もともとは、ロシアの心理学者ヴィゴツキーの認知発達理論から敷衍された考え方です。
検証実験のデータ的なものは見つけられなかったのですが、ケニアにおける数学教育の事例を検討した論文がありました。
論理的思考力と数学との相関関係は必ずしも有意ではなく、むしろ国語の勉強が重要だと言われます。
ありがとうございます。
どちらかというと、「数学の力」と「論理的思考力」
の「相関関係」よりは「数学の学習」と「論理的思考力」の関係を望みます。つまり、「数学の勉強してない状態から数学の勉強をすると、同時に論理的思考力も上がるか?」という検証です。
ちなみに「論理的思考力は上昇は確認されなかった」という否定的なデータでもかまいません。
数学を勉強する→論理的思考力が上がる、・・・というわけではなさそうです。
よく答えが分かるけど、人に説明できないということがあるように、数学の学習も方法を誤ると、論理的思考能力の向上には繋がらないようです。
数学は、極めて三段論法的に回答を導く学問であるため、論理的思考能力が高まると考えられているだけのようです。
御参考
いろいろ議論はされてるとは思うんですけど、統計的な検証となると少ないんですよね。難しいでしょうか。
http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~michita/works/kiyo0003/kiyo0003.ht...
大学は学生に批判的思考力を育成しているか?
海外のデーターを使った論文のようですが、批判的思考問題、論理問題を大学別、大学の学年別や、あるいは専攻、学科別などに分けて分析しています。
こちらでは、
「自然科学専攻と数学専攻の学生が、他専攻の学生よりも批判的思考が高いという結果を得た研究(George, 1967)もある。」
と指摘しているものの、Spaulding and Kleiner(1992)らの研究では、
「大学生の批判的思考能力は、大学での勉強量によっては多少影響をうけるものの、批判的思考のできる学生が特定の専門分野を選んで入学しているのでもなければ、特定の専門分野によって、より批判的思考のできる学生が育てられているのでもないことが結論づけられた。」
ということで数学が直接論理的思考力を上げているのかは疑問かもしれません。
以下は単なる関連の話です。
大学入試の総評で、データでなく私感が書いてありますが、「数学科の学生に関しては、入学当初は、概して「論理」に弱い。(例)以下略」という記載がされているのは興味深いところです。
論理にはさまざまな種類があるので、単純に数学だけすればいいというものではないよという話ですが、統計的な話ではありません。
ただここの[3] SUT bulletein 1998.1月号に「数学教育と論理的思考力」(東理大出版会)が引用されており、ネット外で見られる環境があれば、これを読んでみると面白いのかもしれません。Webcatを見る限りは、
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AN10231313
NACSIS Webcat: shosai
に収蔵されているようです。
ありがとうございます。「数学教育と論理的思考力」は探してみます。
残念ながら、検証はなされていないようです。ページのどこかにはあるんでしょうか。
ありがとうございます。読んでみます。