ちょっと古い映画ですし、あまり娯楽性もないですけど。
人間の命が「管理」され、不死が実現したという未来の世界で、
唯一それ以前の世界から生き残り、最後に死を迎えようとしている老人。
彼の若き日の記憶は現実と交錯し、選択時に選んだ世界と
選べなかった世界とが同時に分岐と交錯を繰り返し、
すべてが彼にとっての世界になっていく…。まさにパラレルワールド。
生命を管理したという世界で、唯一、管理しきれない人間ニモの世界。
人生のあらゆる可能性がとりとめもなく現実となり、そして消滅していく矛盾。
まるで、決して管理しきれない「何か」を象徴している様な映画でもあります。
「ミスター・ノーバディ」