まずは毎度お馴染み、畳の活用です。夏はちょっとでも床に近いところの方が涼しいですよね。気分的にも、ほんの数十センチ横たわる位置が低くなるだけで天井が高く感じられて、広々と涼しげな印象になります。そこで、夏の寝床はベッドではなくユニット畳。窓際の、月が見上げられるような場所なら最高です。そんな場所を探してユニット畳と布団を敷き、夏の寝所にしてしまいましょう。季節によって寝る場所を変える。この新鮮さも、爽やかな眠りを演出する素敵な舞台設定です。
畳の上に敷きっぱなしの布団は万年床と言って嫌われますから、毎朝毎晩布団の上げ下ろしが必要ですが、昔はみんなそうやって暮らしていたのですから、慣れればたいして苦になりません。いや~上げた布団の置き場が無いし、という人は、寝床は従来のベッドのままでOKですので、次、行ってみましょう。
続いてはシーツの工夫です。私が夏に愛用しているシーツは苧麻(ちょま:ラミー)です。麻というとリネンが思い浮かびますが、実は「麻」という語は葉や茎などから繊維が採取出来る植物、およびそれらから採取された繊維の総称なんですね。一口に麻と言っても、
- 靭皮繊維を利用するもの
- 亜麻(リネン) アマ科の一年草
- 苧麻(ラミー) イラクサ科の多年草
- 黄麻(ジュート) シナノキ科の一年草
- 洋麻(ケナフ) アオイ科の一年草、稀に多年草
- 大麻(ヘンプ) アサ科の一年草
- 葉脈繊維を利用するもの
- マニラ麻(アバカ) バショウ科の多年草
- サイザル麻 リュウゼツラン科の多年草
こんなに色々種類があるんです。リネンやヘンプも爽やかな繊維ですが、私は特に夏のシーツには、シャリッとした風合いが心地よいラミーがお気に入り。
なぜって、まずラミーは吸湿性と発散性の双方に優れているからなんです。寝汗をサッと吸収し、すぐに放散してくれる。この爽やかな寝心地は特筆です。しかも通気性が良い素材ですから、布団にこもる湿気も少なくなります。
また、ラミーのシーツには、素敵なひんやり感があるんです。これも前述の発散性がもたらしてくれるもの。水分の蒸散に伴って気化熱が奪われる。いわば天然のクーラーのような作用が、繊維に働いているんですね。
さらに繊維の中では比較的熱伝導率が高い素材であるという特性も見逃せません。つまり、シーツがヒートシンク(放熱板)となって、体温を適度に空中に放出してくれる、というわけです。これらの性質から、ラミーは高温多湿の日本の夏にピッタリな素材なんですね。
そして何より嬉しいのは、ラミーの丈夫さです。夏のシーツは毎日でも洗って、爽やかに寝たいもの。その点、ラミーのヤング率は天然植物繊維の中では最高峰。しかも水に濡れるとさらに強さが増すという素晴らしい性質を持っているんです。つまり、じゃんじゃん水洗い出来ると言うこと。もちろん極細糸を使った高級素材の場合は手洗いをお勧めしますが、それでも水洗いて劣化しにくいラミーは、本当に夏向きの素材と言えるでしょう。
ちなみにラミーは縄文初期の遺跡からも出土していて、弥生時代入ると、もう現在の技術に匹敵する高度な布が織られていました。小千谷縮や近江上布、宮古上布、八重山上布などは、こうした長い歴史の伝統を受け継ぐ苧麻の織物です。これら日本の伝統のラミーで寝間着を仕立てたら、さらに爽やかに寝られること請け合いですね。パジャマより、日本の伝統的な寝間着の方が、ずっと涼しく寝られます。
こうした和の知恵による爽やかな睡眠空間を整えた上で、就寝直前ではなく、しばらく前から部屋の灯りを落とします。そして、月や星空、夜景などを眺めながら、団扇片手に布団の上で夕涼み。これですっかり自律神経が睡眠モードに移行して、ぐっすりと休むことが出来るでしょう。畳の香りと、サラッと爽やかな天然繊維が、草原の夢を見させてくれるかもしれません。
まずは毎度お馴染み、畳の活用です。夏はちょっとでも床に近いところの方が涼しいですよね。気分的にも、ほんの数十センチ横たわる位置が低くなるだけで天井が高く感じられて、広々と涼しげな印象になります。そこで、夏の寝床はベッドではなくユニット畳。窓際の、月が見上げられるような場所なら最高です。そんな場所を探してユニット畳と布団を敷き、夏の寝所にしてしまいましょう。季節によって寝る場所を変える。この新鮮さも、爽やかな眠りを演出する素敵な舞台設定です。
畳の上に敷きっぱなしの布団は万年床と言って嫌われますから、毎朝毎晩布団の上げ下ろしが必要ですが、昔はみんなそうやって暮らしていたのですから、慣れればたいして苦になりません。いや~上げた布団の置き場が無いし、という人は、寝床は従来のベッドのままでOKですので、次、行ってみましょう。
続いてはシーツの工夫です。私が夏に愛用しているシーツは苧麻(ちょま:ラミー)です。麻というとリネンが思い浮かびますが、実は「麻」という語は葉や茎などから繊維が採取出来る植物、およびそれらから採取された繊維の総称なんですね。一口に麻と言っても、
こんなに色々種類があるんです。リネンやヘンプも爽やかな繊維ですが、私は特に夏のシーツには、シャリッとした風合いが心地よいラミーがお気に入り。
なぜって、まずラミーは吸湿性と発散性の双方に優れているからなんです。寝汗をサッと吸収し、すぐに放散してくれる。この爽やかな寝心地は特筆です。しかも通気性が良い素材ですから、布団にこもる湿気も少なくなります。
また、ラミーのシーツには、素敵なひんやり感があるんです。これも前述の発散性がもたらしてくれるもの。水分の蒸散に伴って気化熱が奪われる。いわば天然のクーラーのような作用が、繊維に働いているんですね。
さらに繊維の中では比較的熱伝導率が高い素材であるという特性も見逃せません。つまり、シーツがヒートシンク(放熱板)となって、体温を適度に空中に放出してくれる、というわけです。これらの性質から、ラミーは高温多湿の日本の夏にピッタリな素材なんですね。
そして何より嬉しいのは、ラミーの丈夫さです。夏のシーツは毎日でも洗って、爽やかに寝たいもの。その点、ラミーのヤング率は天然植物繊維の中では最高峰。しかも水に濡れるとさらに強さが増すという素晴らしい性質を持っているんです。つまり、じゃんじゃん水洗い出来ると言うこと。もちろん極細糸を使った高級素材の場合は手洗いをお勧めしますが、それでも水洗いて劣化しにくいラミーは、本当に夏向きの素材と言えるでしょう。
ちなみにラミーは縄文初期の遺跡からも出土していて、弥生時代入ると、もう現在の技術に匹敵する高度な布が織られていました。小千谷縮や近江上布、宮古上布、八重山上布などは、こうした長い歴史の伝統を受け継ぐ苧麻の織物です。これら日本の伝統のラミーで寝間着を仕立てたら、さらに爽やかに寝られること請け合いですね。パジャマより、日本の伝統的な寝間着の方が、ずっと涼しく寝られます。
こうした和の知恵による爽やかな睡眠空間を整えた上で、就寝直前ではなく、しばらく前から部屋の灯りを落とします。そして、月や星空、夜景などを眺めながら、団扇片手に布団の上で夕涼み。これですっかり自律神経が睡眠モードに移行して、ぐっすりと休むことが出来るでしょう。畳の香りと、サラッと爽やかな天然繊維が、草原の夢を見させてくれるかもしれません。