressing spread of pesticide-free farming "
" Penetration of drip irrigation is ○% "
どれもちゃんと通じる気がします。
3つとも違う単語がでましたが、わりあいしっくりきますし。(2番目がpesticide-free farmingを主語とした文でないのは自分で訂正するとして)
同じ単語でイケルはずとおもうのは空気で伝わる日本語話者の傲慢でしょう。
そもそも普及というのが日本語でかなりブレブレ、
場面によって意味合いが違うんですよね。
雰囲気レベルならbecome popularでもいいとおもいます。
applyだと「適用」でいくつかある普及をざっくりまとめられますが、
「有機農法を適用させる」
「無農薬農法の適用が進んでいる」
「点滴かんがいの適用率は○%である」
逆に日本語でさえしっくりこなくて、なんかわかりづらいですよね。
語義が広すぎて「アレをアレしといて」みたいなぼんやり感がでます。
普及の訳を同じ1語にまとめることより文章としての伝わりやすさを優先したほうがよいとおもいますよ。
(disseminateとspreadは統一してもいいとおもいますが、強行する必要はありません。
英語では同じ文章で同じ単語をつかいまわすより、敢えて文中で同じ意味を別の言葉で言い換えて、物を知らないバカな読者にで必ずわかる文章にするほうが文章として高級であるということになっています)
名詞だと,prevalence もいいのかなと思いました。
修辞法外論 ~ いそがしいひとよむべからず ~
あくまでも一般論ですが、最近の回答に関連した印象を述べてみます。
現代の日本語は、しばしば漢字の概念に拘束されて、もっともらしく
聞えても、なんら実体がないケースが多いのです。
卑近な例では、やんごとなき役所が不祥事を起こしたときの常套句、
「再発防止に努める We strive to prevent a recurrence」ごときも、
具体的に何をどうするのか、誰も予想できません。
ところが英語圏の政治家は、いちはやく具体的な比喩を思いついて、
世界中の誰にも理解できるようなイメージを伝える能力が求められます。
「イスラム教徒の入国を禁止すべき」トランプの党内支持率が4割超!
質問者の目的が、自説の主張にあるのか、読者への迎合にあるのか、
あるいは正しい翻訳の美学にあるのかによって、手法が異なるでしょう。
ネットでは、英語圏以外の読者も、翻訳ソフトで読み書きしています。
【翻訳例】 英訳 → 戻訳
普及 Spread 蔓延
普遍 Universality 普遍
伝播 propagation 伝搬
…… ネイティブの真似より、ロボットのように、書くように話すべき。
http://q.hatena.ne.jp/1447600358#a1252917(No.1 20151116 06:19:47)
正統性よりも合理性 ~ 普及・不朽・不急 ~
History of Castelha in Japan
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19190119
カステラ御三家 ~ 不休・普及・不朽 ~
【学術語】 土着化 ≒ 独立
…… わたしの母校の宣教師は、アメリカから派遣されて日本人女性と
結婚、いまでは熊本に「土着」されています。つぎの著書は、論文タイ
トルが「土着化」だったのを、出版直前に「独立」と変更されています。
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つまり、アメリカ人宣教師にとっての Indigenous は「土着」であり、
日本人にとっては Indigenous people「先住民」が適訳らしいのです。
しかし、日本のネイティブには、いかにも違和感があります。
http://q.hatena.ne.jp/1448619121#a1253196(No.3 20151129 05:58:15)
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…… 初期同志社の歴史を「土着化」の成功例と捉え、そこに作用した
内外の様々な要因を緻密に分析した労作。宣教師側で管理権委譲への傾
向が強まったこと、また日本人側で指導者たちが成熟し、自治、自律、
自己方向付けへの決意が強まったこと――それらの経緯を、単にキリス
ト教界だけでなく社会全般の精神動向も視野に入れながら明らかにする。
http://www.kyobunkwan.co.jp/xbook/archives/52513
…… 熊谷 晋一郎・説「自立とは、依存である」
日常生活・社会生活・経済活動における自立を総合的にみるべきだ。
日々の暮らしを、選択しながら生きることだ。
── 湯浅 誠《自立について 20151210 04:20-04:30 NHK 視点・論点》
https://twitter.com/awalibrary/status/674672822497624064
英語は日本語とはもののとらえ方が違う。
直訳したような名詞は使えないと思う。
Disseminate organic farmingでも良いけれど、promoteやpopularizeも使えます。
「無農薬農法の普及が進んでいる」
『進んでいる』の意図するところが複数あります。普及が進んだ状態を表現するなら例えばOrganic farming is widely usedやOrganic farming is prevalent.普及が徐々に進んでいることをを強調するならばOrganic farming is (gradually/increasingly) spreading.など。
「点滴かんがいの普及率は○%である」
The adoption rate of drip irrigation is X%. 普及率はadoption rate, penetration rateでよいと思います。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
なるほど,「これが使えるよ」と教えて頂ければ,それぞれの単語から受けるニュアンスを信じて使うことができます。
どうもありがとうございます。
ただ,私がネット上を眺めた限りですが,penetration rate は,ITや保険の分野に多く,その他でも例えば「自家用車の普及率」など,定義を示さなくてもこの場合だとおそらく世帯単位での率と判断できるような,マーケティングの世界でかつ明確に定義できる場合のように見受けられ,農業の技術の面積単位や農家単位などでの普及率とは,少しニュアンスが違うかなと感じました。
それは私の思い過ごしか情報収集不足でしょうか。