折れ線が曲線に近づくからと行って、長さも近づくとは限りません。
例えば、長さ1の線分を考え、これをn個の長さ1/nの線分に分割します。その各々を底辺とする正三角形を考えて、他の辺をつなぎ合わせた折れ線を考えると、この長さは2となります。n→∞とするとこの折れ線が元の線分に近づくからといって長さも近づくわけではありません。もし例の証明の論法で行くと1=2となって矛盾です。
みやどさんの回答のとおりだと思うのですが、イメージがつかないようなので補足します。
なお、私も数学は素人なので、勘違いや誤りや不正確な表現を含んでいるかと思います。ご容赦ください。
三角形の例ですが、高さ√3/2・底辺1の三角形ですから、面積は√3/4です。
底辺が半分になると、面積はそれぞれ√3/16で2個なので合計√3/8
さらに半分になると、面積はそれぞれ√3/64で4個なので合計√3/16
まとめると、
n=1、L=2、S=√3/4
n=2、L=2、S=√3/8
n=3、L=2、S=√3/16
...
n=x、L=2、S=√3/(2^x+1)
...
n=∞、L=2、S=0
となります。
ご覧のとおり、面積は0に収束しますが、長さはnがいくつであっても、たとえ無限であろうともビタイチ動かないです。
件の扇型がきちんとπ/4に収束するかどうかは未確認ですが、同様に「面積の収束」と「長さの収束」とを意図的に混同させた問題であるかと思います。
参考になれば幸いです。
数式や数学用語をなるべく用いずに大学数学ごっこをやってみる。とはいえ自信はないので、あまりアテにしないでほしい。
まず、あの折れ線l_1と円弧l_2は一致しなくはない。なぜこんな曖昧な言い方をするかというと、l_1の折れる数が増えるにつれて円弧に乗っている点の数が増えていき、最終的に可算無限個に到達する(際限なく近づく)からである。すなわち、l_1上にある可算無限個の点が、l_2の上に乗っているということになる。また、これらの点は稠密であるから、実数直線上にある有理数と似たような形をしている(同型という言葉が適切なのかは知らない)といえる。
ところで、証明は省くが、l_2は定義域において連続である。すなわち、l_2をあえて点の集合と考えると、l_2上にある点の数は非可算無限個、すなわち数直線上にある実数の数と似たような形をしているといえる。
これらをまとめて考えると、「l_1を無限に折ったとき、l_2と重なる部分は点の集合であり、それは実数直線上の有理数の個数とだいたい同じである」といえる。有理数は稠密だが連続ではないから、測度0(無いも同然だという意味)となる。別の角度から同じことを表現すると、非可算無限から可算無限を除いても非可算無限は変わらないということである。
ディリクレの関数を引き合いに出すならば、あれはリーマン積分不可能でありながら、ルベーグ積分可能である。この現象を説明するのによく使用される表現は「実数直線上にある数のほとんどは無理数だ」だが、これが加算と非可算の境界をよく示している。
話をまとめると、l_2に一致するl_1の部分はしょせん可算無限個の点でしかないので、決して非可算無限個の線的な一致はなし得ないということである。そして、その可算無限個の点は実質的に長さ0となる。もちろん、線的な一致ではないのでこれがl_2と同一視されることはない。
……というガバガバ理論(特に測度のところとか適当)を思いついたので書いた。ほかに距離空間の話をしても証明できそう?