ユーロ危機、注目イベントが目白押し
2月25日、アイルランドの前倒し総選挙で皮切り
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110215/218440/?rt=nocnt
ECB保有国債の買い戻しは効果薄
これに対して、ECBが買い戻しに応じることは、周縁国問題が激化している時期に国債を買い取ってきたことを踏まえれば、損失も少なく容易であろう。ECBは国債買取プログラムの元で765億ユーロの国債を保有している(2011年1月21日時点)。しかし、ECB保有国債の買戻し償却によるギリシャ政府の債務減免効果は、債務残高比で5%程度にとどまると試算される(表参照)。
国債買戻しプログラムの効果の試算
(100万ユーロ)
ギリシャ アイルランド ポルトガル スペイン イタリア 合計
民間銀行33行の保有額(A) 69,543 15,670 27,285 129,861 245,400 487,760
保有比率(A)/(C)% 26.5 20.2 29.4 35.0 24.3
債務削減効果 %* 6.6 5.1 7.3 8.7 6.1
ECBの国債買取
プログラムの保有額(B) 53,550 11,475 11,475 0 0 76,500
保有比率(B)/(C) % 20.4 14.8 12.4 0.0 0.0
債務削減効果 %* 5.1 3.7 3.1 0.0 0.0
国債残高(C) 262,413 77,465 92,912 371,281 1,009,485 882,873
(A)は2010年3月末時点、(B)は2011年1月21日時点のデータ
ECBの国債買取プログラム残高のうち70%がギリシャ、15%がアイルランド、15%がポルトガル向けと仮定
*国債買戻し価格が額面を25%下回ると仮定
(出所)CEBS,ECBからNIPlc作成
また、債務減免に応じる投資家が多く、残った債務の返済の可能性が高まると期待されるならば、買戻しに応じない投資家が有利になる。このため、有利な立場を求める投資家が買い戻しに応じない可能性が残る(フリーライダー問題)ことも指摘できる。