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●質問者: たけじん
●カテゴリ:芸術・文化・歴史 ネタ・ジョーク
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 8/8件

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質問者から

文言の変更は、以後不可とします。


5 ● hokke-ookami
●25ポイント

『三日目』

高層ビル街の底にある、古ぼけた小さな喫茶店。
カウンターの影にありながら、入り口がよく見える席。
「で?まだ別れられないの」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。
二人が押し黙ると、近くの席で聞き耳をたてていたサラリーマンが立ち上がり、カウンターへ小銭を置いて扉を開けた。
喫茶店の外から、はげしい雨が地面を叩く音が響いてきた。吹き込んできた風が、テーブルの花瓶にさしてある薔薇をゆらし、花びらを落とした。
ゆっくり扉が閉じると、喫茶店の中にはマスターがカップを拭く音と、コーヒーを淹れているサイフォンの沸騰する音だけが残った。

高層ビル街の底にある、古ぼけた小さな喫茶店。
カウンターの影にありながら、入り口がよく見える席。
「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。
二人が押し黙ると、背後の席で週刊誌を読んでいた青年が立ち上がり、ゆっくりと歩みよった。
カウンターの奥で、注文されたコーヒー豆をマスターがミルでくだいている音が響く。
「あの、大丈夫ですか?」
うつむいたままでふるえている若菜の背中へ、青年が声をかける。
明菜が顔をあげ、青年を軽くにらんでいう。
「誰?あなたに何ができるっていうの?」
その視線のきつさに、青年は肩をすくめて出て行く。
もとあった場所へ週刊誌を戻す時、青年は表紙をながめて顔をしかめた。
「あの有名政治家に隠し子が?!」とか、「国際的な大陰謀があかされた!」とか、「有名女優がヌードを披露」といった見出しの下に、「別れたばかりがナンパの狙い目」という小見出しがあった。
扉が閉じる音を聞きながら、明菜はそっと溜息をついて、コーヒーへ口をつけた。

高層ビル街の底にある、古ぼけた小さな喫茶店。
カウンターの影にありながら、入り口がよく見える席。
「で?せっかく別れたのに追いかけてくるわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。
二人が押し黙ると、背後の席で編み物をしていた老婆が立ち上がり、ゆっくりと歩みよった。
カウンターの奥で、注文されたコーヒー豆をマスターがミルでくだいている音が響く。
「あの、大丈夫ですか?」
うつむいたままでふるえている若菜の背中へ、老婆が声をかける。
明菜が顔をあげ、老婆をにらんだ。
「誰?あなたに何ができるっていうの?」
厳しい視線を正面から受けながら、老婆は小首をかしげ、テーブルの上にある花瓶へ手をのばした。
「薔薇を一輪さしあげます」
若菜が顔をあげ、老婆を見つめる。
ニッと笑みを浮かべた若菜が、老婆から薔薇を受け取った。
「はじめまして。いい取り引きになるのを願ってる」
あらかじめ教えられた場所と合言葉だけを手がかりに、三文芝居をつづけていた若菜と明菜。
ようやく待ち人と出会えたという感慨はない。それが組織の末端として働く二人の日常だからだ。
多くの国家をゆるがす謀略劇は、こうしてひそやかに幕を開けた。

会話を見た瞬間に思いついたネタです。しょうもない内容ですが、できれば感想をおねがいします。
ただ、オチの時点で物語が終わってないじゃんというツッコミは自分で入れときます……


たけじんさんのコメント
三文芝居を喫茶店の客が替わるたびに続けていた、ということでしょうか。 ちょっとわかりにくいです。 その芝居をしている二人組に、取引先が声をかけるんですね。 必然性と論理性が少し欠けている気がします。 国家を揺るがす謀略劇が、喫茶店で始まるのも、三文芝居をしないと始まらないのも変な気がしますが、いかがでしょうか。 提示されたシチュエーションが、「何かの記号」という設定は非常に魅力的なのですが。

hokke-ookamiさんのコメント
かなり遅れましたが、感想ありがとうございます。 イメージとしては『バットマン』のスポットライトや、『シティーハンター』の伝言板(最近は見ないですね)のような作品から着想しました。むしろベタすぎるので、できるだけ伏線は隠そうかと判断したのです。 >国家を揺るがす謀略劇が、喫茶店で始まるのも、三文芝居をしないと始まらないのも変な気がしますが、いかがでしょうか。 謀略劇うんぬんはホラ話は大きいほうがいいだろう、くらいの気分でして(笑)。契約からそのまま謀略劇に一直線ということではなく、裏取引をきっかけとしてスパイ合戦が……くらいのイメージです。 ショートショートなら、もっと風呂敷をたためる小ささにしておくべきだったかと反省しております。

6 ● みかんっ
●25ポイント

『どちらかが彼を殺した』

睦夫は女の目を見て言った。
「お前が好きで好きで、もう誰にも渡したくないんだよ」
女は、俯きながら穏やかに言った。
「ムッちゃん、もう言わないで」
首をゆっくり振り続ける少女を、睦夫は抱きしめようとした。が、女はその手をすり抜けて、部屋を出た。
その直後、睦夫の体が震える。足元がおぼつかなくなり、崩れ落ちる。
「ま、まさか……」
睦夫は悟った。自身に残された時間がわずかしかないということを。
睦夫は吐血した。

◆◇◆◇◆◇◆

┌―――┐
│ ● │
│ サ │
│ ノ │
│ ツ │
│ 木 │
└―――┘

「これが現場に残されたダイイングメッセージとみられる文言です」
若林は、手帳から写真を取りだした。
「なるほど。被害者自身の血で書かれているのか?」
「ええ、血液型、その他の鑑定で一致しました。一文字目は判別不能です。被害者の指で塗りつぶされています」

若林は、明石に報告する。さらに続けて、
「これまでの調査で分かったことですが。
まず、死亡推定時刻は10日の午後4時?6時。
『たけふじむつお』の死体が発見されたのは、その晩の8時。これは、たけふじの入っている寮の寮母が発見しました」
「その寮というのは?」
「なんでも取り壊し寸前で、たけふじ以外にはその寮母さんが住んでいるだけのようです」
「事件前後のたけふじの部屋への出入りは?」
「二階には窓しかありませんがその全ては施錠されており、細工された形跡は見られてません。
事件のあった日の午後4時頃にたけふじが帰宅しているのを寮母が見ています。
さかのぼれば、午前8時頃に、たけふじが出ていくのが目撃されています。
それ以外に出入りした人間は一切いなかったと」
「ずっと玄関を見張っていたわけじゃないんだろう?」
明石が聞いた。

「事件当日は寮母はほとんど、寮の玄関わきにある管理人室を動かなかったと証言してます。トイレに何度か立っただけです。
また、寮の玄関は立てつけが悪く、開閉に大きな音を伴うのだとか。
それは、絶対に聞き逃さないと寮母は言っています。さらにたけふじの部屋へ行くための、階段も老朽化が酷く、歩くたびにギシギシと大きな音を立てます。これは僕も経験済みです。寮母に気付かれずに犯行現場である二階に上がるのは困難かと」
「寮母と被害者の関係性は? ただの住人と寮母なのか? それとも……?」
「ええ、第一発見者を疑えとの原則から、寮母の周辺は徹底的に洗いました。ですが、特にこれといった問題は出てきませんでした」
「死因は即効性の毒物だということだが?」
「はい。口内にもその痕跡が確認されましたので、カプセルのようなものに入れて時間差で殺害したとは考えにくいです。さらに言えば、寮母は足が悪く、階段を上って二階には上がれないということです」
若林の報告を聞いて明石は考え込んだ。そしてノートを開いて事件のあらましを綴っていく。

・寮の二階の窓は全て施錠されていた。
・寮の二階への出入りは階段のみ
・事件当日二階へ出入りした人間は「たけふじむつお」のみ
(これは寮母の証言による)
・死因は即効性の毒物
・第一発見者は、寮母
・ダイイングメッセージの一文字目は、被害者自身の手で塗りつぶされていた
(「●サツノ木」の「●」の部分)

「自殺……か……」
明石は呟く。
「あるいは寮母の証言は嘘であるか、寮母自身が実は犯人で階段を上れるのか」
若林は力なく頷いた。

若林は駆け出しの刑事である。彼のここ最近の活躍は目覚ましい。それは明石の存在が大きい。明石は、いわゆる安楽椅子探偵。本業は別にあるのだが、こうして若い刑事の相談を何年も受けている。
これまでどんな事件でも明石は解決してきた。彼にはその自負がある。

◆◇◆◇◆◇◆

「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。



「この二人が重要参考人です」
若林は映像を一時停止させながら言った。
「たけふじむつおとの関係は?」と明石が聞く。
「こちらの若菜はたけふじむつおと交際していました。ですが、たけふじは明菜のほうにも手を出していて……、いわゆる二股というやつですね」
「もてる男は辛いか……」
さらに二人は映像の続きを見た。ただ取り留めのない会話を続ける二人。
二人の様子を見る限りでは、単に交際相手との破局を友人に伝えているありきたりな風景だ。
だが、決定的におかしな点がある。二人はそれぞれ、たけふじむつおの死を知っている。が、そのことは話題に上がらない。
「出来の悪い芝居を見ているようだ。いや演技力は相当なもんだがな」
明石がぽつりと漏らした。
「あの事件の真相が自殺でないのなら、そしてこの二人のどちらかが犯人なのであれば痴情のもつれというのが犯行動機でしょう。
自分とは別の女の影を見て別れを決心した若菜。
そして、友人の交際相手と関係をもってしまった明菜。
若菜が犯人であれば単に怨恨ということが考えられます。それから、明菜のほうなんですが、どうやらたけふじむつおと関係を持ったのは何か弱みを握られていたかららしいという情報があります」
「なるほどな。同情するよ。親友同士でかけられた二股。
友情を壊さないためには、たけふじむつおは決定的に邪魔な存在だった」
若林は、それを聞いて確信した。明石が容疑者に同情を示すとき。それは事件の解決を意味する。
フー、ハウ、ホワイ、さらには「いつ」「どこで」「なにを」。5つのWとひとつのHが収束する。
「明石さん! 犯人がわかったんですか!?」
「簡単な二択だよ」


たけじんさんのコメント
ミステリーに仕立てるのは、好感が持てるんですけど。 提示されたシチュエーションは、生かされるんでしょうか。 謎解きに期待しますが、ちょっと全体に冗長です。 「簡単な二択だよ」→お前に言われんでも、わかってるわい! という突っ込みは、必要でしょうか? 謎解き部は、書いていただけるのでしょうか…

質問者から

終了は本日深夜に延長します。
感想等、少々お待ちを。


7 ● エネゴリ
●25ポイント

「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。



料理には、絶対の自信があった。
まさかこんな形で料理と別れるとは…
それは、若菜が働くホテルの料理人を選出する試験のことだ。
「一つは国産高級牛肉、もう一つはスーパーの安い肉。これを目隠しをして試食し、どちらが高級牛肉か当ててもらう」
「正解した者にホテルの料理を任せる」
という料理長の一声で試験が行われた。
普段から料理人のまかないをしていた若菜には、高級肉を食することも、目にすることもなかった。
結果、若菜は不正解だった。
がっかりした若菜は重い足取りで明菜の喫茶店でコーヒーを頼んだいきさつになる。



一方、若菜が働いていたホテルでは…
「料理長、若菜には厳しい試験になりましたが、これでいいんですか?」
副料理長が料理長に声をかける。
「いいんだ。あいつ(若菜)には、大衆食堂の方が向いている。それを自分で見つけさせるんだ」
と料理長が高層ホテルの窓から外を眺める。
果たして若菜の運命は?
to be continued


たけじんさんのコメント
料理と別れるというシチュエーションを、生かし切っていない気がします。 ホテルの料理のまかないなのに、高級肉を食べてないというのも変だし、 料理人を目指すなら、そんな素人でもわかりそうなものに合格しないわけがない。 ちょっと設定が残念です。 「この程度で別れるって言うのなら、その程度だったって事さ」 大衆食堂の方が向いてる ってのも、なんだか残念なセリフ。 それと、あらすじ小説になっている点も気になる。 せっかく、人との別れではない点に持って行ったのに、と思う。

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