「むかしむかし、」で始まり「、とさ or とか。(つづく)」で終る。
〆切:平成廿一年四月丗日零時零分零秒 ↓作例見本(最大四百字)
桃捨節考 ~ 機微団子ものがたり ~
むかしむかし、ひとりものの爺さんが、川で洗濯していると、大きな
桃が流れてきた。持ちかえって割ってみると、かわいい女の子が生れた。
しかし、あっというまに成長して、たちまち婆さんになってしまった。
そこで、婆さんに慰謝料がわりのキビダンゴを持たせて、追いだした。
すると、近所のイヌロー、キジロー、サルローが従いていったらしい。
うまいぐあいに、かねて気にいらない連中が居なくなってしまった。
爺さんは、いつまでもいつまでも、長生きした、とさ。(つづく)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20090421
Days of Progeria ~ ヘギとジョンの日々 ~
http://q.hatena.ne.jp/1193928482/124180/#i124197
↑とさものがたり ↓とかものがたり
http://q.hatena.ne.jp/1193928482/124180/
画像=きびだんご
http://www.koeido.co.jp/item_kibidango_1.html
むかしむかし、ある山奥に雪女が七人という名の小男と住んでおったそうな。
雪女は若かりし頃、悪い婆さんに紅麹入りの毒団子を食べさせられて以来、
いつもいつも、家の中で眠りこけておった。
ある日、すっかり青白くなってしまった雪女を見かねた観音様が、
節分の夜に雪女の夢にでてこられて、枕元でこうおいいなさったそうなー。
「雪女よ…。起きるのです。今日はもう、節分なのですよ。」
雪女は観音さまのおかげでようやく節分の夜に目覚めることができたそうな。
長く眠っていた雪女が家の外に出ると、
山はすっかり銀世界で、吹雪もふきかけておった。
そこに通りすがりの下町の文吉どんが、道に迷っておったので、
雪女は家に招き入れようとしたが、雪女が口を開いた瞬間、
文吉どんは、長い間歯を磨けなかった雪女のあまりの口臭に耐えかねて、
あわてて町へ逃げ帰り、山におそろしい雪女がいるぞと触れ回り、
これが後に、日本で雪女山の伝説になったそうな。
雪女と七人は、雪女退治の町民から逃れて、
悪い婆さん退治の船旅に出たが、帰りに嵐で迷って
異国の地に流れ着き、そこで異人達に伝えられた話が
「白雪姫」という評判の物語になり、
王女様と王子様の様に大切に扱われて
幸せに暮らしました、とさ。
選評:お婆さんは、草も刈らずに、くさかった、とか。
むかしむかし、京の外れにやさしいおじいさんとおばあさんがおりました。
ある日、おじいさんが新しい事業を立ち上げるために考えていたところ、間違って隣の家の畑に入り込んだコーギー犬が怒られているのを見かけました。
哀れに思ったやさしいおじいさんが「わしにめんじてゆるしてやってくれ。」
と隣のじいさんにあたまを下げてたのみました。
なんとか隣のじいさんの怒りを治めて帰ってもらった後、この哀れな犬を見たおじいさんは尻尾が丸まって?マークに似ていることから、「そうだ、「はてな」という名前がいいな!」と会社名、そして人力検索というサービスを思いつきました。
その縁でおじいさんとおばあさんに飼われることになったコーギー犬は、「しなもん」と名づけられ、その愛らしい容姿からマスコットとして人々に愛され、事業も順調に伸びていきました。
それをのぞいていた隣のおじいさんは面白くありません。
真似して「人力詮索さては」というサービスを始めました。
そして「もともとうちの畑に入って来たのだから」と無理やりしなもんを連れてこさせては自分たちのために働かせました。
可哀想なしなもんは働きすぎでぐったりしてしまい、肝心のはてなに戻っても寝てばかりいてユーザーをがっかりさせてしまいました、とさ。
↑これにErrorメッセージがついている画像を探したのですが、こういう時にかぎって見つからなかったもので・・・。
出だしだけ「はなさかじいさん」のパロディでした。
選評:さては家の爺さんは山で探索し、婆さんは川で詮索した、とか。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20080801
はてな家の人々 ~ What a wonderful world! ~
むかしむかしある山深い村のなかに、天女の娘が落ちてきました。
娘を受けとめた村の青年が空から降ってきたわけをたずねると、娘がいうには、どうやら突然、羽衣が空を舞う力を失ってしまったのだそうです。
どうすれば再び空にもどれるのかと問うと、羽衣に空飛ぶ力をためることができれば、との答え。空を飛ぶ力とは何かともう一度たずねると、それは海の塩水だと娘は答えました。
ここは海から遠く離れた山のなか、どこを見渡しても海の塩水などあるはずもありません。青年はいいました。おらが海から塩水を運んできてやるから、地上にいる間はおらの嫁になってくれ。娘は青年の申し出を受け入れることにしました。
あれから十数年の月日がたちました。
娘と青年はまだ山のなかの村で暮らしていて、青年は山と海のあいだで行商をしながら海の水を運びつづけ、娘は山のなかで青年の帰りを待つという日々を送っていました。
あの娘が空から降ってきた日から長い年月が流れ、何十、何百と海の塩水を運んではかけてはみたのですが、いまだ羽衣はいっこうに空飛ぶ気配をみせません。
どうしようかねえ、と困った顔を見せあわせながらも、娘と青年はどこかうれしそうです。
そのごもふたりはずっと末永くしあわせに暮らしつづけたらしいとさ。
選評:青年は仙人に、天女は老婆になって子を「うみ」ました、とか。
── 「明日は海が荒れる。あさって発つがいい(ガリヴァー航海記)」
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選評:はてな文学賞「ヒトクチ冗句部門」に再挑戦しましょう、とか。