我々の脳は、子どものころに歌った歌の歌詞を記憶にもっています。
歌は、言葉の記憶です。たとえば小学校の校歌とか、何十年たっても覚えています。
これは、いったいどのようにして記憶されているのでしょうか。
一文字一文字、きちんと覚えているということは、音節単位あるいは音素単位で記憶しているのでしょうか。
もしそうなら、海馬が音素や音節の情報で神経細胞の何かを符号化しているのでしょうか。
音素や音節は種類が多いですから、コドンの64通りを使って記憶をしているのでしょうか。
たとえば、海馬で、音素に対応するコドンが形成されて、それがDNAなりアミノ酸、たんぱく質として、神経細胞中に長期保存されるとか
短期記憶は電気化学的、海馬が重要と判断すると構造変化を起こして記憶を強化する。という経過は今の主流ですね。どちらも、ニューロンの結合パラメータで記述される時系列関数です。ここで時系列に発火したニューロンの分布に応じて想起される音節と旋律が、歌としての記憶。これが、超長期的に再想起されるのは、物質化しているからかもしれません。
のが今の通説と思います。ある意味記憶は物質化しますが、それは特定のコドンやアミノ酸とは無関係。樹状突起の変化とシナプスの形成、効率化などによる、「回路」として長期固定化されるはずです。
構造変化を起こし、クオリアの発火パターンを想起しやすくしたとき、別の記憶も同じ領域でクオリアを形成したとする。そのクオリアも強化記憶になるとすれば、以前の構造変化に影響が出るのでは?という命題がいつも付きまとう。構造変化には、このリスクがともなうので、物質記憶という線は、補助記憶という可能性も含めて、捨て去れないことだと思っています。
記号は局在化されたピンポイント記憶。
言語は概念のラベル化
音節は難しいな、聴覚から想起される神経細胞反応の蓄積?
旋律は時系列の記憶
歌は、旋律と音節の組み合わせで、もっとも記憶しやすいものと思われるんですよ。時系列処理とラベル貼りが記憶の大半を占めているはずなので。
蓄積と想起は別ですが、旋律の想起は、時系列の一部再生によって、全体を想起できるという特性もあり、想起しやすい→良く覚えている。という構造ではないでしょうか。