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goldwell ●30ポイント ベストアンサー |
日本の冒険家で言えば子供の頃、世界初五大陸最高峰登頂の植村直己や南極探検の白瀬矗(のぶ)の活躍を読んでワクワクしたものです。
大人になって読んだので特に印象に残っているのはこのあたり。
『劒岳―点の記』
明治時代、近代的な地図作成のために各地をその足でまわり、険しい山岳においても三角点埋設の任務に勤しんだ男たち。
それが測量官であり、主人公柴崎芳太郎は地図の空白を埋めるために前人未踏、また決して登ってはいけない山と恐れられた北アルプス・劔岳を目指すという物語です。
新婚にも関わらず長期間の山籠もりを強いられたことに加えて、同じく登頂を目指す登山会との軋轢や、信仰心強い地元民との折衝、天候に左右される山にあっての行動計画の難しさ…etc
幾多の困難を乗り越え国としての事業を成し遂げてゆく明治人の気概を感じさせます。
現在、私たちが気軽に使っている地図には測量に携わった名の知れぬ人々の辛苦の上に成り立っているのだと伺える作品です。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20090712/1247400406
映画もなかなか良かったですよ。
『凍』
凍、この一文字の作品にはクライマー山野井泰史の壮絶な人生が綴られています。
登山の中でも特に危険度が高いロッククライミング。
その中でも極限まで荷物を減らし、無酸素で短期間でアタックを掛けるアルパイン・スタイルを好むのが山野井氏であり、その技術の高さと実績は世界的に知られている人物です。
それにしても怪我や事故、時には命を失うことさえ不思議ではないほどの危険を乗り越えてまで、なぜ急峻な岩壁に挑むのか?
その生い立ちやロッククライミングに魅了された半生、そして妻の妙子氏と共に登山一色の生活が紹介さえています。
ついにヒマラヤの難峰ギャチュンカン北東壁にアタックをかけた時に九死に一生の目に遭い、凍傷によって右足の指5本と左右の手の薬指と小指を付け根から失いました。
それでもクライミングを諦めず、リハビリの末に度々難関壁登頂を行ったというのですから、すごいというか、もはや想像を絶する精神力であると言えましょう。
妻の妙子氏もまた夫に負けず劣らずタフで、この夫にしてこの妻ありと言うしかありません。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20130516/1368712191
日本の山岳・冒険小説家として有名なのが谷甲州なんですが、読もう読もうと思いつつここで紹介できそうな作品はあまり無いんですよね・・・。
あえて言えばSFと冒険アクションが融合した『惑星CB-8越冬隊』でしょうか。
気候改造のために用意された人口太陽の機能が狂って、環境激変の恐れがあるという惑星が舞台。
そんな中で主人公は人口太陽を止めるため、苦難の旅に出るというストーリー。
とにかく、序盤のとっつきにくさを乗り越えると中盤あたりからの展開にめりこんでしまう。そういう意味では期待を裏切らない作家ですね。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20091206/1260111292
最後に、アフリカと日本をまたにかけた冒険活劇の傑作として名高いのが『ガダラの豚(全3巻)』(さすがに既読かな?)
(リンクは上巻だけにしておきます)
超能力ブームに乗っかって、一般向けの呪術著書がベストセラーになったおかげで本意とは逆にタレント扱いされてしまった民族学学者・大生部が主人公。
その彼が家族やTV関係者らと共にケニアの呪術の本場に乗り込んだ末に巻き起こす大騒動。
超能力・宗教・呪術盛り沢山ゆえに一見荒唐無稽になりがちですが、その謎解きも含めてじっくりと物語が構築されているので、最後まで目が離せない。
その長さに比して、寝食忘れて一気読みしてしまうほど夢中になれること請け合いです。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20130323/1364039387
他の方の回答・コメントを見てて思ったのですが、単純に冒険小説ならばタイムスリップ小説の含むのかな?と思ったのですが、私の大好物なので、そちらをメインにしてしまうとどれだけ回答に時間がかかるか見当つきません。
なので今回はできるだけ正統派(?)な冒険・探検で考えてみました。
もし興味があれば、いつの日か「魅力的なタイムトラベラー」の質問を実施していただけたら嬉しいですね。
私も過去にタイムトラベル関係の質問を何度もしてますけど(笑)
初めのほうで場を荒らしてしまった観なきにしもあらずなので反省して、滝沢馬琴「南総里見八犬伝」を高く評価し、お勧めします。
江戸時代後期に著された、室町時代後期の安房(千葉県)を舞台とするドラゴンボールです。ウィキペディアによると「安房国里見家の姫・伏姫と神犬八房の因縁によって結ばれた八人の若者(八犬士)を主人公とする長編伝奇小説」とあり、まったくその通りです。
馬琴の原著はもうれつに長いので(少しだけ手を出して断念)、現代のわれわれが読むとしたらこれかなあ。
義、というのか、忠節を尽くす若者と姫にはわかりやすいすがすがしさがあります。悪者も悪者なんだけどシーンが幻想的で、うーん、話飛ぶぞ、「3X3 EYES」みたいな、場面が繰り広げられていくのを読む喜びも大きいです。
里見八犬伝は何種類かの現代語訳が出ています。可能なら図書館で(書店では昨今あまり見かけない(T_T))読み比べて、物語世界に入っていきやすそうなものを選ぶといいかもしれません。ちょっと話ずれますが「国府台(こうのだい)」とか、あるいは真間とか、市川には古い地名が残っていて、この物語にもいまに通じる地名が出るのも読む楽しみの1つかも。
南総里見八犬伝 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス (SP90))
こちらも楽しく読めます。八犬伝って語るの難しい。ドラゴンボール!w
新しめのもひとつくらい混ぜて、と思ったのですが、さっぱり出てこない。
でも、ブクマも含めて、どうしてあれが出てないんだ、
という気持ちが抑えられません (`・ω・´)キリッ
一昔の少年は、身近なところにも冒険を求めて、探求の旅に出てただろう、というのはググるまでもなく共感を得られると思うのですが、自分の知らない世界を書籍に求めていたことも共感を得られると思います。
ぼくの場合は、多分、最初はベルヌだったのだとは思います。
二万マイルだったか世界旅行だったか、さては既出の地底旅行だったか、というのは記憶にはないのですが、ぼくが冒険譚としてはっきりと記憶しているのはペルシダーシリーズです。
挿絵があったような記憶もありますが、モグラは、ウルトラセブンのマグマライザーか、サンダーバードのジェットモグラを、地下に広がる別世界は、ファイヤーマンの世界観を妄想しながら、ターザンのテイストを絡めて(多分、挿絵が古かったんだろう)ドキドキしながら読んでいた記憶があります。
Wikipediaを見ると、ハヤカワと創元文庫があったようですが、どちらを読んでたのかなあ。
挿絵の記憶があるということは、ハヤカワだったのかしらん。
そのペルシダーシリーズが、今では著作権が切れて、gutenberg で読めるようになっているのだとは。
もうひとつは、ガンバの冒険です。
ああ、本当にノロイが怖かった。
「クカカカ……」と大塚周夫の声が耳に残る。
劇画調というには暗すぎる色調の絵が続き、ネズミとは言え、ばったばったと仲間が殺されていく(さすがに、レギュラーの七人は殺されませんが)。
種を超えたの友情、仲間の裏切り、自分たちの手が及ばない自然現象のカラクリ。
そんな難しいことを考えながら見ていたわけではありませんが。
「冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間」という原作があったことを知ったのは、随分と後のことです。