キュリ?夫妻は有名すぎるほど有名です。
だが1906年4月6日、高潔な物性物理学者ピエールは、ドーフィーヌ通りを横断中、足をすべらせ荷馬車に轢かれ死亡した。マリーは、夫がノーベル賞を受賞してやっとソルボンヌ大学教授のポストを得たその教授ポストの後継者として、中断されたピエールの講義を継続することになる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%A4%AB%E5%A6%BB
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meefla ●100ポイント ベストアンサー |
失礼ながら、いくつか事実誤認があるようです。
アーサー・ホームズが マントル対流説 に関する講演 "Radioactivity and Earth Movements" をグラスゴー地質学会で行ったのは1928年の事でした。(Nature の記事)
1931年に出版されたものは
http://www.mantleplumes.org/WebDocuments/Holmes1931.pdf
で読めますが、PDF P21 の Fig.2 と Fig.3 だけ見ても、その先見性がご理解いただけると思います。
『一般地質学』Principles of Physical Geology の第1版はイギリスで1944年に出版されていますが、その最終章は大陸移動説を論じたものでした。
he devoted the final chapter of his textbook ‘Principles of Physical Geology’, first published in 1944, to discussing continental drift, presenting the apparent geological connections between now widely separated continents, Wegner’s proposal of the ancient supercontinent Pangaea to explain them, and his own theory that rifting and continental drift was ultimately driven by convection currents within the Earth’s mantle.
A very British paradigm shift | Highly Allochthonous
第2版が出版されたのは1965年、アーサー・ホームズが気管支肺炎で死んでから1ヶ月後の事です。
彼が第2版の改訂を終えたのは死ぬ数ヶ月前になります。
(Encyclopedia of Earth and Space Science - Timothy M. Kusky, Katherine E. Cullen - Google ブックス P399 より。スクリーンショット)
この第2版の最終章は、やはり大陸移動説に関するものでした。
The final chapter is entitled "Continental Drift and Palaeomagnetism." 1965 was the threshold of plate tectonics, and Holmes comes up to the threshold, but does not step over.
Principles of Geology
1965年は、ツゾー・ウィルソン が「トランスフォーム断層の考え方をネイチャー誌に発表」した年ですので、上記引用にもあるようにプレートテクトニクスの出発点となった年ですが、アーサー・ホームズはその後の展開を見ずに死んだわけです。
さて、問題の第3版ですが、これの発行は1978年です。
アーサー・ホームズの死後13年が経過しています。
書名は、"Holmes Principles of Physical Geology" すなわち『ホームズの一般地質学』であり、著作権表示は © Doris L. Holmes です。(未亡人ですから、アーサーの著作権はドリスにあります)
裏表紙には「アーサー・ホームズは1965年に逝去し、この第3版はドリス・ホームズによって改訂された」と明記されています。
第29章のタイトルは "Plate Tectonics" であり、アーサー・ホームズが記述したタイトルではないという事は自明ですが、前記した1928年の "Radioactivity and Earth Movements" からの図をそのまま使用しています。
従って、「奥さんが勝手に理論を付け足して改訂をした」のではなく、夫が死んだ後の新たな知見や発展を元にして古い記述を改訂したものであり、教科書としては必要な改訂であると考えます。
なお「略奪婚」についても調べましたが、今回は割愛します。
ご要望があれば追記しますので、お知らせ下さい。
お役に立てることを祈りつつ。